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第27話 甲賀忍之介最後の戦い! シャーク・テロリストを殲滅せよ!!!

 ナラタケ。

 この“食欲旺盛”なキノコは森の分解者として枯死植物の分解を担うだけでなく、積極的に生きている植物にも菌糸束を伸ばし内部からボロボロに食い荒らしてしまう。その繁殖力、病原性共に強く、日本においては“ならたけ病”などと呼ばれ果樹等が被害にある例も多く報告されている。


 ナラタケの菌糸束は黒い植物の根のような形状をしており、これを地中へ伸ばして生息範囲を拡大してゆくわけだが、彼らは何と水中ですら、この菌糸束を伸ばして移動することが可能なのだ。

 その繁殖する範囲は沢の上流から下流へと、敵対する菌類がいなければどんどん拡大してゆく。世界最大のオニナラタケともなれば、衛星写真で見るとその生息範囲だけ森の色が違って見えるほどである。


 ドン・ゲリラは10平方キロメートルにも及ぶ巨体で地下に根を張ってこの地球上のどこにでも移動することが出来た。しかも、地中の“体内”に空洞を生み出しシャーク・テロリスト達の居住空間(コロニー)としていたのだった。

 シャーク・テロリストがいきなり快適市に現れた理由もこれで説明できる。そして彼らが武器をどこで調達してきたのか、あれだけ目立つ格好をしていながらこれまで人間に発見されずに済んでいた理由をも!


 テロリストは文字通り“地下”に潜伏していたのだ!

 そして必要に応じて自由自在に好きな場所で移動し、武器を奪い金品を奪い、時にはサメの特性を利用し海中で狩りをし、力を蓄えながらこの時を待っていたのだ!


 我が国を最初に襲撃した理由も明白だ。

 経済大国の中で唯一自国の軍隊を持っておらず、武力はあれどもそれを行使するためには煩雑な手続きを要し、国民性も他国と比べれば腑抜け同然であり、島国かつ複雑な地形を持つという地理的特徴から制圧した際には即時に堅牢な砦となる!


 まさに黄金の国! 最強の立地! 侵略の容易さ!

 サメにとって、四方を海に囲まれたこの国はさながら楽園!

 値千金の価値を持っていたのだった!


「うわぁ~助けてくれ~!」


 逃げ惑うサラリーマンを菌糸が絡め取る!


「嫌ぁ! 死にたくない!」


 逃げ惑う主婦も菌糸が絡め取る!


「ワンワン!」


 犬も!


「パオーーーンw」


 動物園から逃げ出したゾウも!


「きり~~~んw」


 キリンもだ!


「あっ、アッー!!!」


 サラリーマンの穴という穴から細い菌糸が侵入! 体内に根を張り水分と栄養を吸収する!


「うごごごごごっ……」


 主婦の全身が波打つ! やがて皮膚を突き破って菌糸がコンニチハ!


 ズバァシャーッ!!!


 趣味の悪い“モズの早贄(はやにえ)”めいた枯死体がいくつも生み出されてゆく!

 何という……残酷すぎて目を覆いたくなる終末的光景!!!


 菌糸が喉を鳴らすように蠕動(ぜんどう)してドン・ゲリラ(自称:アバドン)へエネルギーを送る!

 その度に王はその身を肥え太らせてゆくのだ!


「おぉ……うっ……おぉ……!」


 自称アバドンは忍者の前で、今や京都タワーよりも巨大になった肉体を歓喜に打ち震わせていた!


「素晴らしいぞ! 命を直接吸い上げるこの味わい! 生命の、いや……この星そのもののご馳走! なんと甘美で……あぁ………おぅ! 官能的な体験なのだろうか!!!」


 忍之介への菌糸攻撃は中断されていた。サメの王は“食事”に夢中になっている様子だった。


「今のうちだ。キノコ・シャークがなんか気持ち悪い声を上げているうちに反撃の手段を考えないと!」


「甲賀くん、冷たいお水よ!」


 姫野泡子がナチュラルミネラルウォーターを差し入れ! 気が利く!


