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第零歩 報酬

目が覚めた。

ベタな白い部屋に座布団が二つ、俺はとりあえず手前の座布団に腰を下ろした。

俺は死ぬまで教信者だった、神を愛し、愛しすぎた結果、命までも神に捧げたのだ、そうすれば愛しの神に会えると信じていたから。


「やあこんにちは」


と目の前に現れたのは恐らく神、普通に考えて死後の空間に当たり前のように出てくるのは神しかいない。

生前の願いの神に会う事は出来たが今俺の目の前にいる神は俺が敬愛していた神では無い。

確証とかがある訳では無いが、そんな気がする。

とりあえず俺は胡座をかいていた脚を正座にし、一言


「お初にお目にかかります。私生前では田中と申していました。呼び名をお伺いしてもよろしいですか?」

「………私はこの世の()()を司っています。名前はありませんが、フカとでもお呼び下さい。」


()()ってなんだ?という疑問は置いといて俺はまた質問をした。


「何故、私はこのような場所にいるのでしょうか?」


数秒間の沈黙ののち神が口を開いた


「…貴方には頼み事がありまして此処に来て頂きました、理由といたしましては、貴方の生前の熱心な信仰は、数多くいる人間の中でも目を引くものでした。私はそのような人間を待っていたのです。」


この言い方の回りくどさはなんだかとても面倒臭いことを頼まれそうな感じがする。


「その頼み事とはなんでしょうか、」

「………私を布教して頂きたいのです。…もちろん見返りが無いのもおかしい話ですので報酬は用意致します」


何を言われるのかと思ったら意外なことを言われてしまった、正直布教をすることなど朝飯前だが、この神は俺が敬愛する神ではないみたいだし、俺は生前、物や人間関係で悩んだことはない。

つまり、そんな俺を物で釣ろうとするなんて神ですら不可能だ。

ここは柔らかくお断りさせて頂こう。


「もし貴方があの世界で私を世界一の神になるまで布教すれば、貴方をあなたが敬愛している神に合わせてあげましょう」


「行かせていただきますフカ神様」


俺は即決で行くことを決めた。



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