表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

不審の目

 

「何度も言いますが私はそんなことはしていません!」


「犯人達が君の指示だといっているんだ!いい加減に白状したらどうなんだ!」


 フレアス様に連れてこられたセリスは当然容疑を否認。それに熱くなったフレアス様が更にセリスを弾圧するかのようにはなし続けています。


「落ち着いてください。後は私が聞きますから・・・」


 いつまでも平行線を辿る2人に今まで黙っていた詰所の兵士がフレアス様に声をかけました。フレアス様も少し落ち着いたのかセリスへの詰問は兵士に任せ私のほうにやってきました。わたしは被害者なのでハンカチを目に当て泣いたふりを続けます。


「セリス!」


 そこへ今回の諸々の元凶とも言えるニールがやってきました。詰所に入ってきたニールは息も荒くおそらく話を聞いて急いでここまでやってきたのでしょう。


「だから私はそんな依頼を出してなどいません」


「しかしですな・・・現行犯で捕まった犯人達が貴方から依頼を受けたと言っているのですよ」


「ここまで証言が出揃っているんだぞ!早く認めるんだセリス!これ以上私を失望させる気か!」


 入ってきたニールには気にもせず詰問を続ける兵士に淡々と否定を続けるセリス。その様子に苛立ちを隠さず詰め寄るフレアス様。ニールはその状況を確認すると兵士に声をかけた。


「そのセリスに依頼されたという奴らに会わせてはくれませんか?俺はセリスがそんなことをしたとは思えない」


「えぇ・・・犯人は奥の牢に入れてありますが・・・」


「奥ですね、では少し話をしてきます」


 犯人達が奥に居ると聞いたニールはフレアス様のことなど気にもせず奥の牢屋へ向かっていきました。


「なんなんだニールの奴!この私を無視するなんて!」


 フレアス様は憤っていらっしゃいましたが私は嫌な予感がしました。そしてしばらくしてニールが戻ってくるとこういいました。


「あいつらが白状したぞ。本当はそこのアマンダに頼まれたってな」


 そういって兵士を牢のところまで連れて行き、確認を取らせると私達のことなどどうでもいいとばかりにセリスを連れて出て行ってしまいました。


「アマンダ・・・?あの男達の言ってることはどういうことなんだ?何故君が自分を襲わせてセリスのせいにしろなんて・・・」


 そして私はフレアス様に状況の説明を求められていました。男たちは私がセリスのせいにしろと言ったと今までとは一転して主張を変えたためその矛先が私に向けられたのです。


「フレアス様はあんな男達の言うことを信じるのですか・・・?私は彼らに酷い目に遭いそうになったのに・・・」


「あ・・・すまないアマンダ。今日は家に帰るといい・・・この話は落ち着いてからするとしよう」


 フレアス様に涙を見せながら言えばフレアス様は私を気遣って帰るように促してくれました。今日はどうにかなりましたが何か言い訳を考えなければいけませんね・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