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別れ

 次の日私が学院に行くとセリスとニールは居ませんでした。同じクラスの人に聞いてみると二人とも別の学院に転入すると言う連絡が今朝方あったそうです。


「アマンダ・・・」


 そんな話をしているとフレアス様がいらっしゃいました。しかしその表情は暗く何か知りたくなかったことを知ったような・・・


「少し二人だけで話がしたいのだけど・・・今は大丈夫かな?」


「は、はい・・・大丈夫です」





 あまり人の来ない庭にきた後、フレアス様は私に向かいこう切り出しました。


「昨日帰った後、父上と兄上と話をする機会があったんだ。その時に君の家のことを聞かされたよ・・・君がセリスのことを敵視し続ける理由も聞いた。だから聞きたい、君は私のことを利用するために近づいたのか?セリスを陥れるためだけのために?それとも本当に私のことを想ってくれているのか・・・?」


 悲壮な顔でそう告げるフレアス様、あぁ・・・そこまで知ってしまわれたのですね・・・それならば私の取るべき道は・・・


「陥れるためだけ?それこそが私の存在理由ですわ。フレアス様は私の今までを全否定なさるのですね?」


「そういう意味でいったわけでは!」


「フレアス様がなんと思おうとも私にとってはそういう意味にしか取れませんわ!あぁ・・・質問に答えていませんでしたね。そうですよ。セリスを陥れるためだけに近づいたのですよ。そんなことも知らずにフレアス様は踊らされる道化のようで滑稽でしたわ」


 私が笑いながら告げるとフレアス様は怒っているような、悲しんでいるような、そんな複雑な表情で私のことを見つめていました。


「そうか・・・それが君の本心なのだな・・・」


「そうですわ。そこまで知られてしまった以上、もう貴方に関わる必要もありませんわ。それでは失礼いたします」


 私がそういってフレアス様に背を向け歩き出すとフレアス様は呼び止めるでもなくぽつりと呟きました。


「それでも私は・・・アマンダのことが・・・」


 そんなことを言われても私はいまさらフレアス様のほうを向きなおすことも出来ず歩き続けました。私は・・・セリスの家を貶める・・・それだけのために生きてきたのに・・・なんで目から涙がこぼれるのでしょうか。私はフレアス様を利用しようとしただけ。そう、それだけなのに・・・なんで・・・



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