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第92話 決着?

前話の感想でこれどうなの?ということが有りましたので、前話の後書きに追記させていただきました。

話の筋には関わらないと思いますが、気になる方はそちらも見ていただければと思います。

それから数日して第1王子よりの正式な命令書が届くことになった。

命令書の内容は至って簡潔であり、まともな物だった。


『第2王子は後ほどメッセサイト公爵が引き取りに行くので、それまで何人の面会もさせないように』


本当にそれだけしか書かれていないのが、王都の混乱を物語っているようであった。

この正式な命令書がここに届くということは、既に他の貴族達にも第2王子の生存は伝わってしまっている事だろう。

後はストラディ伯爵の警備力の問題になったのだ。


王都で第2王子がどうなろうとも俺の知ったことではないし、何なら王族の問題も俺の知ったことではない。

正直国王が何を言っても、第1王子を今更王族から抜くなんてことは出来ないし、他の血筋から王族として連れてくるのも難しいだろう。

なにせ今や第1王子とメッセサイト公爵の派閥が最大勢力となっている上に、国民の心は既に第1王子へと向かっているのだから。

今更失態続きの第2王子やそれをかばい続けた国王に、何が出来るというのだ。




そう思ってから約一ヶ月事態は全く進展しなかった。

時折王都から情報がもたらされこれで解決か?と言う事もあったが、結局国王は執務を拒否して自室に引きこもり、現在第1王子が代わりに執務をこなしているそうだ。

当然メッセサイト公爵も王都を離れられないのだから、第2王子はそのままこの街にいる。

警備兵の噂ではやれ酒だやれ女だと騒いでいるらしいが、どっちも与えられることは無いのだそうだ。

まぁ当たり前の話なんだが変に女が接触なんかして、後で王族のご落胤なんて者が現れた日には、大粛清祭りの開催が宣言されるだろう。


そして昨日王都から来た商人の話によると、ついに2公爵が重い腰を上げて王都に入ったそうだ。

アントライア公爵にスネールズ公爵。

これで王都に再び3公爵が揃うことになり、国王と言えども無視することの出来ない事態になったのだ。


おそらくは近日中に事態の改善がなされるだろう。


もはや俺もそうなって欲しいと祈るようになってしまった。

それは俺の生活に多大な影響が出始めたせいだ。


何が起きているかと言うと、王都で貴族の勢力争いが起きていて、俺の店に来るはずの錬金術師が来れなくなってしまっているのだ。

つまりこの1ヶ月俺は、休み無くポーションを一人で作らなければならず、しかも作らなければいけないポーションの量は日増しに増えているのだ。


量が増えているのは、ニューパラセッツの街での需要が増えているのも有るのだが、勢力争いによって今までたしなみ程度でもポーションを作っていた貴族が、ポーションの作成を止めてしまっているため、その分の依頼までこっちに来てしまっているからなのだ。


毎日毎日、煮ては濾して煮ては濾して、魔力量を計算して薄めて、たまにゴーレムに魔力を補充して…


俺はポーション作成道具じゃないんだ、こんなんじゃ生きている気がしないよ!


本来ならこんな事態にならないように、王都に有るポーションの製造工場が有るのだが、国王の代理で第1王子が指示しているにも関わらず、その利権にからもうと貴族が横槍を入れているらしい。


これも全て国王が悪いんだ。

噂では第1王子とメッセサイト公爵を王族として認めない理由は、現側妃であり元の正妃で大恋愛の末に結婚した人が、浮気をして出来た子供だと言っているらしく、何の証拠もなければそんな噂も今まで無かったらしい。


国王が言うには、それを知って救ってくれたのが今の正妃で、国王の本当の子供は第2王子だけなんだとか。

ちなみにこの正妃の方には浮気の噂が多々あるらしく、一部では第2王子が本当に国王の子供なのか疑われていたとか。

この世界にはDNA鑑定がないからこういった事は、どれが本当の事かわからないのが問題で、もし仮にDNA鑑定が出来ればすぐに終わりそうなんだが。


おそらく元貴族派が大陸中央の国の王女をねじ込むために、国王に流し込んだ嘘の情報なのだろうけど、それが原因で人が信じられなくなったのだろうか?


正直そんなのどうでもいい!俺の睡眠時間と平和な日常を返せ!


せめて血液型の検査でも出来れば、少しは変わりそうな物だけど…


なんて考えていたら、ふっと頭によぎった。



2人の王子は今の王族の誰とも似ていないが、第1王子は確か祖父である狂王アドレイト王の若い頃にそっくりだと、何処かで見た覚えがあったのだ。

狂王アドレイト王の若い頃の記録は、現国王によって隠されてしまっているので、俺自身が見たことはないのだが、ラシャリダ先生の資料に確かに書いてあった気がする。


正直俺も寝不足でどうかしていたと思う。

それがわかった所でこの事態の解決になんら影響はないし、逆にそんな禁止されている資料の内容を調べたりなんかしたら、下手をすれば重罪になってしまうかも知れない。


だが俺はその考えをストラディ伯爵に呼ばれた時に、そう言えば…と話してしまったのだ。


ストラディ伯爵も周りの側近もいぶかしげな顔をしていたが、段々と頭の中で事態が判明したのだろう。


「うまくいくかはわからないけど、ごの馬鹿げた騒ぎは治まるかも知れないね」


と、ストラディ伯爵が言うと、会議はその話で進んでいく事になった。

現状行われている騒ぎの原因が証拠も何もない、単なる思い込みから始まっているため、そこに本来証拠でも何でも無いものを、あたかも証拠であるかのように示せれば、それで決着させることが出来るかも知れないのだ。


本当の事なんて、今は何の意味も無いからね。




そうして無駄に時間だけ浪費した王都の騒ぎは収束した。


王都で誰がどうしたのかまではわからなかったが、あれから1ヶ月も経った頃には、あの噂が本当の事のように街で話されるまでになり、事態は急速に沈静化されていったのだった。


結局国王は体調不良と過労により引退し、正妃と第2王子と共にパラセッツの街で隠棲することになった。

まぁパラセッツの街は殆ど無人になっているし、パラセッツ攻囲戦でかなり荒れてしまっているが、国王と正妃の個人財産で整備された後、豪華な軟禁生活を送ってもらうことになる。


第1王子は今や国王陛下となり、既に引き継ぎも終えているので問題ない。

国王が引きこもっていた時に既に仕事をしていたしな。


これに合わせてかなりの貴族がまた処罰を受けたが、俺には関係ないのでどうでも良い。


一応犯罪奴隷だった昔の貴族派からも、国王を騙していた証言は取れたそうだし、きっとこれで良かったのだろう。


裏で何が行われたかは知りたくもないが…


俺の店にも錬金術師が2人来てくれたお陰で、無理なく店が回るようになったし、きっとこれで良かったのだろう。


相変わらず馬鹿な貴族が俺の店に来ることも有るけど、おおむね平和な毎日がやって来たんだと思う。


ティちゃんの活躍は取り敢えずこれで終わろうかと思います。

今までありがとうございましたm(_ _)m


あと1話人物紹介を投稿して完結します。

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