「うん」


 ゴクゴク。


「大丈夫? 疲れてるんじゃない? 脳にブドウ糖を供給する必要があるわ」


 明日葉さゆりがラムネを差し入れ! 気が利く!


「うん」


 パリポリ。


「大丈夫? おっぱい揉む?」


 道成寺ゆりねがお触りサービス! エッチ!


「うん」


 さわさわ。(実際にはエア揉み! なろうの規約的にもセーフ! 本作は青少年にも配慮した小説である!)


 水。ラムネ。おっぱい。三位一体、渾然となった栄養素が忍者の脳をフル回転させ始める!


「ドン・ゲリラの謎、必ず暴いてやる! じいちゃんの名にかけて!」


 それは一休さんもビックリするほど明晰な思考だった!

 忍者はドン・ゲリラとのこれまでのやり取りから、非常に論理的に“ある可能性”へと辿り着いた!

 謎解きに要した時間、実に0.05秒!!!


「そうか! わかったぞ!」


 その時!


「シャアアアアァ!」

「ドン・ゲリラ様、おやめください!」

「我々はあなた様の忠実な……ウギャーッ!!!」


 これは一体どうしたことか!?

 ドン・ゲリラ(自称:アバドン)は人間や動物達を捕らえるのを止め、なぜかシャーク・テロリストを吸収し始めたではないか!

 気でも狂ったか!


「おぉ……やはり同族の肉は旨いな。安心するがいい我が忠臣(ちゅうしん)達よ。この新世界の神と一つになれるのだ。これ以上の幸福は無かろう。私はいずれこの惑星そのものと一体化し、コズミック・シャークとなり全宇宙に覇権を築こう! そのあとはありとあらゆる次元を! 並行世界を! 異世界も! 全ての生命を食い尽くし……ビッグバン・シャークに至るとしよう!!!」


「クッ! 脳みそがイカれたか!?」


「貴様も我と一つになるか!? 忍者よ!!!」


「誰がお前なんかと! 美少女となら一つになりたい!」


「その前に美少女も全て我が食い尽くしてくれようぞ!!!」


「殺す!!!」


 忍者は怒った!

 いつもは冷静な忍者も、この非道な発言を聞いて理性崩壊寸前!


「我を殺す? 無理だねこのウスノロ! 貴様のようなゴミ虫以下の存在に何ができる? ええっ!?」


「一寸の虫にも五分の魂、だ。僕の忍者魂を見せてやる!」


「よかろう。もう、お遊びは充分だ。この、ドン・ゲリラ改めアバドンの……」


 ボゴン! ボゴン! ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッ!


 一体何本あるのか!?

 無数の菌糸が忍之介の周囲からまるでモンゴリアンデスワームめいて出現する!!!


「糧となって散れ、我が野望の前に立ち塞がった宿敵(ザーコ)が!!!!!!!!!!!!!」


 一斉に、菌糸が動き出す!


 シュルシュルッ!


 しかし忍者はネコよりも柔軟な身のこなしで全てをスルリを避け、弾き、跳躍した!

 転がって距離を取りながら最後の一手について考える!


 恐らく、推理の方向性は合っている。だが正解かどうか確認する手段はない。ぶっつけ本番だ。


 甲賀忍之介は忍者だった。


 ドン・ゲリラとの戦いで忍之介は、プラスチック爆弾の爆発に巻き込む形で彼を爆散させた。その後、ドン・ゲリラは菌糸を地上へ展開して新たな肉体を四つ、生成した。

 わざわざご丁寧にサメ人間の姿で再構築する必要はないはずなのだが、あえて分裂したかに見せかけたのは自身の能力のデモンストレーション、示威行為だったのだろう。

 オニナラタケの能力を使えばこのようなことも出来るという、実演の意味合い。


 この時、ある疑念が生じた。

 忍之介の背後に出現した三体は一切喋らなかったばかりか、まともに移動すらしなかった。動いていたのは前方の一体だけ。喋っていたのもこの一体のみ。


 忍者として変わり身の術や分身の術を使うことのできる忍之介だからこそ、ドン・ゲリラの特徴にいち早く気づくことができたのだ。

 恐らく、後ろの三体はただのダミー。忍者の変わり身に使う丸太のようなもの。意思を持ち行動できたのはあの時、前方にいた一体……爆弾によって吹っ飛んだ位置から再生した一体のみだったのだろう。


