表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救った勇者は、強くなるため旅に出る  作者: Flance_Pang
新たな冒険と戦いの始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/79

レンの考え

【前回のあらすじ】

《ハル》

レンは何故か俺を連れて書庫に来た。そして、あいつが俺のいるテーブルの上に置いたのは、どれもエーテルについて書かれた本だった。

その中には黒く塗りつぶされているものもあった。流石の俺も黒塗りされている箇所は読めないからな。何とかして読めるようにはしないと。

時を同じくして、レン達は客室でそれぞれ暇をつぶしていた。

レイは一人用のソファに横になって寝ており、レンは剣を手入れをしており、ハルは塗り潰されたページがある本を机の上に置き、なんとか黒いインクを消そうとしていた。クリシスはというと、既にネルケディラへと帰還していた。

レンは、ハルの作業が気になり、ハルの元に寄った。

「そのインク、ポーションで消せるのか?」

「ただのポーションじゃねぇよ。インクに一滴垂らして使う修正液だよ」

「へぇ〜、そんなものあるんだな」

「ああ。父さんも手紙書く時、字を間違えた時に使ってたよ」

「ふーん」

「まあ、お前は何か書くって事がないから必要ないかもな」

そんな会話をしている次の瞬間、扉が勢いよく開いたと思ったら、ノエルが入ってきた。

その扉が開く音で、レイは思わず飛び起きた。

「うわっ!?な、何だ!?敵襲か!?」

そう言って慌てるレイなんて気にも止めずに、ノエルはレンの胸ぐらを掴み、そのまま壁に追いやった。

「な、何だよ?」

「何だじゃない。貴様、ただの人間にレグルスを倒しに行かせたと聞いたぞ。正気なのか?」

「貴様って……。ちゃんと名前で呼んでくれないと……」

「正気なのかと聞いているんだ。さっさと答えろ」

レンはため息をつき、掴まれているノエルの手を放した。

「正気だし、本気だよ」

「……っ!貴様ふざけているのか!?」

レンの答えに納得が行かなかったのか、ノエルは声を荒らげた。

「よりにもよって、そこら辺の人間に行かせるとは……。貴様、何をしてるのか分かってるのか!?」

「分かってるさ。それに、そこら辺の人間じゃない。セト・ヴァールクスに……。僕の初めての友達に行かせたんだ」

「何を寝ぼけた事を言っているんだ……?レグルスはその辺の雑魚では話にならないんだぞ!?」

「その事は既に経験済みです」

「なら、何故自分で倒しに行こうとしない!?」

「はぁ……、もうこの際だから言っちゃうか」

レンのその言葉に、レイとハルもレンの方を向いた。

「はっきり言って、今のレグルスには今の僕じゃ敵いっこない」

「なっ!?」

「はぁ!?」

レンの言葉に対して、レイとハルはそれぞれ絶句した。

ノエルも驚きのあまり、言葉が出なかった。

「何……だと?」

「まあ、色々修業積んで強くなれば、勝てるかもしれないけどさ。あのレグルスだ。僕の動きなんてもう大体分かってるでしょ」

「お、おい!ちょっと待て。それだったら何で俺とかクリシスとかじゃなくて、セトにしたんだ?」

思わずレイが話に割って入った。

「それは、ハルにもう2割は話してるよ」

「いや、それっぽい事言っただけで、1割も話してないぞ」

ハルも話に割って入った。

「さっき、書庫でエーテルの本漁っただろ?」

「まあ、そうだな」

「この事はセトにも言ってなかったけど、僕はエーテルの流れがある程度分かるんだよ。それでセトのエーテルの流れを見たんだけど、かなり流れが強くなってて、いつ決壊してもおかしくない状態だったんだよ」

「あ!そういう事か!」

急にレイが大声で言うものなので、レン達はレイの方を向いた。

「レグルスとの戦いで決壊するかもしれないっていう事なんだな!」

「うん。だから僕はセトをレグルスの元に行かせた。『今のセト』じゃ敵いっこないけど、セトのエーテルの流れが決壊してしまえば……。その時がレグルスの2度目の最期だ」

「納得がいかないな」

ノエルはレンの考えを聞いた上で答えた。

「仮に、そのセトとかいう奴のエーテルの流れが決壊したとしても、レグルスに敵わないんじゃないか?」

「少なくとも、負けることはないさ」

「フン、どうだろうな。どれだけエーテルの流れが強かろうと、人間風情がレグルスに勝てるわけがない」

「そう言って、ノエルも負けたんじゃないの?」

レンがそう言った時、後ろを向きかけたノエルが再びレンの方を見た。

「……今何と言った?」

「お前はセトがレグルスに勝てるわけがないって思ってるでしょ。でも、そう言ってノエルもレグルスに戦いを挑んで負けたんだろ?」

「……」

「なら、大人しく怪我を治したほうがいいんじゃないの?まあ、その間にレグルスはセトに倒されてるかもしれないけどさ」

レンが言ったそんな些細な一言が、ノエルを苛立たせた。

「貴様、俺を馬鹿にしているのか?」

「そうじゃないよ。ただ、傷だらけのそんな状態でレグルスに挑んでも、返り討ちにあうかもしれないから、じゃあ無理して戦いに行くよりも、セトに倒してもらった方がいいんじゃないかな〜って思っただけだよ」

そう言った次の瞬間、ノエルはレンの頰を思いっきり殴りつけた。

「お、おい!?」

「何やってんだよ!」

レイとハルは、それぞれノエルに聞いた。

「貴様の手を借りようとした俺が馬鹿だった。舐めやがって……!」

ノエルは直ぐ様部屋を出て、扉がバタンと大きな音を立てるほど勢いよく閉めた。

「痛って……。何も殴ることないじゃないか……」

「何か良くないことでも言ったんじゃねぇの?お前そういうとこあるし」

客室を出たノエルは、そのまま城の外へと歩いていった。

(無理に戦いに行くより、他人にレグルスを倒させろだと!?ふざけているのか、あいつは!)

そんなレンに対する怒りを心の内に留めながら、王都の外へと出ようとしたノエルを、後ろから追ってきた兵士が引き止めた。

「ちょっと!そんな怪我でどこに行こうと言うんだい?」

「うるさい!俺に構うな」

「で、でも……。王様が君に会いたいって言ってましたよ」

「トルネシアの王が?くだらん」

そう言ってノエルは王都を出たが、直ぐ様トルネシア王がノエルの後ろに立った。

「君はそう思うかもしれない。だが、私には君に用事があるのでな」

ノエルは、仕方なく城へ戻るトルネシア王について行った。

(くだらん用事だったら、すぐに出ていってやる)

ノエルは、そう思いながらトルネシア城に戻った。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