プロローグ・6
~~~朝~~~
目が覚めるとまず最初に顔を洗いに行く。
それから簡単な朝食を食べてそれから仕事場に向かっていく。
もう何年も繰り返し行っている毎日の朝の日課だった。
「さて、じゃあ今日も元気に働きに行くかな。」
だけど、今朝はいつもとはちょっと違う朝だった。
「おや?なんか人がたくさん集まっているけどなんかあるのかな?」
いつもはほとんど人がいないはずの街中に人がたくさん集まっていた。
「どいてどいて。」
人ごみをかき分けて進んでいくと飛行船が止まっていた。
「あっ!!もしかして。」
今日は一年に一度エンゲルランディスへ飛行船が出る日でした。
エンゲルランディス行きの飛行船は毎年一度出ているが、デルの住んでいるこの地域では初めてのことでした。
「久しぶりに飛行船を見たね。」
「あれ、飛行船っていうの?」
「乗ってみたいな。」
町中の人たちが飛行船に夢中になっていました。
もちろん、デルも飛行船に夢中でした。
「僕も飛行船乗りたいな。」
デルの頭の中にはもう飛行船のことしかありませんでした。
しかし、飛行船の近くに立ってある看板を見て落ち込みました。
「そんなにするの?」
なんと、飛行船に乗るためのお金は今のデルがもらっているお金のおよそ百倍でした。
「そんなにお金なんてあるわけないよ。」
その看板を見て、落ち込んでたデルは仕事に行く途中だったことを思い出し、走り出しました。
~~~仕事場にて~~~
「はあ~~~」
「あら、デルちゃんどうしたの?」
「今日、飛行船が街に泊まってたでしょ。僕も飛行船に乗りたいなと思って。」
「あら、デルちゃんなら乗れるじゃない。」
「えっ?なんで?」
「だってデルちゃん。お金たくさん持っているじゃない。」
「いや、いくらなんでもあんなにたくさんのお金は持ってないよ。」
「デルちゃん。よく聞いてね。デルちゃんのお金の半分は工場長が持っているのよ。」
「えっ?」
「だから、工場長にこう言えばお金もらえるわよ。」
おばちゃんは僕に耳打ちしてくれました。
「わかった。おばちゃんありがとう。」
そして、デルは工場長の部屋へとは向かわずおばちゃんに言われた通りあるところに行きました。
~~~夜~~~
工場の電気も消えて夜も深くなった頃、デルは工場の中にいました。
「さて、今日来るのかな?」
デルは工場長を待っていました。その手にはお昼に仕事場から飛び出して借りてきた超高性能のカメラがありました。
「おばちゃんに言われた通り、スクープをとってそれをもとに工場長からお金をもらうぞ。」
おばちゃんがデルに耳打ちしたのは工場長の不倫現場をスクープさせることでした。
デルのプロローグは次で最後です。
というか、子どものデルに不倫現場スクープさせるおばちゃんって…