織元唯希:叱責
四話
目を開ければ、大きなバースデーケーキが視界いっぱいに広がった。ポッと六つの蝋燭に火が灯されており、ユラユラと自分を映す。
真ん中に飾られている自分を祝うメッセージを流し読みした彼は、パチパチと少人数の拍手に思わず顔を上げた。
『おめでとう、唯希』
優しい笑みで自分を祝う母。
『唯希もこれで六歳かぁ。早いもんだなぁ』
しみじみと自分の成長に感心している父。
『おにいちゃん!おめでと!』
未だに舌足らずでも自分を祝う妹。
『何か欲しいものはあるか?……あれは高いからやめてくれ』
少しだけ顰めたけど自分の為に何かをしようとする兄。
ああ、とても幸せな空間だ。思わず彼は破顔し、くしゃりと笑った。そのときに頭に飾られている作り物の王冠がズルリとズレ、彼の頭から離れる。
幸せだ。幸福だ。こんな素晴らしい家族に恵まれてーーー自分は幸せ者だ。
皆の期待に応えられるよう、めいいっぱい息を吸う。この六つの蝋燭を一気に消すために。お腹に力を込めて、いっぱいに。
そしてフッと、蝋燭に息を吹きかけた。
その時、息を吐くのと入れ替わりに何かが流れてくる。
ドンッという打撃音と、侮蔑の叫喚。泣き叫ぶ声。啜り泣く声。ガラスの割れる音。異常な音が頭に響き渡る。
それがゴチャゴチャになって、ゲームセンターの中にいるかのように、正確な音が聞き取れなくなっていく。
やがて殆どの音が静まり、啜り泣く声だけが残った。声から察するに幼子だろうか。喚くわけでもなく、静かに泣いて、声を押し殺していた。それは幼子としては些か考えにくい行動である。
すると、幼子の啜り泣きが止んだ。蝋燭の火がゆらりと揺らめき、そしてその命が消えたーーーその瞬間、幼子の声が、自身の体を駆け巡る。
『こんな事になるくらいなら、死んだ方がマシだ』
あ、これ、自分だ。
刹那、彼の意識はドップリと、深淵の世界へと堕ちていった。
*****
「………………いてぇなクソ」
ズキズキと頭や肩、背中が痛みを訴える。思わず顔を顰め毒を吐いた唯希は、目だけを動かして辺りを見渡した。
真っ白な天井に、仕切られている真っ白なカーテン。薬品の臭いが鼻につき、隣からはカリカリと執筆の音が聞こえてくる。恐らく保健室であろう所に運び込まれたに違いない。
痛む頭を抑えた唯希は、意識が途切れる前の状況を思い出し、思わず溜息を漏らす。
どうやら自分は君崎を怒らせてしまったらしい。どうして彼が怒ってしまったのか定かではないが、教室に戻ったらまた何か言われるだろうなぁ、と失笑した。
彼、君崎翔斗との関係はまず前世の時から始まる。彼とは小学校からの付き合いであり、そしていじめっ子といじめられっ子の関係だ。前世は自分の『趣味』によって虐げられたが、今世はそれを曝け出していない。
だから、どうして彼が唯希を虐めるのか分からなかった。いつの間にかそういう関係になり、いつの間にかこうした状況が出来上がってしまった、としか言いようがなかった。
前世じゃ中学三年生になる前に屋上から突き落とされ、唯希は生涯を終えてしまった。が、今世じゃそれはなく、ここまで平和に過ごしてきた。因みに唯希は殆ど君崎の事を忘れ、今じゃ「前世の奴」「髪型」「関わりたくない奴」この三つだけで君崎の事を判断していた。もう名前も朧気になっている。
そんな彼とまた付き合う事になるのは正直嫌であった。現に中一から、彼は飽きずに唯希を虐め続けた。自分の何処に虐められる要素があるのだと今になって考えたが、あの頃はとにかく止めて欲しくて抵抗していた。多分それを見るのがあいつにとっての娯楽だったのであろう。はた迷惑でしかない。
「ッ……たぁ……」
起き上がろうとすると肩が痛み出す。ズキンズキンと頭も痛みを訴え、思わず彼は声を漏らした。それを聞きつけたのか、シャッと仕切りが人の手によって開かれてしまった。
