プロローグ・4
「そうなの!!いつもは大人しいはずの牛たちが突然暴れだしたのよ!!それはもう興奮しているような感じだったわ!!」
そういえば、今日のお母さんは真っ赤な服だったような。
「それで、牛たちが一斉にエルちゃんのお母さんに向かって突進していったのよ。それからしばらくして牛たちは帰ってきたんだけど、エルちゃんのお母さんは帰ってこなかったのよ。」
「・・・お母さんいなくなっちゃったの?」
あれ?どうしてその話しでお母さんはお星様になるのだろうか。
「私たちもそのあとすぐにエルちゃんのお母さんを探したんだけど、結局見つからなかったのよ。」
そういえば、さっきから自分で見たような話し方だけど聞いた話しとか言ってなかったっけ?
「それで牧場のみんなで相談したんだけど、エルちゃんのお母さんはお星様になったことにしようと決めたのよ。」
話しがぶっ飛んでいるってことだけはわかったわ。
その話しで何でお母さんはお星様になるのかしら。
「・・・そうだったの。」
「エルちゃん!!これからはお母さんがいなくても頑張って生きるのよ。きっとお母さんも空の上から見守っているわ。」
わかったわ。
きっと最後の言葉が言いたくてお母さんお星様になったんだと思う。
「それじゃあね。」
「おばちゃん。教えてくれてありがとう。」
お父さんに続いて、お母さんまでお星様になってしまうなんて私の家はよほどお星様に好かれているのね。
それじゃあ、今日からは私一人になってしまったのね。
なんだか悲しいわね。
「それよりも、お腹がすいたんだけどどうしましょう。」
さっき会ったばかりだけど、おばちゃんからご飯もらうしかないわね。
お隣りさんなんだから、きっとご飯くれるんじゃないかしら。
コンコン
「おばちゃんいますか?」
「あら、エルちゃんどうしたの?」
「お腹すいちゃって。何かご飯くれませんか?」
「あらあら。いいわよ。うちに入って少し待っててちょうだい。」
「ありがとう。おばちゃん。」
おばちゃんのうちに入るのは久しぶりの気がするわ。
とりあえず、ご飯もらえてよかったわ。
「出来たわよ。残り物で作ったんだけどこれで足りるかしら?」
「大丈夫よ。ありがとう。」
美味しそうなサラダだわ。
「おばちゃん。サラダありがとう。また明日もくるわね。」
「ああ。いつでもおいで。」
ご飯が手に入ってよかったわ。
これで飢えなくてすみそう。
「あら?」
なんでこんなところにいるのかしら?
「どうしたの?」
「うわ!!びっくりした。」
デルはまるでオバケでも見たかのように驚いてた。
失礼しちゃうわね。
「今日のご飯がなくて、誰かからもらえないかと家を回っているんだ。」
「あら。そんなことなの?うちに来たら今手に入ったばかりのサラダがあるわよ。食べる?」
「食べに行ってもいいの?」
「もちろんいいわよ。」
あっ!!いいこと思いついたわ。
「ついでに一緒に住まない?」
「え?」
今度こそエルのプロローグは終わりです。
次からはデルのプロローグです。