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世界を救った勇者は、強くなるため旅に出る  作者: Flance_Pang
新たな冒険と戦いの始まり
2/46

戦友との再会

レンは兵士から、レイとハルがどの部屋で待っているのかを聞いた。どうやら客室で待っているらしい。

「客室で待ってるって聞いても……、この城、客室どんだけあると思ってんだよ……」とレンは思わず呟いた。

ちなみに、トルネシア城は一般人や貴族、商人や旅人の出入りが盛んな為、客室が15室もある。客室にはアルファベットも数字も振られていない為、レンは全部の客室を片っ端から探す他なかった。

レンは客室の前に立ち、扉を開けて確認するという作業を繰り返した。

「ここか?いや違う……。あ、この部屋か?いや、ここでもない……」

そうこうしている内に、1階の客室を全部確認し終わり、2階の客室を確認し始めた。

すると、12室目の客室を開けた瞬間、

「レン?おい! レンじゃねぇか!! 久しぶりだな!」

と言う声がした。

「この声、レイか!?」

「そうだよ! こんな声してる奴、俺の他に誰がいるって話だよ!」

レンとレイは再会を喜び、ハンドシェイクを交わした。

すると、そんな2人に割って入るかのように、

「2年って案外長いな……。あの厳しかったレンがここまで丸くなるなんてな……」

とハルは言った。

それを聞いて、レイも不思議そうにレンを見た。

「確かに、ちょっと髪が縮んだか?」

「え?そっちに注目するのか?」

ハルは驚いた。ハルが性格の事を言っているのに対し、レイは外見の事を言ったのだ。

「まあ、僕の2年の間で色々あったんだよ。そういうレイこそ、全然背伸びてないね!」

レイはその発言を聞いて、

「うるせぇな!余計なお世話だわ!」

と言いながらレンを小突いた。

「全く……。そういうデリカシーが欠けた発言も相変わらずだな……」

ハルは苦笑いしながら呟いた。

レイはレンから離れて、ソファに深く座った。

「そういや、お前いつになったらまた旅に出るんだ?」

レンはそんなレイの問いに対し、

「え?明日になったらまた出るけど?」と答えた。

ハルはその発言を聞いて、思わず口に含んだ紅茶を噴き出した。

「はっ!?1日でまた旅に出るのか!?」

「うん。だって幸せと強い奴は待っても来ないって言うじゃん?」

レイは思わず、

「強い奴は待っても来ないって聞いたことねぇぞ……」と言った。

「それに、今日は宿から走ってここまで来たんだから、十分ゆっくり出来ると思うけど……」

レンはバッグから地図を出して、机に広げた。そして、地図のある所を挿した。レンがトルネシア王都に来る前に泊まった宿がある場所だ。

「ほら、ここからトルネシア王都まで走って来たんだよ」

その発言に対し、レイとハルはお互いに顔を見合わせた。

「なぁ、ハル。今レンが挿した場所からここまでってさ、歩いて30分くらいかかるよな?」

「ああ。多分走っても15分か20分はかかるな」

レンはレイとハルを見て不思議そうな顔をしていた。

「何言ってんだよ。こんな距離、10分足らずで走りきれるだろ?」

「「はぁ!?」」

レイとハルは驚くしかなかった。そしてレイはレンに近づき、

「この10分足らずで走りきれるって、どんだけ速えんだよお前!!」と言った。

ハルは呆れながらソファに腰かけた。

「お前の事なら、滅多なことじゃ驚かないって思ったけど……、そこまで来るとコメントに困るぞ……」

すると、何処からか誰かのお腹の音がした。

「あ、いっけね。もうそんな時間か。じゃ、レイ!ハル!また僕がトルネシアに戻った時にまた会おうな!」と言いながら、レンは部屋の扉を開けた。

「え!?ちょっと待て!お前もう行くのかよ!?いくらなんでも早すぎんだろ!」とレイが引き止めたのだが、レンは部屋を出ていった。

レイとハルは、ただ呆然とするしか無かった。

レンはトルネシア王都の宿に行き、部屋の予約を取った後に、食事をする為に酒場へと向かった。

レンが酒場に入ってすぐに店主から

「お!トルネシアの英雄様でねぇか!いや〜、ここを選ぶとはお目が高いね〜!」と声をかけられた。

(トルネシアの英雄ね〜。そんな呼ばれ方もされてたっけ……)と思いながらレンは4人席に1人で座った。

レンは店主に向かって、

「おっちゃん!ドラゴンの尻尾ステーキ10枚とバジリスクのもも肉シチュー10皿、あとキャベツスープ5杯とトルネシアスペシャルサラダ15皿に小麦パン20個頂戴!」と大声で言った瞬間、周りの客は全員レンの方向を向いた。

客の1人がレンに向かって、

「お、おい!あんた酒もなしにそんな量食べ切れるのかよ?」 と聞いた。

「大丈夫!足りなくなったら追加注文すればいいんだから!」

レンがそう言った瞬間、周りの客は黙るしかなかった。

そして、レンの注文通り、ドラゴンの尻尾ステーキ10枚とバジリスクのもも肉シチュー10皿、キャベツスープ5杯とトルネシアスペシャルサラダ15皿に小麦パン20個がレンの座っている机にびっしり並んだ。

「そういや今日何も食べてなかったな……。いただきまーす!」

レンは黙々と食べ進めて、あれだけあった大量の料理が5分足らずで無くなった。

周りの客はそんなレンの姿を見て、

「おい、マジかよ……。もう無くなっちまったよ……」

「酒なんてなくて充分って事かよ……」

「あれだけ食ってなんで平然としてるんだよ……」

「あいつバケモンかよ……」

とざわついた。

それを厨房から見ていた店主も、目を見開く他なかった。

「近くで見たことなかったけど、トルネシアの英雄様ってあんだけ食うのかよ……。城の貯蔵庫を空にする勢いでねぇか……」と呟いた。

そんな事はつゆ知らず、

「まだステーキ10枚は行けそうだけど、ここまでにしとこっと。ごちそうさまでした」とレンは手を合わせた。

その発言を聞いて、周りの客は、

「おい、嘘だろ? まだ食えるのかよ……」

「俺より年下なのに、俺より食うじゃんか……」

「どうなってんだ、あいつの胃袋……」

「ホントにバケモンじゃねぇかあいつ……」

とまたざわついた。

その夜、レンは剣とバッグ、そしてコートと帽子を宿の部屋の机に置いて、ベッドに寝転んでいた。

「久々にトルネシアに帰ったけど、色々と変わってないな……。2年って意外と長いし、王都の外は色々変わってるから王都も変わってると思ったけどな〜。ハア……、そういやトーラスの村にも帰ってないな……。

僕の家2年も放置してるから、村長売ってないといいけど……。まあ明日はトルネシア王国領の北にでも行こうかな。今日はもう寝て明日に備えよ」

レンは布団に潜り、眠りについた。

最後まで読んでくれてありがとうございます。

よければアドバイス(読みやすくなる工夫だったり)とかをくれると嬉しいです。

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