「起きたのね、織元君。大丈夫?」
胸元まである白銀の髪。清潔感漂う白い白衣を肩にかけ、スレンダーなプロポーションを優雅に決めている保険医は、唯希の頭に手をやった。その時また頭が痛み出したが、顔を顰めただけで気づかれはしなかった。
「うん。頭にたんこぶ、それと肩に青痣くらいね。肩の湿布を貼りかえるからこっちに来てくれる?」
「……先生、俺どんくらい寝てました?」
「一時間くらいね。頭の打ちどころが悪かったみたい。出血はしてないから安心して」
「……先生は何で俺が頭打ったのか知っているんですか?」
率直な疑問をぶつけると、保険医は直ぐに返した。
「知ってるわ。喧嘩だってね。君崎君はあの後先生に指導されたらしいけど」
「……そうですか。肩の湿布、お願いします」
「ええ」
肩に貼られている湿布を剥がされ、新たに貼られる。ジーンと冷たさが伝わり、無意識に肩の力を抜いていってしまう。ああ、心地が良い。唯希はほぅ、と口元も緩めていた。
保険医はその後も頭や肩以外の所を診たが、やがて満足そうに頷いた。
「はい、終わり。痛みとか体調に問題ないんだったらそのまま授業に戻ってもいいけど……」
「じゃあ、戻ります」
「了解。今授業中だから、授業が終わってから戻ってね。それまで寝てなさい」
ぽんっ、と軽く押され、唯希はベッドに戻された。うぅ、と痛みに唸るが、保険医の言葉に従っていそいそと布団の中に潜り込む。
保険医の行為は有難かった。もしこのまま教室に戻れば直ぐに注目を浴びるのは必然。さすがに目立つのは避けたい唯希は、素直に保険医の言葉を聞き入れたのである。虐められている時点で目立ちたくないの糞もないが。
布団に潜り込んだ唯希は、目を閉じた。先程見た夢の光景はもう既に朧気となっている。過去の要らないものだ、覚える必要も無い、と体が、脳が覚えているから。
次もまた、あんな夢を見たらーーー思考してみたが、考えるだけ無駄と気づいた唯希は、そのまま何も考えずに眠りについた。
****
炎が灯される。ポッと可愛らしい小さな炎は、ゆらゆらと手帳の上で、踊るように揺れ動く。
炎によって明かされた手帳の文字が霞み、絵の具で溶かされたかのようにその意味を無くしていく。気がつけば文字は消え、ページは黒く染まってしまっていた。
炎はまだ揺れる。しかしそれは決して良いものではなく、嘲笑の踊り。読めなくなった事を嘲笑うかのように、炎は大きく渦巻いた。
炎は手帳を覆う。その端さえも無くし、手帳を目に映らなくする。やがて小さな黒煙が立ちのぼり、焼け焦げる音が鮮明に聞こえてきた。
炎が消えた時、もうそこに手帳は存在しないであろう。だが、その手帳に存在価値などない。
何故ならその手帳は、消える前に読めなくなってしまったのだから。
「織元、織元」
ゆさゆさと動かす手によって、唯希は目覚める。また摩訶不思議な夢を見て気分は最悪だが、自分を呼ぶ声の主を探そうと、その声を辿った。
少しだけ目線を左に向ければ、こちらを心配そうに見つめる希美がいた。窓から差し込む日光によってキラキラと宝石のように輝く銀髪は、彼女の感情と同化しているかのように、くすんでみえた。
「大丈夫?魘されていたわよ」
「……お前が俺の心配って、明日は槍でも降るんじゃね?」
「あら、会って一日と間もないのにそんなに信頼してくれたの?」
「いや、お前って他人の事捨て駒みたいに扱いそうに見える」
「あら失礼しちゃう。これでも転生の神様なのに」
「それに転生ミスした神なんて全然信じられねぇし」
「………………」
唯希が指摘すると、ズーンと落ち込む希美の姿が出来上がる。先程までの余裕の表情は何処へいったのか、それ程負い目を感じているらしい。
