六話 ギルドマスター
ガチャ…
「おう、こいつがSSクラスの子供か」
「はい。カードも本物でしたので信用出来かと」
誰か…来た…のか?
「んん…ギルドマスターさん来たんですか」
んー。まだ眠い
「おう、スマンな。ってなんだ。あん時の小僧じゃねーか」
「あ、あんたは胡散臭いおっさん!」
「う、胡散臭いって…まぁいい。お願いつーのは実はこの王都郊外のアルファン山の方に原竜が目撃されたんだ」
へぇ、こんな近場で上位種のねぇ
「原竜ってあのAランク以上じゃないとと討伐不可の?」
「おう。その原竜だ。だが、山に現れた原竜は進化しかけてる」
「進化…ってまさか、古龍種になりかけてるんですか!?」
大抵のモンスターにも進化はあるが、上位種のドラゴンは原竜から古龍になるだけでも尋常じゃないほど変わるらしいからなぁ
「ああ、流石に古龍種になればSランクの冒険者でも危うい。それに中立な立ち位置と言えど王都と近いからな。だから、王から認められたレインボーカードを持っているSSランクのあんたに討伐を依頼したい」
え、大丈夫なの?貰ってまだ数日だよ?
「成程…期限は?」
「多分、進化が完了して動き出すまでに訳:1ヶ月…それまでに討伐できればコチラとしてはありがたい」
「分かった。それじゃあ、少しLvを上げたいんだけど近場にオークとかオーガのたまり場ってありませんか?」
流石にLv1で挑めるわけないしね
「ああ、それなら一週間ほど前から王都郊外の迷いの森の入口付近にオークたちが縄張りを作ってたから討伐依頼が来てたな。」
「なら、それを受けさせてください」
「ああ、了解した。いつ受ける?」
「早めにした方がいいので明日でしょうか」
「分かった。っとそうそう、オークは持ってきたら売れるから持ってこいよ」
「わかりました。そうだ、何処かいい宿は無いですか?今日泊まるところ決めてなくて」
すっかり忘れてた…野宿は流石に嫌だし
「なら、ここに泊まりな。まぁ、ベットはねぇが小僧の体ならそのソファーで心配ねぇだろ。食いもんも下の酒場にあるしな」
迷惑じゃないのかな?…一応聞いてみるか
「いいんですか?アラナさん。ここギルドの応接室ですし…迷惑なんじゃ」
「ちょ、なんで俺に聞かねぇんだよ」
そりゃ…ねぇ?
「クズマスターは黙っててください」
あ、また言われてる
「くっ!クズ!?」
「ああ、すみません。ハクト様が良ければ構いませんよ。それに応接室は1階にもありますし、2階のここは普段貴方様の様な特別なお客様を対応する時以外は予備の応接室として使ってますから」
「そうですか。ありがとうございます。」
アラナさんの口からよからぬ事が聞こえたが気にしないでおこう。あと、とりあえず寝床は確保っと
「んじゃ、下で飯食ってくるか!」
「では、ギルドマスターの奢りですね」
「んなっ!」
「ハクト様。好きなだけ頼んでよろしいですよ」
「ちょ、普通それ俺が言うんじゃ」
「あははは…」
仲良いなこの二人
「って、ちょ、お酒は無理ですって!」
「いや、男は黙って酒だ!」
「いやいやいやおかしいでしょ!?ちょっとアラナさん止めてくださいよ!」
「マスター普通は15から成人ですよ。お酒はそれからです。まぁ、ハクト様も未成年でお酒を飲んだからって罪になる訳じゃないので大丈夫ですよ」
「ちょっとぉぉぉぉお!?んぐっ…」
「まぁまぁ…飲め飲め…これでもここでは結構高い葡萄酒なんだからよ!」
ギャーギャー
*****
「ふぁ…眠い。あんまり寝れなかった。頭も痛いし…二日酔いにならないのが幸いか…っとオークの討伐にいくか」
バタン
移動中
「さてと、迷いの森の入口はここのはずだけど…見当たらない…ん?いや、あれがオークか?」
そう言って息を潜めながら観察していると、どんどん数が増えていき最終的に200匹程のオークの集まりが出来ていた
「何しようとしてるんだ?」
そのままその集まりを観察していると…周りのオークとは比べ物にならないほどの巨体が現れた
「あれは…オークキング!?」
オークの頂点に立つその名の通りのキング…一番下の方ではあるが、上位種に入る凶暴なモンスターだ。
「何故こんな近場に?」
オークならまだしもオークキングまでいるなんて聞いてないんだけど
「はぁ…初っ端から死なないといいけど…【文字魔法】発動!〈牢屋〉」
よし、周りを高い柵で覆ったからこれでどっかに散らばる事はなくなった
「さてと…あとは周りでチクチクしてちょっとずつ減らすか」
1時間後
「あ゛ー!やっとオーク倒した!あとはオークキングだけなんだけど…うわーやだなー…っとその前にステータス確認するか…【ステータス】」
..............................................................................
名前 白上 白兎
種族 人族
職業 無職
年齢 12 Lv.17
HP 2425/2425(+1200×2)
MP 3300/3300(+1600×2)
筋力 154(+74×2)
耐久 97(+45×2)
敏捷 180(+84×2)
魔力 201(+96×2)
幸運 275(+125×2)
称号 巻き込まれた一般人、ショタ、年上キラー
加護 神の御加護?
使用スキル
認識偽造、文字魔法、魔法付与、医療魔法、貸出
常時発動型スキル
ステータス上昇値2倍化、経験値取得率2倍化、収納庫、魔力探知、魔力操作、鍛冶スキル、調合スキル
隠しスキル
少年嗜好補正
................................................................................
