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世界を救った勇者は、強くなるため旅に出る  作者: Flance_Pang
第二の魔王と魔皇帝の降臨

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68/73

控室にて

【前回のあらすじ】

《レン》

僕とレイが戦っている間に、トロイという参加者が殺される事件があった。エイリークによれば他の参加者も被害にあったそう。

全く、どうして僕の周りはいつもこうなるのやら。

レンとセトはエイリークと別れた後、準決勝での選手の入場があるまでベンチに座っていた。

入場口からは観客のざわめきや、入場口付近にいる兵士達の会話が聞こえてくる。

セトは、水を飲みながらひたすら入場の合図を待っていた。チラッと横を見るとレンがかなり複雑な表情をしていた。

「どうしたんだよレン?エイリークの言ってた事が気になるのか?」

セトは気になってレンに話しかけた。

「気になるわけじゃないよ。ただ……、ほんの少しの既視感があっただけだよ」

「既視感?」

「前に、僕の師匠の話をちょっとだけしただろ?」

「したな。確か、お前を庇って死んだんだっけか?」

すると、先ほどまでセトの方を向いていたが、レンは頷いた後、俯いてこう言った。

「その時の死に方と、今回あったトロイっていうのの死に方が、少し似ていたんだよね」

「似ていたって、別に誰か庇ったわけじゃねぇんだろ?」

「そういう事じゃなくてさ、胸を貫かれて死んだって所が似てるんだよ」

それを聞いて、セトはしばらく考えた後、

「もしかしたら、レンの師匠を殺した奴とトロイを殺した奴は同じ奴って事か?」

「それはあり得ないよ。だって師匠の場合は何者かに遠くから貫かれたもん。それに対してトロイの場合は……。おそらく後ろから思いっきり貫かれたんだと思うよ。だから、同一人物ってのは考えにくい気がする……」

「そうか……。こんな時にハルが近くにいてくれたらな……」

「そうそう。何で負けちゃうかな〜……」

ーーーーーーーーーー

一方その頃、

「ヘックシ!」

レンとセトが噂したせいか、ハルはくしゃみをした。

「おいおい……、風邪でももらったか?移すんじゃねぇぞ?」

「そんなわけないだろ?多分誰かが俺の噂をしてるんだよ」

「……それにしても中々始まりませんね?何かあったんでしょうか……」

アレクシアはリングを見ながら呟いた。リングの上では兵士達が集まって話をしていた。何らかのアクシデントでも起こったかのようだ。実際には起こったのだが。

「そう言えばそうだよな……。本来ならもう始まってもおかしくないはずだが……」

「何かあったんじゃねぇの?ここに戻る途中に闘技場の外をチロッと見てみたんだが、なんか人だかりが出来てたぜ?」

「人だかりか……。確かに武闘大全がやってる闘技場の外で人が集まるのはおかしいな……」

ハルが悩み込んでいる時、

「クリシスさんに聞いてみれば分かるんじゃないんですか?あれほどまでに兵士さん達が集まっているのは、少し不自然な気がします」

アレクシアが提案した。

「それもそうだな。よし、俺はクリシスに話を聞いてくる」

そう言いながらハルは立ち上がって、クリシスのいる方向に向かった。

ハルがクリシスの所に着いた後、クリシスから外で起こっていた事について聞かされた。

「そんな事があったのか……。それにレンとレイが戦っているタイミングで発生したなんて……、相手はかなり考えただろうな」

「ああ。それに部下から聞いたのだが、この少し前にハオラン・リーや『匿名希望』の重騎士も襲われたようだ」

「要はこの大会の参加者を狙っているという事か……。それは分かったんだが、女王様は何処に?」

そう言いながらハルは、ネルケディラ女王が座っていたであろう椅子を見た。

「狙われているのがこの大会の参加者だと分かった以上、我が女王にも危害が加わる可能性がある。だからあの御方は、裏口から出て城へと戻っていった」

「確かに、そうした方がいいかもな……」

「どういう事だ?」

クリシスがハルに聞くと、俯いていた顔をクリシスに向け、こう言った。

「大会の参加者が標的になっていると思わせて、それを逆手に取って女王様の首を取る、という可能性も無くはないからな」

「言われてみればそれもそうか……。とにかく、闘技場の周りの番兵を増やした方がいいのは確実だな。さすがに闘技場の中にまでは攻めてこないとは思うが……」

「それはないと願いたいな。もしその刺客が魔王軍の残党なら、そいつにとって、『ただでさえ敵に回したら厄介なベスティア戦争の英雄と呼ばれた者が全員いる』という事になるんだ。迂闊に奇襲を仕掛けるとは思えない」

「仮に仕掛けたとしても返り討ちは確実だろうな」

そんな会話をしていると、リングにいた兵士から、

「団長ーー!!そろそろ準決勝を始めた方がいいと思うのですがーー!!」

と大声で話しかけられた。それに対して、

「何で私に聞く!?審判がそこにいるだろう!!その者に聞けばいいだろ!!」

とクリシスは大声で返した。兵士は大きく1回頷いて審判を探しに行った。

「そういう訳だ。お前もそろそろ客席に戻れ。もうじき準決勝が始まるぞ」

「ああ、そうするよ」

そう言ってハルは戻ろうとしたが、ある事に気づいて慌ててクリシスの元に戻った。

「そういえば次はレンとセトだよな!?」

「あ、ああ。それがどうかしたのか?」

「アイツの事だ。セトに対して本気で戦うかもしれないだろ?」

そう言われて少しして、クリシスはやっとハルの言いたい事に気づいた。

「そういう事か……!でも、いくらアイツでも友達に対して本気は出さないだろう。用心しすぎだぞハル。まあ、もしそうなってしまえば私が何とかする。だから今は肩の力を抜け」

そう言うと、クリシスはハルの肩を軽く2回叩き、その場を後にした。

「全員一度兵舎に戻れ!番兵の人数に関する会議をする!」

と、兵士に言うクリシスの声が闘技場に響いた。ハルも、若干引っかかる部分はあれど、それはそれとして観客席に戻る事にした。

ーーーーーーーーーー

そしてしばらくして、

「皆様大変お待たせしました!いよいよ準決勝を開始致します!!今回はかなりの激闘になる事間違いなしだ!!瞬きは厳禁でお願い致します!!」

ようやく準決勝が始まった。

「まずは準決勝第1試合を開始します!!前大会の準優勝者であるレン・フリューゲル選手に挑むのは!なんとそのレン・フリューゲル選手の親友である、セト・ヴァールクス選手だ!!まさかまさかの親友対決!これは間違いなく熱い試合になるでしょう!!」

そう語る実況役の兵士の声を聞きながら、レンとセトは入場口に向かって歩いていた。

「やれやれ……。ようやく始まったよ」

「色々と気になる事はあるけど……」

そう言いながらセトは立ち止まり、レンの方を向き、

「今はこの試合を思う存分やろうぜ!襲われる心配が塵すら残らない程にな!!」

と言いながら拳を突きだした。

レンは、少し驚きを見せたが、すぐにいつものような自身の交ざった笑顔になり、

「それもそうだね!この試合、他の事考えながらやってるんじゃ大損だな!!」

と言い、セトの拳に対してレンも拳で返した。

そして、2人は入場口を出た。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

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