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第23話 決着! 空前絶後の外連味マシマシ必殺技描写に全読者が驚愕!!!

 ここで一つ、振り返っておくべきことがある。忍者はなぜ、戦いの舞台を教室から廊下へと移したのか。


 雑多なものが散らかる教室では何かに足を取られて斬撃の餌食になるリスクが高いから?

 それもあろう。

 だが条件としてはマンティス側も同じはず。あちらも障害物が邪魔して移動し辛くなるという点では忍之介と同条件だ。

 逆に廊下のように遮るものが少ない場所の方が、リーチに優るカマキリ有利と言えはしないだろうか。

 なぜ、忍者は廊下へ?


 なぜ。


 この“なぜ”が実はとても重要なのである。忍之介は早期に決着をつけるべく、明確な意図をもって廊下へと移動したのだ。さも斬撃から逃れる為のように見せ掛けて、マンティスを誘い込んだ。

 彼は一体何をやりたかったのだろうか。


 その答えは今まさに明かされようとしている。


 突然の後頭部への衝撃に、マンティスの動きが止まる!

 想定外のタイミングでのダメージだった!


 マンティスは寝技に対する対処法も当然学んでいた。だが彼が練習していたのは柔らかなロープの張られたリングか、砂浜の上だった。決して、このような建物で経験を積んできたわけではなかった。

 忍者はありとあらゆる場所での戦闘を想定して訓練している。使えるものは何でも使う。汚い手ももちろん、使う。


 マンティスは首相撲で忍者を捕らえた際、実は彼によって廊下の壁際へと押し込まれていたのだ! 忍者は無駄に暴れていたわけでも、エスケープが出来ないから苦し紛れにジタバタしていたわけでもなかった!


 全ては、繋がっていた!

 シャーク・マンティスの後頭部を襲った衝撃、その正体も今や明白であろう!


 それは壁!

 倒された時そこには、コンクリートの硬い壁があったのだ!


「ぬぐっ!!!」


 呻き、反撃をしようとした時にはもう遅かった!

 忍者の両腕はいつの間にか、マンティスの胴体へと回され背面で深く繋ぎ合わ(クラッチ)されていた!


 先ほどまでマンティスの鎌が深く喰いこんでいた忍之介の左肩の痛々しい傷跡からは(おびただ)しい出血! 忍者はそんなもの、気にも留めない!


 プロレスのジャーマンスープレックスのように、忍者はマンティスの体を持ち上げて反対側の壁へと跳躍!


 ドガァ!


 またしても頭部を硬い壁にぶつける!

 が、ここで終わりではなかった!

 更に壁を踏み締め三角飛び!

 今度は天井だ!


 ボゴォ!


 突き破って上階へ!

 が、ここで終わりではなかった!

 更に壁を蹴って三角飛び!

 反対側の壁に!


 ドガァ!


 またしてもマンティスの頭部を硬い壁にぶつける!

 が、ここで終わりではなかった!

 更に壁を蹴って三角飛び!

 反対側の壁に!


 ドガァ!


 マンティスの頭部をヤケクソ気味に硬い壁にぶつける!

 が、まだまだ終わりではなかった!

 更に壁を蹴って跳躍!

 天井を突き破って上階へ!


 ボゴォ!


 そしてまだ終わらない!


 (ドガァ)


       (ドガァ)

 

 (ドガァ)


    天井(ボゴォ)


 (ドガァ)


       (ドガァ)


 (ドガァ)


    天井(ボゴォ)!!!


 一気に屋上まで突き抜けた先には満天の星空!!!


 既にマンティスは頭部はおろか頸部も、両腕も、腰椎も、両脚も砕け散っていた!

 しかしまだ生きていた! 驚嘆に値する生命力!


「ごほぉ……この……このマンティスが……」


 飛翔する頂点にて、漆黒の空を背景として、忍者は言う。


「あんたは本当に強かった。わずかでも気を抜けばこっちがやられていた。その強さを称え、最後はこの技で決着とする!」


 上昇が止まった。重力に従い下降が始まる。

 真っ逆さまに、脳天から。

 マンティスが先、その腰にしがみついている忍者が後。


 忍之介は、マンティスを掴みながら回転! まるでコマのように!

 ぐるぐると回転力を上げながら二つの肉体は校舎の屋上へ向けてどんどん落ちてゆく!


「おの……れ……忍者……っ!」


 抵抗する力はもう、マンティスには無い!

 しかしその潰れた複眼にありったけの殺意を込めて忍之介を睨みつける!


「お前を(ほふ)る技の名は……紫電鉄槌(トールハンマー)落とし(・フォール)!!!」


 ギュルギュルギュルギュルッ!!!


 今やその回転は暴風の如き勢いと化し、大地を削るドリルのように屋上のコンクリートへと……接地ッ!

 寸前で忍之介はマンティスの体を放して離脱! 転がって衝撃分散!


 マンティスは、


 屋上に強烈な回転のまま激突(ギュルギュルドゴォ)()


 ドリルが岩盤を削るの(ギャリギャリギャリ)と同様にして天井を砕(ギャリギャリギャリ)いて下階へ落ち(ギャリボゴォッ!)


