プロローグ・7
しばらくすると本当に工場長がやってきました。
もちろん知らない女性と一緒に。
「これを写真にとればいいんだね。」
二人は工場の中に入って行き工場長の部屋が明るくなりました。
工場長の部屋の窓から中を覗こうとしましたが、おばちゃんに「絶対中を見てはいけないよ。」と強く言われていたので部屋の中を覗かずにカメラを差し入れて写真を撮りました。
パシャ
フラッシュが光って中にいた二人は驚いてこちらに近づいてきました。
「誰だ!!」
「僕ですよ工場長。」
「何だデルか。どうしたんだこんな時間に。」
「工場長に相談があって写真を撮っていました。」
「今のはデルが撮ったのか?」
「はい。そうですよ。」
工場長は驚いた様子で話しかけてきました。
なぜか、工場長の口が赤くなっていたのですが聞かないことにしました。
「で、相談って何だ?その相談にのったら写真をくれるのか?」
「はい。もちろんです。相談っていうのは僕のお金を返してほしいんです。」
「ちょっと待て。なんでデルの給料を横領していることを知っているんだ?」
「おばちゃんが教えてくれましたよ。おばちゃんいわくみんな知ってるそうですよ。」
「そうだったのか。」
今度は落ち込み始めました。
工場長がこんなに面白い人だなんて知らなかったな。
「僕、今お金がほしいんです。飛行船に乗りたいんです。」
「わかった。まず、写真をくれないか?それからお金を返してあげるから。」
「それはできません。おばちゃんから先にお金を返してもらってからじゃないと写真を渡したらだめだよ。っていわれているので。」
「そっか。」
工場長は自分の机に座りなおして引き出しの中を探し始めました。
ですが、なかなか見つからないようで紙に何か書き始めました。
「すまん。みつからなかった。これで勘弁してくれ。」
「これは何ですか?」
「ああ。小切手だよ。」
「これを持って銀行にいってごらん。お金に換えてくれるよ。」
「工場長ありがとうございます。これが約束の写真です。」
「一応、色はつけといたから。」
「???」
色ってなんだろう。
絵具でもついてくるんだろうか?
とりあえず、カメラを渡して帰ることにしよう。
このお金があれば飛行船に乗れるかな?
~~~~~~朝~~~~~~~
早く銀行に行ってこよう。
楽しみだな。
「いらっしゃいませ。」
「すいません。小切手っていうのを貰ったんですけど。」
「小切手ですね。こちらでお待ちください。」
どのくらいもらえるのかな?
「えっと。デルさん。」
「はい。」
「こちらが小切手の金額になります。」
「えっ!!」
まさかこんなにもらえるとは思わなかった。
これなら飛行船にも乗れるぞ。
「すいません。飛行船に乗りたいんですけど。」
「じゃあ。むこうでチケット買ってきて。」
「わかりました。」
チケットはどこで売っているのかな。
さっきの人にちゃんと聞いておけばよかったかな。
とりあえず、近くにいる人に聞いてみるかな。
「すいません。飛行船のチケットってどこで買えるか知ってますか?」
「ああ。そこの機械で買えるよ。」
「ありがとうございます。」
えっとこの機械かな?
「いらっしゃいマセ。チケットを購入してくだサイ。」
「えっと。金貨三枚か。」
「ありがとうございまシタ。」
このチケットをさっきの人にわたせばいいのか。
「チケット買ってきました。」
「遅かったな。もうすぐ出発するから早く乗り込みな。」
「わかりました。」
「まもなく、出発いたします。」
これでこの島とお別れか。
またいつか戻ってこれるといいな。
ようやくプロローグ終わりました。
これからが本編になります。