一話 死神様とのご対面
「っ!ここ…は?」
目を開けると白い空間が広がっており自分の目の前には少し幼い中性的なそれでいて大人びた人らしい者が立っていた
「ここは次元の狭間」
夢ではないか?と思ったがとにかく疑問を問いかけた。
「君は?」
「僕は死を司る神」
僕はと言うことから男…なのだろうか?それより死を司る神って事は…
「死神?」
あ、口に出ていた。流石に神に対して失礼だろうか?
「まぁ、そういう類のものと考えて構わない。それで、君がここにいる理由…なんでか覚えてる?」
死神と言うのはあながち外れてはいないようだ。それより俺がいる理由だって?
「なんで、確か俺…父さんと母さんと買い物に行って…そうだ!」
ズドーン!!!
そう、それは突然だった。
父と母に買い物に行く途中に…
「そうだ!事故に遭ったんだ…!父さんと母さんは!?…それに、事故にあった時のことを教えてくれ!!!」
神様が言うには
トラックが突っ込んできたのだが、運良く?前からではなく後からだったため運転席と助手席にいた父と母は何とか一命を取り留めたそうだ。
だが、トラックが運良く後からだったのは神様のミスらしい。因みに後部座席にいた俺は勿論即死だったらしい。
「済まない。これは我々のミスでもあるんだ」
そうしょんぼりしながら彼は言った。可愛いなんて思ってないからな!と言うかまだ自分も子供だからショタ属性は無いはず…ぐぬぬ。と言うか…
「"我々"のミス?って…まさか」
まさか…マジで…そんなありきたりな話し…
なんて呑気に考えていると、彼…ユキが苦虫を噛み潰したような顔で「っ…あぁ、そうだ」と言った。とても申し訳なさそうだ。そんなユキの思いはいざ知らず…ああ、ユキと言うのは死神くんのあだ名だ。白い髪に薄い水色の目をしているからだ。まぁ、本人に了承は得ていないので心の中で呼ぶことにしよう。なんて考えている。と言うか…
「え、もしかしてユキ…じゃなかった。死神様?のミスって俺死んじゃったの?」
「あ、ああ。それでお詫びと言っては何だが実は異世界に転生して貰いたいんだ。えっと…ゆ、ユキ?」
そう、気まずそうに提案するユキくん。それと僕がユキと呼んだから戸惑っているようだ。
「ああ、気にしないで。それと転生して貰いたいって事は異世界転生?」
異世界転生とは、そういう類の小説で神様が間違えて殺しちゃったから異世界に転生させてあ・げ・る♡の奴だ。
「いや、正確には君の体を複製して異世界召喚に便乗して君を巻き込まれた一般人として一緒に召喚させる。というものなのだけど」
あり?思ったのと違うらしい。正確には死んで転生ではなく、魂を別の体に移しての召還らしい。髪の色や身体の作りが変わるかもしれないが性別や年齢、身長や体重は変わらないとのこと
「けど、一緒に召還させられちゃったら大変なことにならない?」
異世界召還と言えば一国の王が魔王が攻めてくる!ヤバい!けど、戦えない!そうだ!異世界から勇者を呼んでしまえ!って感じでもし勇者じゃなかったら…死刑とか
「ほら、勇者じゃないから死刑とか」
「大丈夫だよ。それに、僕は巻き込まれただけの一般人ですしかし、あなた方に召喚されたのも事実。なので少しお金を頂ければ元の世界には戻らなくていいですって。まぁ、断り方は君に任せるよ。君は頭が切れるからね。それにこちらで死んだってことは…」
そう気まずそうにこちらを伺う
「ここの世界には戻れない…」
まぁ、父と母と会えなくなるのは心苦しいがどうせ生き返るなんて事も出来ないだろう。
「ああ、君の言う通り生き返る事は出来ないが異世界で生きることは出来る。その代わりといっては何だけど少しは融通が聞くと思うよ。流石に君に直接力を与えることはできないけど君の願いを固有能力として与える事は出来るんだ。」
ユニークスキル…確か普通では取得不可能な特殊スキルだったかな?
「ユニークスキルね…分かった」
「それじゃあ、どんな能力が欲しいか書いて。」
そう言って渡されたのは羽根ペンとよくある線が引かれた紙。よし、ありったけ書くか…っとそう言えば…
「制限時間はどれくらいあるんだ?」
「ああ、それは心配しなくても大丈夫だよ。ここは次元の狭間だからね」
よく分からないがこの空間には時間という概念そのものが、無いとの事。なら…
「どれだけ時間をかけても大丈夫な訳だ」
「その通り」
数時間後
「よし!決まった!」
「んじゃ、言ってくれるかい?」
「まずは…」
数分後
「これくらいかな?」
「それじゃあ、まずは認識偽造と文字魔法の2つだね。あと、パッシブスキルで全ステータス上昇時の2倍化、経験値取得率の2倍化を解放しておくよ」
「レベルが上がれば使えるスキルが増えるわけだ」
「その通り。それじゃあ、そろそろ送るよ」
「うん」
「じゃあ、頑張ってね。何かあれば助けるから、その時は…そうだね。君ぐらいだよ神に名を付けるのは」
「ん!?」
「もし困った時は心の中で僕の名前を呼ぶといい。僕にも名はあるが、君の付けた名前は気に入ったからね」
そう悪戯っ子が悪戯を成功したような笑顔で微笑む。ぐぅかわいい…じゃない!
「まさか!最初から心の声が…」
そう聞き返そうとした瞬間
シュンッ
という音が聞こえ目の前が真っ暗になった