 回転力を継続しながら(ギャリギャリギャリ)床面に激突して(ギャリッ……ドガァ!)


 ドリルが岩盤を削るの(ギャリギャリギャリ)と同じ理屈で床面を砕(ギャリギャリギャリ)いて下階へ落ち(ギャリッボゴォ!)


 回転力をまだまだ持続(ギュオオオオオオ)させながら床面に激突(オオオオオオドガ)して(ァ!)


 ドリルが岩盤を削るの(ギャルギャルギャル)と同じ理屈で床面を砕(ギャルギャルボゴォ!)いて下階へ落ち(……オォォ)


 回転力を残したまま床(ギャギャギャギャギャ)面に激突して(ギャズガアァ!)


 全身の肉も骨もズタズ(ゴリゴリゴリゴリゴリ)タにされボロボロにさ(ゴリゴリゴリゴリ)れながら床面を砕いて(ゴリゴリゴリボゴ)下階へ落ち(オォワッ!)


 全身をスライサーや(ジャリジャリジャリッ)ミキサーで撹拌される(キュワワワワワワッ)が如く消失しながら(ギャリギャリギャ)回転力を持続して床面(リギャリギャリギャリ)と接触を続け(ギャリギャリイィ!)


 そこを砕いて下階へ(ギャリギャリボゴ)落ち(ォ!)


 やがてコマが勢いを無くして停止するのと同様に、そもそも回転する為の自重=自分自身の肉身のほとんどを失った段階で灰燼と化してさらさらと突風に舞って死んだ……。


「はぁ……はぁ……」


 片膝をつき、荒い呼吸を繰り返す忍之介。さしもの忍者もこれ程の強敵を相手取っての大立ち回りでは疲労困憊だ。最後は秘中の秘、究極の必殺技まで用いての辛勝だった。


「けど、もうちょっと頑張らないとな……」


 今すぐこの身を投げ出して寝てしまいたい。そんな衝動に駆られる。だが悲鳴を上げる体にムチ打ち、忍之介は立ち上がった。

 校舎の屋上に空いた二つの大穴。一つはここまで上ってくる際に空けたもの。もう一つは落下するマンティスによって生じたものだ。


 穴の淵に立ち、下を覗き込む。マンティスは紫電鉄槌落としを喰らって粉微塵になって消滅したはずだ。案の定、その姿はどこにも見えない。代わりに……。


「……何だ?」


 一階の廊下に立ち、こちらを見上げている存在あり。そして、


 パシュゥ!


 白煙を上げる何かが、そいつの持つ“武器”から放たれた!


「ロケットランチャー、だとっ!?」


 間違いない! 夜目の効く忍者には、炸裂弾が大穴を通じて飛んでくる様子がはっきりと見えていた!


「危ないっ!」


 淵から離れ、駆け出す忍者! その背後、壁に激突した炸裂弾が爆発!


 ドッゴオオォォ!!!!


 爆風が忍者の体を煽り、吹っ飛ばした!


「うわぁ!」


 ふわりとした浮揚感。屋上の安全柵を飛び越え、忍之介の体は空中に投げ出される!

 眼下に広がる校庭! そこへ向かって落ちてゆく体!


「クソ! マズいな」


 このままでは地面に落ちて全身を強く打って死亡は免れないだろう!

 まさか、ここまで来て墜落死してしまうのか、忍者!?


「5点着地するしかない!」


 地面に激突する瞬間、忍者は落下の衝撃を分散させる特殊な身のひねり方を行い、体の一点に破壊的な力が加わるのを回避! 転がりながら、素早く起き上った!


 5点着地とは自衛隊の第一空挺団の訓練項目にも入っている、パラシュートで降下する際に安全に接地する為の技術である。転じて高所から落下する場面においても、この方法により衝撃をかなり緩和することが出来る。


「じいちゃんが言ってたっけ。極まった忍者の5点着地なら仮に成層圏から落下しても打撲程度で済ませることが出来るって。……さすがに話を盛ってる気はするけど」


 卓抜した着地技術によって無傷で生還した忍之介。しかし、まだ終わりでは無かった。


 校庭に続々と、サブマシンガンを構えたシャーク・テロリスト達がやってきた。その数、10体!

 そして彼らを掻き分けるようにして、モスグリーンのベレー帽を被ったサメが忍者の前に現れる!


 そのサメ人間は優雅な所作でキューバ産の高級葉巻を抜き取り、己のサメ肌にこすって着火、余裕のある動作で鋭利な歯が並ぶ口元に咥えた。上等な葉巻特有の香ばしい芳香と圧倒的存在感を纏いつつ、満身創痍の忍者を見下ろす。


 シャーク・テロリスト達の主導者、ドン・ゲリラ。

 遂に、甲賀忍之介は敵のリーダー格と対面するに至る。


 手裏剣の残弾は無く、全身に深い傷を負い、体力の消耗も激しい。

 果たして忍者はこの状態で、未知なる能力を持つサメの王に打ち勝ち、悪夢の同時多発シャーク・テロに終止符を打つことが出来るのであろうか?


 次回へ続く!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ルビの読み応えすごかったです(๑˃̵ᴗ˂̵)
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