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ストレンジフィールド  作者: 大犬座
4章 『本能の洞窟』へ
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4-15 危機回避

それを見た瞬間、ミエリは口を塞ぎすぐに隠れてへたり込む。戦闘の心得など無いレガナとミエリの二人では明らかに部が悪い相手であり、まともに戦うのは現実的では無かった。


(ちょ、ちょっと!なによあれ!)


(ミエリが襲われたから助けを呼ぼうとしたらアレに襲われたのよ!だからこれはミエリのせいなんだからね!)


(えっ!?なんでそうなるの!?)


ガノザールはすぐ近くに転がっている巨大な昆虫に喰らい付きブンブンと振り回して噛み砕く。だが、食事の為というよりも苛立ちを発散させる為のように見える行動だった。


(あの虫みたいなのがあの化け物にケンカをふっかけてくれたおかげで逃げられたの、それで岩陰に隠れたらちょうどミエリが来たんだよ)


そこまで聞いて、ミエリは自分が聞いた悲鳴がレガナのものだと気づいた。


(わかった、それじゃあこっちに逃げよう、向こうにはビルセティがいるから助けてもらえるはず……)


そう言って、ミエリが来た道を指差したその時、ガノザールが大きく叫んで全力で前脚を踏み締め洞窟全体を揺らす、そしてその衝撃でミエリの指差す道が岩壁が崩れて封鎖されてしまう。


「……うそぉ?」


(ウソじゃないわよ!どうすんのこれ!)


指先の力が抜け、茫然とするミエリにレガナが詰め寄る、この道が使えなくなった以上ガノザールのいる大きな通路を通って別の通路を通るしかなくなってしまい、流石のミエリも頭が真っ白になってしまう。


(ど、どうしよう……このままじゃ……ってちょ、ちょっと!)


ミエリが焦りを感じながら視線を下に向ける、するとどこからやってきたのか、この区域に広がるグロブスタ『ギラッツ』がいつの間にかミエリのナイフを奪って喰らい付いていた。


(うわ!やめてよ!って、あ……)


ミエリがギラッツからナイフを奪おうと、グリップを握り思いっきり引っ張る。するとその勢いでギラッツが真っ二つになってしまった。


(うそ……なんて切れ味、でもこれじゃ血の匂いでバレ……ん?あ、そうだ!)


なにか思いついたのか、ミエリはすぐさまホールドに備えていた弾丸を取り出し、それをギラッツの周辺にばら撒く。


(ミエリなにして……え、なになになに!?)


すると、すぐさまギラッツの群れがどこからともなく現れ、ミエリの弾丸を喰らおうと近づいてくる。


「よし、それじゃあ……ごめんね」


ギラッツの一匹に狙いをつけて掴むと、ナイフを突き立て絶命させる。そしてさらに弾丸を取り出すとそれに埋め込んだ。


(理屈は分からないけど、この生物は仲間の死骸や血の側に金属があると集まる習性がある。そしてシャラムのこの区域の過去の話が本当なら、死骸と金属の量に比例して集まりやすくなるはず)


この世界にきて初日、シャラムがこの区域とギラッツの話をしていたのを思い出すミエリ、それではギラッツの集まる速度を防衛設備が上回っていたと言ってたのを思い出し、それを応用すればギラッツを効率よく集めることができると踏んだのだ。


「よし、これなら多分うまく行く……はず」


その読みは当たっていたようで、瞬く間に大きな通路にはギラッツが集まり、ガノザールを無視してミエリの方へと集まってくる。


しかし、それを見逃すはずもなく、ガノザールがギラッツの群れを掬うようにして顎いっぱいに喰らっていく、そしてその足元にはギラッツの血と肉の破片が溜まっていき、その近くにいるギラッツにミエリが銃を構えて撃ち抜く。


すると、さらにガノザールの周囲にギラッツが集まり、ガノザールの動きを阻害するに十分と判断すると、ミエリはレガナを掴んだ。


「よし!今なら逃げ切れる!」


ダメ押しにもう数匹にも弾丸を撃ち込みながら別の通路へと逃げ込む、一応足止めのつもりだったのだが、ガノザール自体はギラッツの捕食に夢中でミエリ達には気づくことはなく、意外なほど簡単に突破できてしまった。


「なんとかなった……よし、ここから逃げて早くビルセティたちと合流して……」


その時、先ほどギラッツとガノザールがいた方向から大きな音と生物との悲鳴が響き、何か大きな破壊音と共に凄まじい気配を感じたミエリとレガナが振り返った。


「「えっ……?」」


そこにいたのは、小さくふわふわとした可愛らしい兎だった。ただ一つ、大小様々な牙を備えた大きすぎる口を除けば、ただのウサギだった。

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