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おいでませゲーム世界! そして平手政秀は本当に忠臣だったのか?

「ふっふー、やっと手に入ったぞ、帰ったら早速やるか」


 俺はゲームショップで戦国時代をテーマにしたゲーム”ノッブの野望”の最新作を手に入れてウキウキであった。


「なんだかんだでやっぱ主役は信長だよなー」


 早速自宅に帰りゲームのパッケージを開いて、中からゲームディスクを取り出し、それを電源を入れたゲーム機に入れ、テレビもつけて立ち上がるのを待つ。


「楽しみだな……あれ、これなんか違う……やっちまったか?」


 よく見ればパッケージタイトルは”戦国BASSARI(せんごくバッサリ)”。


そして説明書を読んだところで目的のゲームと全く違うものを買ってしまったらしいことに気がついたのだが……今更買おうとしたものを間違えましたので交換してくださいとは言いづらいし、正直ゲームショップまで行くのも面倒臭い。


 まあ歴史ゲームと間違えてアンジ○リークを買うレベルの失敗じゃないだろうし、たまには違う系統のゲームで遊んでみるの良いか。


「まあ、いいか、ちょっと試しに遊んでみよう」


 俺がコントローラーを手にしてテレビ画面へ向きなおった瞬間、画面から眩しい光が放たれ、俺を包み込み俺は意識が遠のいていった。


・・・


「うっ? ここは……どこだ?」


 なんか身体が重い……と思ったらそれも当然だ、上体を起こしてよく見れば白銀色の西洋風の鎧の手甲(ガントレット)足甲(グリーブ)(ヘルム)胸当て(ブレストプレート)腰当て(ウエストプレート)、更には深紅のマントを身に着けてるらしい。


 そして何故か右手にめちゃくちゃ禍々しい剣、左手には散弾銃を握っている。


 そんな状態の俺を見て叫ぶ老人がいた。


「おおっ! 若っ、ようやくお目覚めになりましたか!」


 そして老人がボソリとつぶやいた。


「ちっ、そのままくたばればよかったものを……」


 そういった後で表情を一変させて喜ばしいという表情になって老人がいった。


「いやいや、良かったですぞ……。

 もしこのまま目覚めなかったら管理不行き届きで、この爺も腹を切って死んだ殿に詫びねばなりませなんだ」


 彼がそういったときにふと思いだした。


 俺の名前は織田信長、そして目の前の老人は平手政秀。


 平手政秀は一般的には信長の傅役として教育を行い、うつけと言われた信長を度々諌めながら最後まで忠義を貫き、一向に改まらない信長の行いを諌めるために切腹したと言われてる男だ。


「なあ、爺、なんで俺はこんな格好で寝てるんだ?」


「覚えておられぬのですか?

 ですから河原で相撲を取るなどという野蛮なことはおやめになり、蹴鞠や歌をおぼえなされといったのですぞ」


 この時代の武家は公武合体を行った室町幕府の中枢の者など上層部は白粉やお歯黒を行い、蹴鞠や和歌など覚えるのはあたりまえであり、弓を扱うにしても流儀による作法のほうが大事であるとされ、幼少期からそういった公家的なことことをせずに、相撲などをとってばかりでいたのが、うつけ者だと織田信長が言われ、熱心な教育ママであった土田御前は信長を嫌い、素直で品行方正な信行を可愛がった原因ではあった。


 ちなみに足場の不安定な河原で相撲をするというのは、ビーチサッカーと同じような原理で足を取られたり、不安定な足場で攻撃や防御の動作をおこなうには、自分自身の身体からパワーを生み出せる体幹の強さが必要になるからで、水練も近くで行えるというメリットが有るのだがな。