ハァ、と溜め息を吐いた唯希は、ぐっと上半身を起こした。
「……で、お前は俺に何の用?」
「これから主になる人の心配をしては駄目?」
「俺は一言もお前と契約するなんて言ってねぇ。てか今はそれを考える期間だろうが」
「まぁその期間が過ぎても無理矢理契約するつもりだけど」
「おい」
突然のカミングアウトに唯希は思わずつっこんだ。希美は「だって……」と、弁解を始める。
「私、決めたもの。罪を償うまで貴方の側に居続けるって。ずっと契約もなしにこの世界に留まるのは無理だから、せめて仮契約でも無理矢理して留まろうと……」
「お前昨日と発言食い違ってるよな?俺の意見尊重してくれるって言ったよな?」
「それは本契約の話。大丈夫よ、仮契約ならいつでもバッサリ切れるから」
悪気のない様子の彼女にさらに溜め息が出る。最初からそのつもりだったらしいが、何も話を聞いていない自分からすれば、彼女もはた迷惑なやつとしか思えなかった。
仮契約の事は分かる。一応、調教師に関する用語や事柄は全て頭に叩き込んだ……はずだ。さすがに契約に必要な魔法陣や事柄の細かな内容は覚えきれなかったが、基本用語は全て覚えたと思う。
契約には本契約と仮契約がある。本契約は服従生物との相互リンクが可能となり、服従生物の力を意のままに扱う事が出来る。だが本契約をした場合、その服従生物とは永遠の契りを交わさなければならない。縁を切ることも愚か、その服従生物と一生を共にしなければならないのだ。それが本契約のデメリットと言えるであろう。共に生きたいのなら別にデメリットではないが。
逆に仮契約は、極細く脆い糸で繋がれている状態だ。なので切ろうと思えばいつでも切れる。つまり、この服従生物と合わないと判断したら、即刻契約を解除出来るのである。しかし力はその服従生物の半分しか出せず、召喚時間も上限が生じる。本契約なら服従生物が力尽きるまで召喚したまま保ち続けることは可能だが、仮契約はそれが出来ず、調教師の魔力が尽きれば消えてしまうのである。
つまり仮契約をすれば、服従生物との繋がりはあるものの危険性が高まり、死に至る可能性も捨てきれないのである。大半の調教師は本契約をして自分の命を優先するが、仮契約をして魔力を失い続け、命を落としたという事例も少なくない。これも、調教師が悪く言われる原因の一つとも言えるであろう。
仮契約の事を思い出し纏めていた唯希は、そこで気づく。
「……仮契約なんてされたら俺死ぬじゃん」
「死なせないわよ。そこには考えがあるからね。まぁ、この二日間でそのまま仮契約で行くか、それとも一気に本契約まで行っちゃうか……最悪の場合、仮契約もせずに私を追い返すか。最後は私的には嫌なのだけれど、無理矢理仮契約とかしちゃうかもしれないけど」
「契約とか何もしなかったら、お前どうするんだ?」
「また天界に戻って魂に転生の導きをやり続けるわ。でもこんなミスしたの初めてだし、このままにしておくと自分に傷がつくから、仮契約でもしたいんだけどね」
「……お前がいなくなったら、転生はどうすんだよ。俺の他にも魂はめっちゃ来るだろ」
「安心して。それなら他の神に任せてるから」
苦笑気味に答えた希美だが、後悔はないらしい。それが彼女の「真意」かどうかはゆっくり、かつ早めに判断しなければならない。……が、まずは授業の単位であろう。
唯希はぐっと体を伸ばす。痛みが走るが、そこは我慢した。体をほぐした後、足を出してトッと反動をつけて立つ。
「おい、今授業終わった所か?」
「三分程前に終わったわよ。戻るなら今ね」
「なら戻る」
「じゃあ先生に書き置きでも残しておきなさい」
