ネルケディラ武闘大全決勝第2試合
【前回のあらすじ】
《レン》
初戦で戦いたくなかったけど、エイリークと戦った。相変わらずの鋭い剣捌きで魅了されそうになったけど、僕だって負けたくないから剣で応戦した。一撃も与えずに勝ったけど、どうせなら軽くでもいいから一発攻撃当てたかったな。
「さて、続きまして第2試合!ハオラン・リー選手対レイ・ディアデマートゥス選手です!!」
レンとエイリークが入場口に戻って少し経った後、第2試合の案内が流れた。
レイは入場口近くの椅子に座りながら準備をしていた。その前をレンがたまたま通りかかった。
「やっぱお前の勝ちだったな、レン」
レイがレンに気づき、そう話しかけた。
「まあ、前よりかは余裕を持って勝てた気はするけど」
「そりゃ、一撃も与えずに勝つんだから余裕持って当然だろうな」
「さてと、次はレイの番だな!」
そう言われると、レイは立ち上がった。
「そうだな!でも、勝ったらお前と戦わなきゃだよな……。ぜってぇに怪我するわ、もうわざと負けてやろうかなオレ?」
とつぶやきながら入場口に向かった。
(そういや、オレの対戦相手はハオランっつったな。まさかおんなじ国に住んでる奴と戦う羽目になるなんてよ)
そして、レイと対戦相手のハオランは入場口から出てリングに上がった。
「1つだけ聞いていいか?」
レイがハオランにそう聞くと、
「おう。何でも聞いてくんな」
と答えた。
「お前、ハオランって事はお前、極零帝国の生まれか!?」
「へ?そうだけど、まさかオメェもか!?」
「やっぱりな!ハオランって聞いてそうだと思ったんだ!!」
レイはガッツポーズをしながら喜んだ。
「マジで!?実は俺もなんよ!やった!仲間だ……!!」
ハオランもかなり喜んでいる様子だった。
「あ、あの……、試合を始めたいんですが……」
と審判が2人に水を指すように言った。
「おっと、そういやそうだったな!さてと!……やるか!!」
レイはそう言いながら斧を構え、
「同じ国の生まれだからって、手加減はしねぇぜ!?」
ハオランはそう言いながら2枚のチャクラムを構えた。
「もうやる気みたいだ……、まあいいけど。(小声)それでは決勝トーナメント第2試合……、始め!!」
開始宣言早々、ハオランは右手のチャクラムをレイに目掛けて投げ飛ばした。レイはそれに怯まず、まっすぐハオランに向かって斧を振りかぶりながら突撃した。
「投げ物じゃオレは怯まねぇよ!」
そう言いながら、レイは斧を持ち替えて目の前に飛んでくるチャクラムを弾き返した。そして、またも持ち替えハオランに向かって思いっきり斧を叩きつけた。
ハオランは横に回って躱した。思いっきり振りかぶって叩きつけたものなので、案の定斧はリングに刺さったまま抜きづらくなった。
「クソッ、またやっちまったぜ……!」
その隙を突くかのようにハオランはチャクラムを持ってレイに飛びかかった。レイは斧を軸に線対称に躱して着地したハオランを蹴り飛ばしたが、すぐに体勢を立て直した。レイは脚を使って戦ったことはないので、今のは申し訳程度の攻撃だった。
「肉弾戦でやりたいんなら、俺もそうさせてもらうぜ?」
ハオランは、チャクラムを背中に戻してレイに言った。
「そうか?なら遠慮なくぶん殴ってやらぁ!」
そう言って、レイは斧を抜くのを止めてハオランに思いっきり右ストレートで殴りかかった。ハオランはそれを難なく、右腕で防いだ。それを見越してか、レイは左腕を大きくぶん回した。ハオランはすぐに身体をかがめて躱した。そして、レイの腹に左フックを食らわせた。
「おっと!急に武器を使わずの肉弾戦が始まった!これが噂に聞く、極零スタイルと言うやつか!?」
((おかしな伝わり方してるな……))
レイとハオランは戦いながらそう思った。
その後もお互い一進一退の攻防が続いたが、レイがハオランの攻撃を食らった後、強烈なアッパーカットを食らわせてリングから落とした。
「ハオラン・リー選手、場外!勝者!レイ・ディアデマートゥス選手!」
「レイ・ディアデマートゥス選手!まさに非の打ちどころがないノックアウトで勝負を決めたー!!」
レイはすぐにリングを降りて、ハオランの元に行った。
「手ぇ貸してやろうか?」
「こんくらい大丈夫だっての」
ハオランは、レイの差し伸ばした手を掴まずに、自分の力でなんとか立ち上がった。
「一杯奢ってやろうか?」
「まだ2回戦もあるんだぜ?いらねぇよ。それにここネルケディラだしよ」
極零帝国では16歳で成人なので、16歳での飲酒が許されている。しかし、ネルケディラやトルネシアでは18歳からが成人であるため、16歳での飲酒は禁止されているのだ。
その後、レイとハオランは入場口に戻っていった。
「あ!そうだ!」
急にレイは何かを思い出したようにハオランに聞いた。
「オレの兄貴、元気にしてる?」
「オ、オレの兄貴?俺はオメェの兄貴なんざ知らんぜ?」
「あれ?知らねぇのか?オレの兄貴ってトウカ・ディアデマートゥスの事だぞ?」
その名前を聞いて、ハオランは急に黙り込んだ。
「……ん?どした?」
「いや、凍華って極零帝国第一皇子の名前だよな……。ということは……!オメェ、まさか……!」
ハオランが驚いた勢いで大声で何かを言おうとしたが、レイはすぐにハオランの口を手で抑えた。
「シーッ!声がデケェ!この事は他の奴らには、特に尻尾の生えた剣士にはぜってぇ言うんじゃねぇぞ!?そいつオレの戦友だから!」
ハオランは口を抑えているレイの手を何とかどかし、
「わ、分かったよ……」
と言った。すると、
「あれ?レイじゃん。何してんの?」
セトがやって来た。
「あれ?お前の出る試合って次の次だよな?何してんだ?」
「次の試合での戦いから何か学べねぇかなって思ってさ。そっちこそ、そいつお前の対戦相手だろ?なんでそんなに近えんだ?まさかお前の好みってソッチなのか?」
「んなわけあるかッ!」
そうレイがツッコんだ後、セトは次の試合が始まるのを待つために入場口に向かった。
「フー…、危なかったぜ……」
「何で言っちゃダメなんよ?」
「大ごとにしたくねぇんだよ。オレの身の回りだけはよ」
そう言いながら、レイはハオランの元から去った。
「次会う時はあっちかもな!また会おうぜ!」
ハオランがそうレイに大声で言うと、レイは後ろを向かずに、手を振った。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
レイの素性はその内分かります。(予想はつくだろうけど)