 だが俺はあえて言う。


「いやそうじゃなくてだな」


 不思議そうに示威が言った。


「はあ? なんでございましょう」


 俺は身につけてる西洋甲冑を指さしていったのだ、


「なんで俺は完全武装の甲冑を着て武器を握ったまま、布団の中で寝かされていたのかということなんだが?」


 平手政秀は無表情で答えた


「仕様でございます」


「は?」


「だから仕様でございます」


 どうやらバグではなくて仕様らしい。


 それなら仕方ないな。


「そうか。

 仕様なら仕方ないな」


 俺は身を起こすと立ち上がった、柱や天井は木製だが、なぜか壁にはステンドグラスがハマっていて、パイプオルガンの音がBGMのように流れている。


「で、爺よ。

 父が死にそのあとを継ぐ俺がお前の傀儡にならぬとわかり、相撲の相手を使って鍛錬中の事故に見せかけ殺そうとしたのはそなた自身であろう」


 俺がそう言うとやつは悪党面になってになりにやっと笑った


「なるほど、もはやお見通しでございましたか。

 その通り、織田家が斯波家を傀儡としたように、我々が同じことを行ったとしてなんの問題がございましょう、者共! 出会え! 出会え!」


 奴がそう言うと襖が開いて、そこから無表情で全く同じ姿かたちをした雑兵共がワラワラとあらわれた。


「この数相手に逆らっても無駄でございますぞ。

 さあ、今後も私には好きなようにさせていただきましょう」


 俺は顎に手をやりながら少しずつ思い出していく。


「ふむ、朝廷との交渉事や安城合戦で俺に許可を得ずに勝手に援軍を率いたうえに、勝手に今川との人質交換をも行ったり、関所をもうけてはその通行料を懐に入れていたようにか」


 奴はニヤリと笑うとうなずいた


「ええ、あなたの弟である信行様はあなたの一番家老であった林秀貞の話をよく聞く良いお方であるようですが、私は二番家老でしたのでいまさら信行様のもとへ行っても、格下扱いされてしまいますからな。

 ならばこそ若には私の話をよく聞くようにいってきたのでございますが」


「で、あるか」


「というわけでございますゆえ、今後もおとなしく傀儡として過ごしてしていただきましょう」


 俺はその言葉に答えた。


「断る!」


「ならば致し方ありますまい。

 者共! このうつけ者を捕らえよ! 多少痛めつけても構わん」


「はっ!」


 やつがそう言うと雑兵が群がってこようとするが……。


「そうはいかん!」


”だん!”


 左の散弾銃(ショットガン)を群がってくる雑兵へ放つと、鉛の散弾を受けた雑兵がまとめて姿を消す。


”だん! だん! だん!”


 何故か弾丸が自動的にリロードされる散弾銃(ショットガン)を別の方向からも群がってくる雑兵へと放ち続ける、雑兵はやはり姿を消す。


 だが……。


”ザシュ!”


 すべてをさばききれず俺は雑兵の刀の一撃を食らってしまった。


「ち、この代償は高く付くぞ!」


 俺は刀身までびっしりと奇妙なルーン文字の刻まれた、黒く巨大な広刃の剣を雑兵へと突き刺す。


「魂を喰らえ妖刀村正(ストームブリンガー)!」


 ”ジュジュジュジュギュンギュン”と剣が血を吸い上げると、刀身が赤く染まり雑兵の肌がかさかさになってミイラのようになっていく。


 反対に俺のお肌はつやつやのテカテカだ。


「全国の手荒や肌荒れに悩む奥様が知ったらきっと”殺してでもうばいとる”という選択をするだろうな。

 あまり使わないに越したことはないか」


 そして俺の中に力がみなぎってきた。


「俺に喰われしたましいよ慟哭するがいい! 狂戦士状態(バスカーモード)!」


 狂戦士状態になった俺の速度と力によって振るわれる村正と無限にリロードされる散弾銃によって雑兵共はやがてすべて文字通り姿を消した。


「残りは爺、お前だけだぞ」


「ならば、かくなる上は私自ら!」


「来るがいい!」


”ラウンド1、ファイト!”


「爺よ喰らえ!、これが俺の奥義!”眼から破壊光線(オプティックブラスト)”だっ!」


”ドゥシューン ”


 俺の目から破壊光線が一直線に伸びていく。


「ぐわあああ、ぐわあああ、ぐわああっ」


 そしてまともに破壊光線を浴びた爺は、断末魔の叫びを上げて地面に倒れ伏した。


「ふん、土は土へ、灰は灰へ、塵は塵へと帰るがいい」


 そしてその直後に爺は何事もなかったかのようにムクリと起き上がった。


”ラウンド2、ファイト!”


「爺よ喰らえ!、これが俺の奥義!”眼から破壊光線(オプティックブラスト)”だっ!」


”ドゥシューン ”


 俺の目から破壊光線が一直線に伸びていく。


「ぐわあああ、ぐわあああ、ぐわああっ」


 またもや破壊光線を浴び、断末魔の叫びを上げて爺が地面に倒れ伏した。


「ふん、土は土へ、灰は灰へ、塵は塵へと帰るがいい」

 というか連コは簡便だが……3ラウンド制なのかこれ?」


 幸い奴はそれ以上は起き上がってこなかった。


「爺よお前は俺の行状を治すために切腹したということにしておいてやるから、安らかに眠るがいい。

 そして戦国の世は、この俺が終わらせねばな」


 ここから信長の天下統一が始まった! かもしれない。

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