ep.1 VRMMORPG
うーん。修正っていっても序盤はあんまり修正できないね。
それは、夢。
それは、希望。
それは、始まり。
それは、終わり。
それは、傷痕。
.....
【IJC】
はじめは非公開だったと噂だった。しかし、言伝なのかはたまたSNSなのか噂が噂を呼び、発売当初から注目を集めていたゲームだ。
この技術の副次的な効果として、現代では治療不可能とされる難病の原因の判明する可能性があるとされ、数多な企業が普及を試し全てが失敗に終わると思われた。しかし、たった一人の天才がこの技術をゲームとして世の中に普及させた。
初めは小さな企業だったが勢にのり目まぐるしく成長して2年弱で日本が誇る大企業になっていた。
その技術は脳に電気信号を送り、仮想世界へ意識を送ることができるものだ。そんな高度な技術を用いて作られた【IJC】の発売日が今日のようだ。
.....
それは、世界に傷痕を残すことになる
世界を揺るがす最悪にして最凶の大事件。"デスゲームの日"として歴史に刻み込まれることになった
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「健斗、知ってる【IJC】のこと。」
「イン…何だって?」
「はあ~やっぱ知らないか。このお兄さんが教えてやろう!」
そういって俺に話しかけて来るのは、俺の唯一の親友であり、唯一の理解者である鬼嶋 咲人だ。俺が通っている学校で黒の王子様というなんとも恥ずかしい二つ名? を有するやつだ。まあ、いわゆる完璧超人とでも言えばわかるだろう
対する俺は鏡 健斗。友と呼べる友は咲人しかおらず、咲人からすれば俺も数多の友の一人に過ぎない存在だ
「いらん。どうせにゲームの誘いだろ。それに誰がお兄さんだ、お前にお兄さん呼ばわりされるとか鳥肌たったわ。俺とお前は同年代で生まれは俺のほうが早いどちらかというと俺がお兄さんだ。」
「ま、まあ落ち着けよ細かいことは気にするな。やろうぜ【IJC】」
「ループしてるぞ。」
「そうか、じゃあやろう。」
「いつも以上に押しが強いな。」
「いいじゃん! 一生のお願いだ。な、俺達友達だろ。」
「"な"じゃあないんだよ...はあ、一生のお願いこれで何回目だ。この前も一生のお願い使ってただろう。それに友達じゃない。」
「なん、だと... ガガーン。」
「口で言うな。友達じゃない親友だろ。」
「健斗」
咲人が俺に抱きつこうとしてきた。正直男に抱き着かれるのはキモいだけだ。
「やめろ、抱きつく......はあ、もういい。」俺の抵抗も虚しく、咲人に抱きつかれてしまった。どうも、俺は咲人に弱いのかいつもの流れになり、最終的に了承してしまいがちだったりする。もちろん俺がほんとに嫌な時は咲人もわかっているのか引き際が絶妙で余計にたちが悪い。
まあ、それも咲人のいいところのひとつと言っていいのだろう。
「真面目な話やろうぜ。うちの父さんの仕事知ってるだろ?」
「だからループしてるぞ。って、咲人の父さん」
「そそ、【IJC】は父さんの会社が作ったゲームなのだよ。それでさ、2台うちにあるけど、俺の家族はやる時間ないし、やらないらしい。そこで、俺に白羽の矢がたったってわけよ。んで、もう一台はお前にあげたらどうだって父さんが言ってきてな。」
そうなのだ、こいつの親は世界でも5本の指に入る大企業。そしてその大企業の中でトップ2なんだよな…
「そっか、はあ〜分かったよやれば良いんだろ。お前の父さんには色々とお世話になってるしなそれを言われると断れないって」
「おお! 流石ケンだ、ありがとな」
なにを隠そう。おれがいま学校に通えているのも咲人の父さんのおかげだったりする。あの人にはほんとに頭が上がらないんだよな〜
「それよりゲームなんだろ? そのゲームはテレビでできるのか。」
「それがな、IJCは今までのゲームと一線を画する技術を使っていてな。なんかこう脳に直接送り込んで、実際にそこにいるような感覚になるVRの進化版みたいな感じらしい。」
途中すっごく不穏なものが聞こえたようなきもする。脳に直接? それは大丈夫なのだろうか。まあ、製品化できたってことはそこら辺の安全は保証されているのだろう。
「危なくはないから安心してくれ。体に異常をきたすレベルじゃないってのも聞いたから」
「そっか...」う〜ん。こいつまた俺の心読んだよな。感がいいのかほんとに心よめたりするのか。ちょっと怖いぞ
「ま、とりあえず。機会自体がかなり大きいから、お前の家に送るわ。てか、もうすでに届いてるかもな」
「え」
「あと、リリースが今日の22時からだから23時にはじまりの街に集合な」
「えぇ」
「明日から夏休みだからなゲーム漬けでやるぞ」
これがきっかけで、あんな事件巻き込まれるとは
このときの俺は、知る由もなかった
次回の投稿は
6/3の17:30分です。