お、増えてる…って、レベル上がりすぎじゃね?てか、全体のステータスの上がり方が異常なんだけど…いやまぁ、経験値とステ上昇2倍になってるけどさ…とにかくオークキングは放っておいてスキルを見るか。
魔法付与
物や人に特定の効果が付いた魔法を付与する。人にやる場合は時間制限がつくが物にする場合には時間制限は無い物もある。複数付与する場合はそれ相応の魔力が必要。基本消費MPは5
使い慣れたら便利かな?次は医療魔法…
医療魔法は回復魔法の上位互換。
切断部の再接続や、一部臓器の壊死すらも回復させる回復魔法。その代わり消費MPが回復魔法の数倍いる。基本消費MPは1500
こっちは消費MPがえげつないけど使い勝手が良さそうだ。
ん?貸出…って…なになに?
貸出はその名の通り何でも借りれる能力。例えそれが神の力だとしても一時的な場合制限は設けられるが借りることが可能。それを他人に貸し出すことも出来る。
うわっ!?これ1番チートな能力じゃ…うん。気にしたらダメだわコレ。1番便利だけど
「さてと、そろそろラスボスと行こうかね」
魔法の威力が上がったとはいえ、油断は禁物だな
「さて、首切り処刑を始めよう【文字魔法】発動!〈処刑執行人〉」
「グオッ…グッ…グッ…グッ」
魔法で出来たオークキング専用の首切り処刑台が現れその上で首を固定されたオークキングが暴れている。
「ふふっ、動けないだろう?君専用に作ったんだ。そう簡単には外れないよ。それに、首から切れば素材は綺麗なままだからねぇ」
彼は気づいていないだろう。この後の光景が見られており、後に魔王の眷属と呼ばれる小さな少年の噂が。この時、ハクトはローブを羽織っていたので顔は見られていないが見られていれば1発で有名人だっただろう。
「グォォォォォ」
「ん?怖いのか?…魔物にも感情があるんだな…まぁ同情なんてしないけどね?じゃあな…オークキング」
その瞬間、オークキングの固定された首の上に留まっていたギロチンが落とされる。
ヒュッ…ザシュッ…ゴトッ
抵抗していたオークキングだが、首が落ちると糸を切られた操り人形のようにピクリとも動かなくなった。流石に首を切られては絶命一択のようだ。
「うぇ…気持ち悪…さっさと収納庫に入れてギルドに戻るか」
そうだ、文字魔法のやつ一つ増えたからテレポートとか言ったら出来るのでは?もしかしなくても転移魔法の代わりとして使えるんじゃ?思いついたが吉日、早速試すか!
「【文字魔法】発動!〈転移 ギルド〉」
シュンッ
「っと、おっ!思った通りだ。出来た!ってこの魔法本当にチートだな。消費MPは…2000か…流石に長距離は無理そうだが…っと早く見せに行くか」
キィィィィイ…トントントントン
応接室の扉を開け下に降りると顔見知りがいたので声をかける
「おはようございます」
俺の声に反応してビクビクするAクラスの冒険者(笑)さん達
「あ、アラナさん!おはようございます」
おはようと言ってもお昼になりそうなのだが
「お出かけの様子でしたが…いつお戻りに?」
「あ、それはですね」
転移してきたんですよと言う前にギルマスが話に割り込んできた
「お、小僧。やっと見つけた。オークの討伐なら早めに行かねーと日が暮れて出来なくなっちまうぞ」
多分今上から降りてきたと思ったのだろうか
「それなら、やってきましたよ。」
「はっ?…おいおい。オークの集まりだぞ?SSクラスだからといってそんな短時間で…それにいつ」
その後の言葉を言う前にハクトは爆弾発言をする。
「それと、オークキングもいたからついでに仕留めてきた」
「ブフッ…あの上位種のか!?」
やはり上位種なのか…ギルマスのアンドリューですら驚く。だが、その中でも雑魚の部類だろう。だってギロチンで倒されたのだ、ハクトの中では最底辺の雑魚という認識でしかないのだ。
「あのが何を指しているか分からないけどオークキングなのは確かですよ。全部首を切断して仕留めているから素材としての価値は高いはずです。」
「わ、分かった。とにかく素材買取の方に行こう」
ガチャ…バタン
「お、どうしたんです?」
「魔物の解体だ。」
「なら、前のカウンターでやれば」
「デカいのがいるからな…」
「どんなのですかい?」
「えーっと、オークが29匹、ハイオーク171匹、オークキングが1匹ですね。」
実はオークと言うよりは大半がハイオークだったらしい。こりゃ、変な事ならないといいけど
「おいおい、これを坊主1人で?」
「まぁ、オークの大半がハイオークだったのは少し驚きましたけど」
「そ、そうか。どうだ?ガリル」
「そうですね。明日までにオークとハイオークを解体。その翌日の朝にオークキングを解体したいので明後日…でしょうか」
「だ、そうだ。討伐報酬は素材買取の時でいいかな?」
「ええ。では、このまま僕はアルファン山に向かいますね。」
「ちょ、もう行くのか!?」
「はい。この時間帯なら途中で野宿して討伐して帰れば明日の朝方には帰って来れそうなので」
「まぁ、止めはしねーが大丈夫か?」
「頭がですか?残念ながら正常です。一週間ほどなんて言ったのは言い過ぎでした。レベル15を超えてれば倒せそうですから」
まぁ、こんな簡単に上がるとも思わなかったかして。
「んな!小僧 お前オーク共を倒す前は何レベだ?!」
「1だったけど…」
あれ?おかしいの?
「そ、そうか。っと、引き止めてる時間はねぇな。気をつけて行ってこいよ」
なんか気になるが…まぁいいか
「分かってますよ!」
さて、アルファン山に出発だな。