 どういうことか。


 甲賀忍之介にはわかった。忍者だから、そのカラクリを推理できた。


 オニナラタケの能力を使い肉体を無限に生成できるドン・ゲリラだが、その実、意識を司る“脳”は一つしかないのだ!

 そうに違いない!


 これだけ巨大な体をたった一つの、せいぜい人間大くらいしかないであろう脳で完璧にコントロールできるはずがない!

 人間がいきなり10平方キロメートルもの巨体を獲得したとして、その無数にある菌糸の一本一本にまで注意を向けることが出来るわけがないのだ!


 考えても見てほしい、読者諸氏。あなたは腕の産毛の一本を随意的に動かすことが出来るだろうか。そんなことは不可能。腕の産毛が動く時、それは単なる生理現象の結果として動くに過ぎない!


 ドン・ゲリラ(自称:アバドン)の肉体でも同じようなことが起こっているはずだ!

 あの菌糸は彼の意思とは無関係に、栄養を自動で吸収するべく動いているのだ!

 たとえば獲物の体温を検知したり、においで察知したり、もしかしたらサメ由来のロレンチーニ器官によるソナーを応用しているのかもしれない。


 いずれにしても、巨大すぎる体に脳は対応できていないのだ!

 だが末端の菌糸から怒涛の勢いで押し寄せる栄養を脳は快感として受け取っているようだ。

 サメの王は確かに脅威の力を持っていたがしかし! その力は過ぎたるもの! 決してアンダー・コントロールではなかったのだ!!!


 たった一つの脳はプラスチック爆弾の爆発の寸前に子実体(キノコ)から地下へと逃れ、菌糸束から新たな子実体を生み出しそこに鎮座した。他のダミーは脳と地下で繋がってはいるが細かい操作はできない状態だった。そう考えるのが自然だ。


 ということは、だ。今、忍之介と会話しているこの巨大なドン・ゲリラ(自称:アバドン)の頭部にこそ彼の脳が収まっていて、これを破壊することが出来れば全身のコントロールは不可能となり、キノコ・シャークはただのデカいキノコでしか無くなるということなのだ!


 勝てる! 地下の菌糸束全てを根絶やしにする必要が無いのなら!


「けど……あの頭を破壊するだけの威力のある兵器がないとな……」


 忍者が諦めかけたまさにその時! 奇跡は起こった!

 

「甲賀くん! あったよ!」

 

 姫野泡子が言う!


「第二次世界大戦末期、この町に落とされた大量の焼夷弾!」


明日葉さゆりが言う!


「その不発弾が!」


道成寺ゆりねが言う!


「でかした!」


 そして忍者は言った!


 ヒロインズが抱えて持ってきたのは酷く錆びた楕円形の物体!

 紛れもなくそれは過去からの忌むべき贈り物!


 覚えているだろうか読者諸君、筆者は第16話においてこう記述していたはずである。


>そう、実はこの快適市は第二次世界大戦末期、東京大空襲に巻き込まれた地域であったのだ。アメリカ軍による無差別爆撃の余波はこの町にも及び、大量に投下された焼夷弾が町を炎で包み込んだ。

 そして現在でも時折、工事の際などにこの時に投下された焼夷弾が掘り起こされることがある。戦争の爪痕は未だに残されているのである!


 伏線は既に、張られていたのだ!

 この町には未だに、焼夷弾が埋まっている!

