レンとレイの決着?
【前回のあらすじ】
《レイ》
決勝トーナメント2回戦でレンと戦うことになった。
今度は腕相撲だけならレンより強いなんて言わせねぇぞ。
さて、レンとレイの戦いの様子だが、ますます激しさを増していた。レンの剣とレイの斧がぶつかり合うたびにリングはひび割れ、表面はボロボロになっていた。
2人には最早後退はない。どちらかが降参するまで、レンとレイは力の限り戦い続けている。
「どうしたよレイ!随分息が上がってるよ!?」
「そんな事言ったら……、お前だって流石に腕痺れてきたんじゃねぇの……!?」
そんな会話をしながらレンとレイはお互いに一歩も譲らぬ攻防を繰り広げていた。
気づいたら2回戦第1試合開始から3分経っていた。それでも一進一退の激しい攻防は続いていた。すると、
「もらったぁ!!」
レイの強烈な一撃がレンの剣を場外に弾き飛ばした。
「なっ!?しまっ……」
「このまんま場外に吹っ飛ばしてやるぜ!」
続けざまにレイは身体を回転しながら振り下ろした斧を遠心力で持ち上げ、レンの脇腹に目掛けて薙ぎ払った。
しかし、レンはその斧を既のところで受け止めた。
「はっ!?そんなのありかよ!!?」
「ただじゃ落ちないぞ!!」
そしてレンは、逆にその斧を振り回して、レイの事を勢いをつけて投げ飛ばした。レイは思わず斧から手を離して吹っ飛ばされたが、場外ギリギリのところでなんとか踏みとどまった。
レンはその様子を見た後、レイを吹っ飛ばした際に持ってたレイの斧を場外に軽々と投げ飛ばした。
「これでお互い武器無しだな!」
「ハァ……、やっぱこうなるよな。まあオレはそっちの方が大歓迎だけどな!!」
「僕はどっちでもいいけど、こういうのもたまには悪くないよね!」
そう言いながらレンとレイは、今度はお互いに武器を持っていない状態でそれぞれ走り出した。
拳を交える度に、それぞれの突きの鋭さは増し、徐々に目で追うのがやっとの殴り合いが続いた。
「レン・フリューゲル選手とレイ・ディアデマートゥス選手!今度は拳のぶつかり合いになったぞ!!思わず私も見入って実況に力が入りづらくなりそうだ!」
そんな実況役の兵士の声が響き渡る中、レンとレイの殴り合いは続く。レイが右手で打てば、レンは左手で受け止め右手でレイの腹を打ち、レンが右の裏拳で薙ぎ払えば、レイは頭を下げ、頭を上げると同時にレンの顎に左アッパーを食らわせた。
そして遂に、
「この一発で決める!!」
「こいつで終ぇにしてやる!!」
レンとレイの最後の一発がそれぞれお互いに放たれた。結果は……、
「あ…、が……」
「ヘヘッ……、どうだ……!いいの入ったでしょ、レイ!」
「ウソ…、だろ……。急に打ちどころ変えやがって……」
レンの右フックがレイのみぞおちにめり込む程に決まり、レイはその場に倒れ伏した。
審判がレイの脈を測り、生存が確認された後、
「レイ・ディアデマートゥス選手、戦闘不能!よって勝者!レン・フリューゲル選手!」
レンの勝利が決まった。同時に、観客席からは大きな歓声が響いた。
「遂に決着がついたー!!レン・フリューゲル選手がレイ・ディアデマートゥス選手を力でも技でも圧倒して、完全勝利を者にしたぞーー!!」
そんな実況役の兵士の声を他所に、レンはレイに手を伸ばした。
「立てそうか?レイ」
「へへへ……」
レイはその手を掴もうとしたが、体力の消耗と右腕の痛みで右腕を動かすこともままならなかった。あれだけ激しい殴り合いをしていたから当然だ。
「……ダメかもしれねぇ」
「全くしょうがないな」
そう言いながら、レンはレイを担いで控室へと戻っていった。レンとレイに対する観客からの拍手を受けながら。
控室に戻った後、レンはアレクシアを控室に呼んでレイの回復を頼んだ。
「お前、回復してもらわねぇで大丈夫かよ?」
「大丈夫だよ。どうせ1日休んだら回復するんだから」
「それできんのお前だけだぞ?」
レイは呆れながら言った。
「それに、僕はまだ準決勝が残ってるんだし」
「そうかよ」
そんな会話をしている内に、アレクシアがやってきた。レンは待ってる間に剣の手入れをしていた。
「大回復!」
「ホント、こんな奴の回復をやらしちまって悪いな」
「いえ、別に迷惑だの苛立ちだのはありませんよ!あくまで当然のことをしてるだけです!」
壮行している内に、レイの受けたダメージは完全に回復した。
「よっこらせっと!ようやく身体中の痛みが無くなった……!」
「では、ボクは先に観客席に戻ってますね。レイさんやお兄様の分はしっかりと取りましたので、安心して座ってください!」
そう言いながら、アレクシアは控室を後にした。
レイが控室を後にしようと、自分の斧を取りに行こうとすると、剣の手入れをしているレンの姿が移った。
しかし、レイはそんなレンに何処となく違和感を覚えた。正確には、彼の剣である。レイは意を決して聞いた。
「なぁ、レン。その剣さ、なんで刃がないんだ?」
実はレンの今使っている、亡き師匠アンネロッテの剣は、刃が付いていない。それどころか先端も鋭利ではあるが、他の剣と比べると少しだけ太いのだ。
「師匠が言ってたんだよ、『私の剣術は相手を殺すためにあるんじゃない』って。だからこの剣は刃がないんだよ、僕としては今でも使ってて違和感があるけど」
「へぇ〜。よく分からねぇな、剣姫様の考える事はよ」
「まあ僕も驚いたよ、闘技や曲芸用の剣を普段使いにしてるんだからさ」
そう言いながら、レンは剣を鞘に収めた。
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