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第9話 子爵家5

マーブル先生の授業は、基本的に午前に行われることになった。


マーブル先生の都合によるものなのだが、時間にこだわりはないから、教えてもらえるだけでもありがたい。


マーブル先生の授業も始まり、最近の俺の日常はこんな感じになった。


まず日の出と同時に起き出して、自主的に行っている、なんちゃって柔軟ストレッチを、朝食の時間まで行う。


朝食の時間は何時とか、決まっているわけでもなく、専属の料理人が料理を完成させたらって感じ。食事が完成したら料理人が、鐘をガンガン鳴らすからすぐ分かる。

そもそも食事は常に同じメニューだから、前の食事の残りに具とかを足して作るため、そこまで時間がかかるわけでもないしな。


朝食が済んだら、軽く走り込みを行って、それなりに汗をかいたら、シャワーを浴びてマーブル先生のお屋敷に向かう。


お屋敷でお茶を飲みながら待っていると、ゆったりとマーブル先生が来て授業の開始。


授業は今日はこれと決まっているわけではなく、マーブル先生の中で昨日これやったから、今日はこれみたいに、ある程度全体のバランスを考えて、進めてもらっている。


お昼前に授業は終わるので、だいたい一日3〜4時間位だろうか?

確かにこのペースと考えると、早めに始めないと、色々と間に合わないのかも知れない。


午後は兵舎に帰って食事をした後、走り込みと身体強化を一人でやる。

手を抜くことも出来るが、結局全部自分のためでも有るので、しっかりと行う。

俺の前世が子供の時は、勉強とかは自分とためと思えず、結構手を抜いていたものだが、大人の意識を持つ今世では、全ては自分のためとわかっているため、ちょっとくらいサボろうとか、一切考えられない。目的意識とか目標とか、子供とは違う考え方が出来るから、続いていると思っている。


一通り終わった頃には、兵士の誰かが帰ってくるので、防御の訓練を手伝ってもらうのだが、ずっと続けていただけあって、センスがない俺でも、多少は出来るようになっている。

変な癖がつかないように、最近はグロスではなく毎日違う兵士に手伝ってもらっている。

最近では普通に振ってもらっているが、しっかりと受け流せるようになってきた。

流石に本気の一撃みたいなのは、受け損なう場合もあるが、8歳でここまで出来るのは凄いって、褒めて伸ばしてもらっている。

同年代の子供に殆ど会わないため、自分がどれ位できるようになっているのか、全然わからなかったりもするが、俺が戦うべき相手は同年代の子供ではないので、問題ないのだろう。


夕方になり暗くなってくると、防御の訓練は終わりだ。照明なんて無いし、魔法で明かりを灯してまでするものでもないからな。それからは素振りの時間だ。グロスから言われているのは、とにかく縦振り・横振り・突きの3種類を、徹底的に体に染み込ませれば、他の色々な物は後からで良いらしい。

まだまだ体も小さいし力も弱いから、本当なら突きだけに絞りたいそうだが、当主の手前そういう訳にも行かないらしい。

実際に使えるかどうかより、体幹の訓練をしているようなものなのだろう。


そのうち夕食の鐘がなるので御飯の時間だ。

ちなみに俺は生活魔法で消臭しているのだが、兵士たちはそのままくるものが多いため、結構臭かったりするが、毎日こんな状況だったから、流石に慣れたのも有り、気にならなくなってきている。


食事が終われば、シャワーで汗を流して寝るだけだ。


兵士たちは夜番も有るらしいが、俺はまだ成長途中だから、しっかり寝させてもらう。


明かりの燃料代ももったいないし、余分な魔力は残っていないから、さっさと寝させてもらう。


毎日こんな感じで生活している。


でも実は俺がお気楽生活してる間、スタン子爵がなにもしなかったせいで、じわじわ破滅フラグが近づいているのだが、現状の俺にはなにも出来ないからしかたない。

エルダー伯爵からは、せめて兵士数を50人までは増やせ、と言われているようだが、

遊び歩いている子爵には、そんな能力もコネもないらしい。


使用人たちは貴族の家のことがわからないためか、お屋敷内で好き勝手しているみたいだが、子爵家が没落したらどうする気なのだろうか?


まさか、俺にしがみついてこないだろうな?


今の所仮とは言え、子爵家の跡取りであるはずの俺に対して、一切接触してこないことからも、使用人たちがまともの奴らだとは思えない。


一応グロスたちには相談して、万が一のときには、逃げ出す算段だけはしているが、せめていつ子爵家が没落しても、一人で生きていけるくらいにはなっておきたい。


流石にまだ今の段階では、生活していくことは出来ないだろうから、もう少し時間が欲しいところだ。


その上、使用人たちまでしがみついてこられたら、折れていたはずの、変態趣味のおっさんに捕まるフラグが、また立ってしまいかねない。


マーブル先生にも相談しておくことにしよう。


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