 ドン・ゲリラ(自称:アバドン)は地下から大量の土砂を巻き上げたついでに不発弾をも地表へ出土させてしまっていたのだ!!!


「最後のトドメだ、ドン・ゲリラ!」


 忍者は不発弾を抱えて疾走!


「何だそれは! そんな年代物の爆弾がそう都合よく引火するわけないだろう! リアリティが無いぞ!!!」


 嘲笑うサメの王!


 地上150メートルにも達する巨体、垂直にも近いそり立つ壁目掛けて忍者は跳ぶ!

 そして!


「象形拳! 山ヤギ(アイベックス)!!!」


 それはアルプスの山岳地帯に暮らすヤギ! 断崖絶壁をまるで散歩するかのように容易に登攀(とはん)する強靭な(ひづめ)を持ったヤギだ! 象形拳でヤギと化した忍者は絶壁をものともせず100メートル全力疾走並みの速度で駆け上がる!!!


 菌糸!


 パシィ!


 手で払う!


 菌糸!


 パシィ!


 手で払う!


 菌糸!


 跳んで菌糸を掴み逆上がりの要領でぐるりと回って逆さのまま上昇!

 遂に、米国ラシュモア山の岩壁に掘られた四人の大統領の顔並みの巨大さを持つシャーク・ヘッドの高度まで到達!


「引火させる方法なら……あんたが教えてくれただろう!」


 忍者が叫ぶ!


「何だと!?」


「それはこれだあぁぁぁ!!!!!」


 ガリガリガリガリッ!!!


 忍之介は逆さの状態のまま、手にした焼夷弾をドン・ゲリラ(自称:アバドン)の“サメ肌”に擦り付けた!!!


 おお、これは!!?

 ドン・ゲリラが葉巻を吸う際に自分のサメ肌で引火させていたのをしっかり記憶していた甲賀忍之介の冷静な観察力と忍者的極限状況判断力がパズルのピースめいてガッチリと噛み合った結果導き出された最適解!!!


 ボワアァッ!


 焼夷弾が、赤々と燃え上がり始めた!


「まさかこんなことがっ!?」


「これが忍者だ! そして……!」


 今、サメの王は有り余る巨体を維持するだけのエネルギーが足らず町へ散らばった仲間の肉をも喰い尽くし始めている!

 まるで自分の足を喰らうタコのように、せっかく町へ放った部下達を自ら殺害しながら、破滅への道を突き進んでゆく!


 これは忍者にとって千載一遇のチャンスでもあった!

 ここでこのドン・ゲリラ(自称:アバドン)を倒せば、事件は一気に解決する!


 同時多発シャーク・テロは、ここで終わる!


 いや、終わらせるのだ!!!


「忍者に、敗北はない! 食らえキノコ野郎ーッ!!!」


 忍之介は燃え盛る焼夷弾を、サメの王の口腔目掛けて投下!!!


「おのれおのれおのれぇ! 忍者のクソガキがあぁぁ!!!!」


 ボッゴオオオオオオォォォンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 大爆発は起こった!


「アバーッ!!!」


 絶叫! 更に!


 ドオオオオオオオオオオオォォォォンンン!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 ドン・ゲリラ(自称:アバドン)の頭部が爆炎を上げて粉々になる!!!


「ざまぁみろ!」


 空中で爆風に揉まれ、きりもみ回転しながら忍者は中指を突き立てた!

 遂に、敵の親玉を倒すことに成功したのだ!


「じいちゃん、僕、やったよ!!!」


 ガッツポーズ。そして落下しながら伸びている菌糸を掴もうと腕を伸ばしたその刹那!


「ぬおおおおおおぉぉぉぉ忍者あぁぁぁぁ!!!!」


 地の底から響くような怨念のこもった声と共に炎に舐められ半分以上崩壊したサメの頭部が動き、菌糸が忍之介の胴体に巻き付いた!


