プロローグ・3
「あれ?」
まだお母さん帰ってきてないのかな?
おうち真っ暗だ。
「やっぱり、帰ってきてない。」
そのうち帰ってくるよね。
それよりも、お腹すいたけど何かあったっけ?
「何もないか~。」
カゴに何か入っていると期待したんだけど。
「お母さん早く帰って来ないかな~。」
早く帰って来ないと私のお腹と背中がくっついちゃうよ。
コンコン
「ん?今なんか音がした?」
なんの音だっけ?
聞いたことのある音だと思うけど。
コンコンコンコン
「あっ!!ドアを叩く音だ!!」
でも、こんな時間に誰だろう。
「どなたですか?」
「私だよ。」
「ワタシなんて知り合いはいませんよ?」
ドアを開けようと思ったけど、これはきっと本に出てくる悪い人だわ。
「隣のおばちゃんだよ。」
「なんだ。つまらないの。」
しぶしぶドアを開けてあげた。
本当におばちゃんだった。残念。
「何でそんなに残念そうな顔してるんだい?」
「なんでもないよ。」
悪い人だったらよかったのに。
「どうかしたの?」
「そうだったわ!!エルちゃんのお母さんが大変なの!!」
「お母さんがどうかしたの?」
「エルちゃんのお母さんお星様になっちゃたの!!」
「は?」
おばちゃん頭大丈夫かしら。
何か変なものでも食べたのかしら。
「なんかエルちゃんこの人頭大丈夫?みたいなこと思ってない?」
「そんなことないわ。」
知らなかったわ。
おばちゃんは相手の心が読めるのね。
気を付けないといけないわ。
「それでどうしてお母さんはお星様になったの?」
「それが、おばちゃんも聞いた話しだから詳しくは知らないんだけどね。」
詳しく知らないのに私のお母さんお星様にしたの?
誰か詳しく知っている人に話しを聞きに行かないといけないわね。
「今日、牧場であったことなんだけどね。」
話し始めるのね。
「エルちゃんのお母さんは今日から牧場で働き始めたんだけどね。牧場の仕事は牛の乳搾りなんかをする簡単なお仕事なのよ。でも、牛を遊牧していた時にね。事件が起こったのよ。」
「事件?」
前話でエルのプロローグは終わると言いましたが、
長くなりましたので半分にしました。
次こそ、エルのプロローグは終わります。