ガタリ、と希美は椅子から離れた。そして、唯希は机に置かれていた自分のカルテを手に取り、その下ら辺にある「教室に戻る」という項目に丸を書いた。これで保険医も、少なからず唯希が授業に戻っていることには気づくだろう。
湿布を貼り変えようと思ったが、貼ってそこまで時間は経っていないので別にいいと判断した。体が痛むのを我慢しながら、唯希は希美の後を追うようにして保健室から出た。
***
一緒にいると何かと悪いから、ここでお別れと希美に言われ、一人教室への道を歩く。
ガラリ、と教室の戸を開けると、視線が唯希に集まる。ある者はヒソヒソと、ある者は心配そうに、またある者は忌々しそうに唯希を見つめた。
様々な視線を受けた唯希は、特に何も思うこと無く自分の席に着いた。あの気色の悪い落書きが無かったかのような新品同然の机を見るに、どうやら誰かが机を取っ替えてくれたらしい。
別に替えなくても良かったのに。いつもやられている事なのに、と唯希は何も今更という溜息を吐いた。このクラスメート達は、唯希が酷い目にあっても見ない振りをした人達ばかりだ。なので感謝とか、そういうのは湧き上がってこない。それだったらもっと早くに助けてくれたら良かったのに。
(ーーーいや、これも運命なのか)
不幸の軸に嵌った自分の運命。味方すらいない、精神を崩壊させる気満々の人生。もし希美に会っていなかったら、今頃自分は荒れに荒れていただろう。かと言って信用する気はまだないが。
授業までまだ時間はある。それまで予習をしようとボロボロの教材を机に上に出した時、彼の体に影がかかった。
「……おい、織元」
顔を上げなくてもわかる。不機嫌な声が唯希に降りかかり、思わず唯希は顔を顰めた。幸いにもそれは相手には見えていなかった。
君崎はチッと舌打ちをかました後、ぐちぐちと喋り始めた。
「テメェのせいで俺の内申に傷がついちまったじゃねぇか。これで俺の入学取り消しされたらどうするんだよ、なぁ?俺の人生陥れるような真似するなよ。本当にクズ野郎だなお前死ねよ」
「…………お前の自業自得だろ」
全くもって理不尽な責任転嫁に苛立ち、思わずボソリと口に出し、やばいと思った時には遅かった。
ブチリ、と君崎の何かがまた切れた。よく分からない奇声を上げ、唯希の首を掴んで締め上げる。
「なぁなぁ今なんて言った??俺の自業自得???おっかしぃなぁ俺別に何も悪いことしてないんだぜぇ??全部お前が上手くやらねぇからこんな事になるんだろぉ??なぁ、そうだろ?俺悪くねぇよなぁ、なぁ!?俺は正しいことをやってるんだよ、お前みたいな社会のゴミを消すっていう社会貢献してんだよ。ほら全然悪くないだろ?自業自得じゃないだろ?だからゴミが俺に口答えするんじゃねぇよぉ!!!」
目が血走っている。焦点があっていない。出鱈目な事を言い放つ君崎は、最早人間として機能していないも同然であった。
これは、逃げだ。君崎は現実から逃げようとするあまり、自分を過大評価して相手を貶めなければ、人間として機能しないようになっているのだ。
狂っている、と唯希は彼に恐怖した。今にも人を殺しそうな鬼のような目に、思わず足を竦めた。
その時だった。唯希の首を掴む君崎の手のひらから、ポウッと黄色い粒子が出ている事に気づいたのは。
一瞬それが何か分からなかった。だがその次の瞬間に、何かが構成されているのを見てーーー唯希は焦燥した。
「ゴミは消さなきゃ。ゴミは消さなきゃ。社会抹殺じゃ足りねぇ。あぁ、早く駆除しなきゃ。早く、早く、燃やさなきゃ」
徐々に構成されていく紋様。バチリ、と電流が流れ、それは彼らを取り巻いていく。次第にそれは大きくなり始め、その全貌が明らかとなっていく。
ーーー魔法陣が、彼らを包み込んでいく。つまりそれはーーーー「魔法の発動」を意味する。
(やばい、やばい、やばい!?)
