第85話 パラセッツの街1
ここから暫く説明回風味になります。
ごめんなさいm(_ _)m
パラセッツの街に着いた時も思ったのだが、この街は税金が高すぎるのだ。
エスト王国の場合貴族含めた全ての国民が払うべき税金は3つ有る。
簡単に言ってしまうと、土地税・人頭税・入町税の3つだ。
基本的にエスト王国の土地はすべて国王の物とされていて、街に家のある人は土地税を国に収めることになる。
前世の日本でも所有権自体は認められていても、土地に対する税金を収めていたことを考えると、疑問に思ったりはしないのだが、パラセッツの街ではこの土地税が高い。
交通の要所でも有り王都近郊と考えると高くなるのも仕方ないのだが、それにしても王都より高いのはおかしいだろう。
次に人頭税だが、基本的に一律なため身分による差は無いのだが、何故かこの街では人頭税も高くなっている。
具体的に言うと法律で決められている額の倍だ。
法律で決められているのだから本来勝手に増やしてはいけないのだが、何故かこの街ではそれが行われている。
最後に入町税なのだが、これは街にはいる時に払う税で、代官や領主が決めた金額を支払うものだ。
基本的にその街の住民として登録されている者であれば無料になるものだ。
これも王都より高く設定されていて、第2王子が管理を任されてから上がり続けているらしい。
前世ならこの他に消費税やら所得税等色々と取られるものだが、この世界では基本的にはこれだけだからわかりやすいと言えばわかりやすい。
一応街の代官や領主が翌年の人頭税を臨時で徴収する事は認められてはいるが、これをやった場合国に届け出なくてはいけないから、臨時に徴収を行った記録は殆ど無い。
臨時に徴収するって事は、そんな事態になるまで手を打たなかった無能であると宣伝するようなものなので、余程の事が無い限り行うことはないし、臨時で徴収するという事はなにかあるとして調べられてしまうのだから、後ろ暗い貴族は行うことはなかった。
そんな感じで税金が高いパラセッツの街なのだが、ではこの街になにか特産品が有るかと言えばそれもない。
かつては交通の要所でありダンジョンから得られる資源で潤っていたこの街は、税金の高さにより商人達は遠回りをするようになり、ダンジョン資源も他の産地に価格で負けて、今ではダンジョンに入る人が減っている。
それで逃げた民衆の代わりに来たのが元貴族派の息のかかった商人達で、流通が細くなってしまっている上にこの商人達によって物価は上がるばかり。
本来ならこれらの全てをどうにかしなければならない第2王子は、屋敷に引きこもって何もしないばかりか、内政チートを試したらしく、現在この街を仕切っているのは、民衆に選ばれた商人達と言うことになっている。
まぁ選ばれたと言っても、商人達の商人達による商人達のための選挙で選ばれているので、民意のかけらも反映されていないし、この街の商人は減税されているらしいのだから、本当に商人にとっては天国みたいな街になっている。
ちなみに今言った商人達は既に総合ギルドのギルド員ではないので、この街独自の商人連合というものに加盟している奴らのことだ。
まぁそれはそれとして俺も調査に来たとは言え、正直する事がない位既に真っ黒なので調査のしがいもないのだが、それでもマーブル先生に行ってくれと言われた以上、何かしらの成果は挙げたいところだ。
まずは普通に総合ギルドに着任の挨拶に行こうかな?
街全体が寂れていると言うか人が少ないせいか、表通りに有る結構立派な総合ギルドの建物も、なんか薄汚れているように見える。
中もうらびれた様子で受付に数人いるものの、待合室には誰もおらずまともに機能しているようには見えない。
取り敢えず受け付けに行き、
「こんにちは。王都から来ました錬金術師のティです。こちらの街で暫く商売させていただきますのでご挨拶に来ました。よろしくお願いします」
「はい、王都から話は聞いていますよ。詳しくは奥の部屋で」
この受付の人はメイさんと言って、王都の総合ギルドからこの人と話すように言われた人。
去年総合ギルドの本部がここを調査した結果、かなりの人間が入れ替えられているので、一応総合ギルド内は安全なのだが、念の為に指名されている人だ。
詳しく聞くと市場はまだそれなりに稼働していて、店舗を持った商人の殆どは商人連合に加担しているそうだ。
基本的には商人連合は俺の敵と判断しているし、情報を集めるついでにポーションとか売っていたいから、市場での売り方を聞いていく。
その前に軽くお金の話をしておくと、この世界は異世界から来た人間が多かったため、貨幣経済も古くから取り入れられていて、エスト王国の場合は通貨単位がEとなっている。
呼び方はイーだ。
物価的な差が多々あるものの木賃宿の値段が一泊1000Eだったり、パンという名の固形物が50Eだったりするから、お金の価値で考えると基本的には前世の日本とあまり変わら無い。
ちなみに他の単位の殆ども総合ギルドが採用しているメートル方で統一されていて、一部違う単位を使っているところもあるけど、大体同じようなものと思って良い。
ただし、メートル法自体がこちらと前世が同じかはわからない。
で、話を戻して市場の話をすると、市場の中心部分が一番人通りは多いものの、優先順位が有る事からなかなか入り込めない。
新しく来たやつは外側に店を構えて、空きがあれば希望の場所に移動していくらしい。
まぁ大抵の奴らは最初の位置から殆ど動かないらしく、廃業とかで店がなくなった時に抽選で移動って感じだ。
初めてきた俺の場合も一番端っこの方で参加になるのだが、参加費は基本一律で1000Eになる。
俺が売るのはポーションの予定だから需要はあるし、そうそう悪くなるものでもないから売れ残りの心配もない。
まぁ気楽な商売になるはずだ。




