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信長と人質時代の家康の友誼は存在したのか

 さて、永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いで今川義元が討ち死にすることで、東国の状況は大きく変わった。


 それまで今川氏に従属していた松平元康(徳川家康)は、大高城へ兵粮入れを成功させ、休息を取っていたところで義元討死の報を受けたが今川義元の訃報が次々と届いてももしいま退却して、誤報であれば笑われると言い、伯父の水野信元が使者・浅井道忠を通して、今川義元は討死し、駿河衆は退却している。岡崎城へ戻られよと忠告されても動かないでいた。


 伯父は敵の織田方であるからなんらかの策かもしれないと考え、岡崎から書状が届いてようやく、大高城をでて、一度、今川氏の尾張国攻略における拠点である知立城(ちりゅうじょう)へ向かったが、駿河衆はとっくに逃げ出しており、元安は織田方の落ち武者狩りに出くわした。


 このときは元安を先導していた浅井道忠が、”我は水野信元が家臣・浅井道忠である。殿の命令で今川軍を追っている。道を開けられよ”と織田型の集団であるように偽装して安祥へ入ったが、そこで松平元康軍は解散し、その後に残されたのは18騎と伝わる。


 そして矢作川を渡れば岡崎城は間近であったが、梅雨時で増水した河には渡し舟が無かった。


 今川の駿河衆が先に渡ったあと追手が川を渡れないよう、舟を戻させなかったのだがこれはある意味当然の判断だろう。


 このときは長瀬八幡宮の森から、3匹の白鹿が現れ、矢作川を渡ったのでそれを追って松平元康一行は、無事に矢作川を渡ったというが、実際は配津八幡宮のある、配津村の半三郎という船人が松平元康の主従8人を舟に乗せて対岸の仁木へ運んだらしい。


 そして矢作川を渡った松平元康は、岡崎城へ入る前に安祥松平氏の菩提寺である大樹寺に入った。


 これは松平の歴代墓所で義元に準じて切腹するためだったというがそれは怪しく、当時の寺は下手な城よりも防御力が高いものもあったから、岡崎城の様子を見ながら僧兵の力を借り岡崎城を攻めるためだったようだ。


 もっとも駿河衆が逃げ出して岡崎城は空になったので、松平元康はゆうゆうと岡崎城に入ったのだが。


 そして岡崎城に入った後、松平元康は、岡崎城を拠点として松平一族・家臣の再結集を図り、織田信長や水野信元とその後も戦っており、これは実際には領地争いであろうが、今川氏真は当初は今川氏のために戦っていると思っていたのだが、翌年の永禄4年(1561年)に自立がばれ、今川氏真は吉田城代・小原鎮実に命じて、龍拈寺の門前で、人質を串刺しの公開処刑にしたという。


 、永禄3年から同4年にかけて、西三河を武力で勢力下に置いた。


 そして永禄4年に、元康は織田信長と和解し、同盟を結んだ、いわゆる清洲同盟だな。


 もっとも両家は先代の織田信秀と松平清康・広忠親子が長い間戦っていた経緯からも家臣団の間での遺恨も強く、そんな簡単に同盟の話は纏まらなかった。


 ここで出てくるのが天文16年(1547年)松平広忠は織田信秀に攻められて降伏し、そのため広忠の嫡男竹千代が織田方へ人質として送られ、その時吉法師と出会って友誼をむすんだからいたから同盟したのだ、というものだが、竹千代は名古屋の織田家の菩提寺である万松寺に預けられ、この寺で2年間あまりの人質生活を送っていたが、信長は先んじる天文11年(1542年)には父の信秀より那古野城を与えられ、天文16年(1547年)には初陣をかざっており、天文18年(1549)には信広と交換されて駿河に行っているので、信長が万松寺に行って竹千代を見るくらいはあっても、お互いの交友につながるものではなかった。


 その間の天文15年(1548年)には濃姫を娶っているからなおさらな。


 正式に同盟が締結されたのは桶狭間の戦いから2年後である。このとき、家康が信長の居城である清洲城を訪問して、信長と家康との間で会見が持たれた上で同盟が締結されたことから、これは清洲同盟と呼ばれている。


「じゃまあ、竹千代に会いに行くとするか、犬、猿、帰蝶!」


「うーっす」「承知」「わかりましたー」


 俺はいつものごとく十傑集走りで、犬は四足で地を駆けながら俺に追随し、猿も地響きを立てながら疾走し、帰蝶はパラグライダーで空を飛びながら三河の岡崎へ向かう。


 そしてその途中で正面から巨大な物体が背中からブースターの火をふかせせながら近づいてくるのが見えた。


「なんだありゃ?!」


 空を飛ぶその巨大な鎧の肩に何かがつかまってたってているが、それはズシンと地響きを立てて地面へ降り立った。


右手には蜻蛉切と呼ばれる超大型機巧回転螺旋槍(ドリルランス)、肩にはキャノン砲を装備し、せなかには、板型浮遊支援子機(フィンファンネル)をそうびしたそれは戦国最強と名高い本多忠勝。


 そして肩に乗ってる子狸は


「久しぶりですな、吉法師殿!」


「ああ、竹千代か、相変わらず小さいなお前」


「小さいって言うなー」


 本多忠勝がこくとうなずきながら言う。


「ガオン」


 それを聞いた子狸がえっへんと胸を張って言う。


「忠勝もそうだとそうだと言っていますぞ」


「お、おう……そうか。

 俺にはガオンといっただけにしか聞こえなかったが」


 そして貴重が真剣な顔で本多忠勝を睨んでいる。


「これは手強いライバル出現ですね!」


「おい、帰蝶。

 お前もあれと張り合うなよ」


「いえあれだけの重火器を使ううえに空を飛ぶというところまでキャラがかぶってますからそういうわけには行きません」


「お前は重装甲じゃねえだろ」


「それはそうですが」


 そして猿が忠勝をじっと見ている。


「うぬは強いな」


「……」


 ほっといたら忠勝に殴り掛かりそうな猿だったのであとりあえず止めておく。

 

「おい、猿?!

 今日は争いに来たわけじゃないぞ。

 竹千代……じゃなく今は元康か。

 お互い争っても意味ないしここは同盟しておこうぜ」


「わかりました、吉法師殿!

 ではなく信長殿」


「よし同盟成立だな」


 ここで家康を滅ぼしてておいたほうがいいと考えるやつもいるだろうが、それで三河を手に入れてもその後に今川や武田や後北条と戦うのは経済的には割に合わないんだよな。


 何より強いやつと戦いたくてウズウズしてる猿には悪いが「戦国最強」の本多忠勝を敵に回したくはないしさ。

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