焦った唯希は君崎の手を振り解こうとしたが、そうすれば逆に君崎の手に力が入り、唯希の器官が無理矢理締められる。
またクラス中が騒ぎ出した。今頃誰かが先生を呼びに行っているのだろうか。まさか自分も、こうなるとは思っていなかった。
「【轟け雷鳴、一条の光、降りよ、燃えよ】」
詠唱が始まった。それも、肌でじくじくと刺すように感じる強力な魔法だ。
こんな至近距離で魔法を受ければ、唯希の、そして魔力の訓練も受けず、最大魔力を出そうとしている君崎の命も、保証はないであろう。
死を悟った唯希は、畜生、と悪態をついた。これで終わってたまるか、ただ不幸になる人生なんて、こんなの。
最後まで抗ってやる。死んでたまるか、死んでたまるか!と、自分もせめてもの報いに詠唱を唱えようとした時だった。
パキンッ!と、ガラスの砕けた音が響き渡った。
彼らを覆い尽くしていた魔法陣が次々に壊れ、空気と化す。電流も消え、魔力もその痕跡も無くなり、思わず「ぇ」と、誰かが声を出した。
呆然としていた君崎だったが、突如横からの衝撃に体が吹っ飛ぶ。吹っ飛んだ先にあった机を全て倒し、君崎は痛む体を抑えて自分を攻撃してきた人物を睨んだ。
「貴方、馬鹿なの?」
君崎を攻撃したのは希美であった。希美はその端麗な顔を怒りに歪め、まるで蚊でも見るかのような視線を君崎に向けた。彼女の背後では、苦しそうに咳き込む唯希の姿がある。
憎悪が湧き上がってきたが、それよりも目の前の存在に畏怖した。まるで撫でただけで兎を殺しそうな、そんな凶悪な存在を目にしているかのような威圧感が、彼を襲った。
希美は腰に手を当てて、君崎に言った。
「いきなり最大魔力をぶっ放そうとするなんて、ここにいる人達を殺す気?貴方は何平然と殺しを犯そうとしたのかしら。それも、魔力の調整もせずに自分までも命の危機に晒して。織元を道連れにしようとしたの?」
「……ぇ、ぅ」
「妬むだけでこんな事を犯すなんて、人間って本当に愚か。滑稽過ぎて笑っちゃうわ。……あ、これで貴方の内申下がったのかしら。まぁ別にどうでもいいのだけれど。こうして魔力の痕跡はなくなったのだし、皆で惚ければ何とか押し通せそうだけど……興味無いから別にいいわ」
フッ、と希美は君崎から視線を外し、織元に近づいた。「大丈夫?」という心配の声は、先程の君崎に浴びせたかのような猛獣のような声ではなく、家族が怪我をした時にかける、甘い声であった。
緊張が解け、どっと疲れが出る。猛獣に睨まれるという体験を初めてした君崎は、誰かが呼びに来た担任が来るまで、呆然と座り込んでいた。
「織元も織元よ。貴方も、魔法を発動させようとしたでしょ?」
「うっ」
「この世界じゃ、高校で発行される「魔法解禁証」を受け取らなければ、魔法を使ってはいけない決まりになっている。貴方も分かっているでしょう?」
「……生きる為に必死だったんだよ」
「……私が止めなきゃ、貴方も同罪だったんだからね」
彼女が悲しそうな表情をしているのを見て、唯希は「ごめん」と小さく謝った。
凄いポッと出で出してしまい申し訳ない。
このまま本契約だけで話を進めると凄い構成が苦しくなっちゃうので、急遽仮契約というものを入れました。これで書きやすくなるぞう!
あとなんか書いてるいると、自分が作ったキャラが想像と違うキャラになっていきますよね。