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UNKNOWN MEN  作者: 銃犬
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初投稿になります。

お手柔らかにお願いします。

「おい朔真、起きろって」


ゆさゆさと揺さぶられ、俺は目を覚ました。

どうやら机に突っ伏して寝てしまっていたようだ。


「おはよう」


「おはようじゃねぇよ。お前また夜遅くまでゲームしてただろ」


幼なじみかつ親友でもある順平は、呆れた顔で席の前に座っていた。


「いや〜、やり出したら止まらなくて...」


「お前な……」


やれやれと額に手を当て呆れる順平を他所に俺は再びうたた寝の体勢に入る。


「おい待てこら、

お前もうテスト近いんだから流石に勉強しろよ?」


「え?何それ初耳なんだけど」


「はぁ……そんなことだろうと思ったよ」


そうため息をつかれても何も言い返せない。

最近寝不足だったのもあるが、順平の言う通り俺はテストが近いことをすっかり忘れていたのだ。


「お前、流石にやばいぞ」

「だってもう勉強したくないんだもん」

「もんとか言うな気色悪い。はぁ、仕方がない。

明日予定あるか?」

「いや、なんもないけど……」

「じゃあ放課後、図書館で勉強会な」

「え?明日は気分乗らないしまた今度に……」


俺が断ろうとすると順平は机をバンっと叩いてこう言った。


「いいか朔真。お前の人生がかかってるんだぞ!

もっと真面目に考えろ!」

「いや、順平にとって大事じゃないだろ」

「いや大事だよ。

それにお前留年したらどうするつもりだ?」

「留年しても俺は一向に構わん!なんちゃって笑」

「はぁ……お前って奴は……」


順平は再び額に手を当てて呆れていた。

いや、だって俺勉強嫌いだし……



「まぁいいや。とにかく明日な。絶対来いよ!」

「はいはい」


そんな会話をしていると、授業の始まりのチャイムが鳴り始めたので、俺たちは席に戻る。

そして俺は再び机に突っ伏して...

バシッ!


「寝るな」

「はい……」


俺は順平に頭をはたかれ、仕方なく授業を受けるのだった。


放課後──────────

順平と図書館に向かい、勉強を始めた。

がしかし……俺はすぐに限界に達してしまった。


「もう無理!休憩!」


俺がそう叫ぶと、順平はまたかという顔をしている。


「お前、まだ始めて1時間も経ってないだろ」


そんなの知らん。

もう頭がパンクしそうなんだよ。

俺が頭を抱え、悶えていると横から声をかけられる。


「あれ?朔真に順平じゃない」


声のする方に視線を向けると俺の親友Part2の頼子がこちらに近づいてくる。


「お!Part2元気か!」

「は?Part2?朔真何言ってんの?」


しまった間違えた。

思わず心の声をそのまま言ってしまった。


「ごめんごめん、ちょっと勉強のしすぎで頭が混乱してて」


まともに勉強してないだろと言いたげな順平を他所に俺は頼子に話を振る。


「頼子こそこんなところで何してんの?

まさかお前も勉強なんて柄にもないことを...」

「ぶっ飛ばすよあんた」

「ごめんなさい」


拳を鳴らす頼子にすかさず謝罪。

うん、我ながら素晴らしい速度とキレだ。


「まぁ、勉強をしに来た訳じゃないけどね。

ちょっと香西先輩に頼まれ事を...」

「え?香西先輩って、まさかあの香西か?」


名前を聞いて順平が驚く。

香西?何処かで聞いたような...

俺が思い出そうとしていると、頼子は溜め息混じり答える。


「そう、香西 紗耶花先輩。

オカルトサークルの部長にして、校内一の変わり者。

今彼女に頼まれて、ある調べ物をね」

「おいおい、まさかまた面倒な事に巻き込まれてないだろうな?」


順平の嫌な予感はよく当たるからな。

今回もきっと当たる気がする。


「絶賛巻き込まれ中よ。

あーなんでこんな事引き受けちゃったんだろ...」


頼子はそう言うと口を尖らせブー垂れる。

昔からこいつは頼み事を断れない性格で、何かとトラブルに巻き込まれては、毎回俺と順平でその尻拭いをしている。


「それで?その香西先輩から何を頼まれたの?」


俺は頼子に頼まれた内容を確認する。


「その前にあんた達'能面男'って知ってる?」

「ノーメン男?

ラーメン屋でラーメン食べない人間の事か?」

「朔真」

「申し訳ございません」


もうふざけないので、笑顔で拳を構えるのは勘弁してください。


「話を戻すけど能面男について知ってる?」

「確か今噂になってる都市伝説だったか?」


あー、そういえばクラスの連中がそんな話をしていたな。


「そ!その噂の都市伝説。

能面男に出会った人間は必ず不幸になる。

最初は小さな噂程度だったんだけど、噂が広まるにつれて、巷では不審死や失踪が増えているみたいなの」


確かにここ最近各地で相次いで発生しているってニュースでやっていたな。


「それでなんで頼子がその都市伝説について調べてるんだ?」


順平の問いに頼子は微妙な顔で答える。


「それは...香西先輩に半ば強引に...」

「あー、分かったもういい。

お前の事だ。今回も懇願されて断れなくなったんだろ」


ギクリっ!という音が頼子から聞こえた気がする。

まぁ、想定通りというかなんというか。


「それで図書館で都市伝説の元になった話が無いか調べに来たってところか。」


伊達に頼子のトラブルに毎回巻き込まれているだけの事はあり、俺も順平も彼女がここに来た理由は検討が着く。


「分かってるじゃない。

ならこの後あたしが何を言うかもわかるわよね?」


あー、やっぱり今回もこの流れになるのか。


「あんた達も付き合いなさい。」


こうして勉強会は、頼子のトラブルの尻拭いの時間になった。

【今回の登場人物】

神崎かんざき 朔真さくま

主人公

勉強嫌いで、よく眠っている。

マイペースな性格だが、やる時はやる一面もある。


塚口つかぐち 順平じゅんぺい

朔真の親友で幼なじみ。

朔真と違い勤勉で真面目な性格で、面倒見もいい。

お節介過ぎるところが玉に瑕。


仲野なかの 頼子よりこ

朔真、順平とは幼なじみ。

男勝りで勝気な女性で、人の頼みを断れ無い性格。

その為トラブルに巻き込まれる事が多い。


香西こうざい 沙耶花さやか

オカルトサークルの部長で、校内一の変人。

しかしその美貌と妖艶さから「妖姫妃」と呼ばれている。

どこか神秘的な雰囲気があり、常に怪しげな笑みを浮かべている。

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