「ぐうっ! まだ意識があるのか!?」


「こうなれば貴様もろともだ!!!」


 菌糸が燃え上がる頭部へ忍者を放り込み、


「しまった!」


「共に滅び去ろうぞ、グワーッハッハ!!!!」


 グズグズに崩れ去る寸前のサメの大顎が忍者を丸呑みにする!!!


 ゴクン!


 喉が大きく動き、


 それからサメの王は遂にその動きを完全に停止させた……。


 炎が勢いを増し、巨体を包み込んでゆく。


「甲賀くん!」

「甲賀くん!」

「甲賀くん!」


 忍者によって命を救われた彼女らの悲痛な叫び声が響く!

 火の粉は頭上から容赦なく降り注ぐ!


 そこへ、ザリッと草履(ぞうり)の足音がした。


「お嬢さん方、ここは危険だよ」


 道服のようなゆったりとした黒色の着物をまとい、その上にこげ茶色の半纏(はんてん)を羽織った老人がやってきて、ヒロインズに忠告する。


「で、でもっ」


 姫野泡子は泣き顔で老人を振り返る。


「せっかく助かった命、無駄にするでない」


「おじいさんは、逃げないの!?」


 と、明日葉さゆり。


「ワシは……探し物があるのでな」


 ふいに老人が見上げた頭上、火を噴きながら落下してくる菌糸!


「行け、早く!」


 老人は懐から素早く手裏剣を複数枚抜き取って真上に投げ上げた!


 シュカカカッ!


 菌糸に打ち付けられた手裏剣が(のみ)打ちの要領でその繊維に傷を入れ、バラバラに砕いた!


「きゃあっ!」


 バラバラと燃える菌糸が落下してくる中、道成寺ゆりねが二人の生徒を庇いつつ駆け出す。


「おじいさんも! ……って、あれ?」


 一瞬目を離した隙に、老人はまるで初めからそこに存在しなかったかのように消え失せていた。


「幻……?」


 ゆりねが呟く。


「先生、逃げよ」


 その腕を引いて泡子は急かした。


 小走りにその場から離れつつ、さゆりは後ろを振り向く。


「甲賀くん……」


 その声もすぐに、ゴウゴウと鳴る炎によって掻き消されてしまった……。




 燃え盛る炎を意にも介さず、甲賀龍仁斎はひょいひょいと歩いてゆく。

 頭上から火の粉が降りかかるも、足捌きだけで回避。


 やがて龍仁斎は立ち止まり、ひらりひらりと宙に舞う黒い布をつかみ取った。

 半分ほど焼け焦げて失われてしまったそれは間違いなく、甲賀忍之介の……愛する孫の頭巾の切れ端!


 さながら、赤い雨だった。

 漆黒の夜空が、血の涙を流しているかのようだった。


 火力を増してドン・ゲリラだったものは焼き尽くされ、崩壊してゆく。


「忍之介よ……」


 空を見上げ、龍仁斎は呟いた。


「忍者とはかくも……辛いものよのぉ」


 炎に照らされたその表情は歪み、とても寂しげだった。


「今日、この町で死んだ者達には立派な墓が建てられるじゃろう。その生きた証が残されるのじゃろう。が、忍者はただ歴史の闇に葬られるのみ……生きた証など何も残らん」


 闇色の布切れは龍仁斎の手から離れ、いずこかへと風に流されていった。


「それでも……」




 戦いは、終わった。

 結果から先に言えば、シャーク・テロリストは全滅。

 快適市は救われたのだ。


 多くの尊い犠牲を出し、わが国史上最大最悪のテロはここに終わりを迎えた。

 そして名残惜しいが次回でこの物語も遂に最終回である。

 しんみりと、お通夜みたいに待とう!

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― 新着の感想 ―
[一言] ヒロインズ、いきとったんか……
[一言] 焼夷弾だけではないシャーク達が日本を狙った理由・方法といった伏線回収もさることながら、スケールのデカさ・展開・やり取りと、どれも凄まじかったり笑えたりと、アバドン戦はまさにラスボスに相応しい…
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