嫌な男
フレアス様と知り合ってから3ヶ月が過ぎました。最近ではセリスが近くに居ないときなどは結構愚痴なんかも話してくれるようになってきていて着実に仲良くなれているはずです。問題なのは・・・
「フレアス!ここに居たのか。セリスがあっちで探してたぞ」
「あぁ、わかった。向かうよ」
フレアス様の近くにいつも居るこの男。ニール・リシュテルです。何故かこの男はいつもフレアス様の近くに居るし、私がセリスを避けながらフレアス様に近づこうとすると大体セリスを伴って現れるのです。
「なぁアマンダ。セリスと仲良くは出来ないのか?」
フレアス様が去った後ニールは私にそういってきました。この男はいつもそう。何故私がセリスと仲良くしなければいけないのでしょう!?セリスだってフレアス様と親しげにしている私を見てあまりいい顔をしていないのは知っています。その顔を見るのも楽しいのですけどね!
「私は別にそんなつもりでは・・・」
猫を被りつつ私はいつもどおりのセリフをニールに返します。
「そうか・・・セリスにも言ってるんだがな・・・フレアスを巡って争いなんて起こさないでくれよ?フレアスとセリスは婚約者なんだから」
「私にそんなつもりはありませんわ。でもフレアス様のお気持ちはどうなのでしょうね?」
暗に私に身を引けと言っているのでしょうか?やっぱりこの男は好きになれません。というよりもこの男セリスをかばっているところばかり見かけますし、絶対にセリスのことが好きですよね?なのにフレアス様から奪うのではなく祝福しようとか・・・私には理解できません。
あまり長くこの男と2人では居たくありませんから私はフレアス様が向かった場所へと追いかけるのでした。