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第77話 ゴブリン大討伐7

あれから3日たった。


なんとかレアサングルの丘を死守した俺達は、状況の変化を好機と見た本陣の兵に救助され、なんとか助かることが出来たのだった。


北から来たあの集団は、総合ギルド本部の本部長が北の騎馬人を説得して連れてきたのだ。

元々遊牧や交易で生活する騎馬人は国を作らず、あまり他の種族とも干渉せずに生活していたが、伝説の王が再び現れた時には結束するように語り継がれていたらしい。


戦線が膠着し状況が悪化する中総合ギルドは最後の手段として、本部長の参戦を要請していたそうだ。

本部長自身もかなり強いらしいのだが、状況が状況だけに参戦することになった本部長は、未だ動きを見せない騎馬人達の集落を周り説得していったそうだ。

伝説の王の再来。

それが騎馬人が動いた理由であった。

身長が高く小回りの効かない騎馬人は、ゴブリンの討伐にあまり向かない種族だし、雨によってぬかるんだ地形は騎馬人にとっては最悪の場所で有ったのだが、伝説の王の元集った騎馬人達には関係がなかったらしい。

強行軍で戦場に到着したギルド本部長は、まず雨雲を上級魔法でちらし雨を止ませ、足場になるように大地を凍らせた。


その確かな足場を踏みしめ重装甲の騎馬人が戦場を駆け抜けたらしい。

普段から北の平原を駆け抜けている騎馬人だからこそ出来る事だ。


ゴブリン達は足場を凍らされて身動きが出来ない所への騎馬人の突撃。

逃れることも出来ずにただ踏み潰されていったのだった。


その余波で俺達の魔力は体を維持するために使われてしまい、常時身体強化と保護をかけている者程魔力を大幅に削る事になったのだが、結果としてはそのお陰で平原に居たゴブリンの殆どは、騎馬人によって踏み潰されることになり、救援が間に合ったのだった。


一応言っておくと、俺達よりも先に本陣の兵士を出せと思うかもしれないが、最悪の場合と言うか前線が抜かれた場合は公爵令嬢を守って、国に帰る仕事がある彼らは最後の最後まで前線に出られなかったと言っておこう。


取り敢えず北から来た思わぬ援軍のお陰で、平原に出ていたゴブリンは壊滅し、街に押し返すことが出来たのだから本当にありがたい存在だ。

お陰で体制を整えられた各国部隊が街になだれ込み、ゴブリンの殲滅作戦が終了したのだった。

流石に街の中のような狭い場所では騎馬人の力を発揮できないし、本部長も大規模魔法の行使で動けなくなっていたそうだから、最後の手柄だけは各国に任せた形だ。


途中逃げようとした神光聖声教会の幹部達もあらかた捕縛したか、乱戦のうちに討ち死にしたかなので、取り敢えずの勝利は得られたと言っても良いだろう。


初めて神に祈った甲斐もあったというものだ。


だが正直言うならばもっと早く来てほしかったという気持ちもなくはない。

前線に出ざるを得なかった俺達は、ナメクジ含めて総勢600は超えていたものの、現在ナメクジ含めて300を切っている状況だ。

グロスはなんとか救援が間に合ったものの、重症を負ってしまい今でもベットから出られないし、他の者達もかなりの重症を負っている。


全体で見ても被害率は50%を超えているし、前世の記憶で言うのならば被害率が20%を超えた時点で、攻撃力を失ったと判断されるし被害率が30%超えたら全滅と言われている。


それを考えたら本当にギリギリの戦いだったのだ。


もしかしたらこの状況すら神光聖声教会の思惑だったのかもしれないが、これからは神光聖声教会は各国で邪教として扱われ、間違いなく狩られていくだろうと思う。

既に総合ギルドは独自に動いていて、教会の関係者を狩っているのだから間違いない。


取り敢えず現状としてはゴブリン討伐は終わったものの、全部隊共すぐに動ける状態ではなく、しばらくは休養や補給それに部隊の再編成と、大変忙しい状態になっていっている。


その中で俺はと言えば。


「はーい御飯の時間だよー皆集まってー」


ナメクジの子供達の世話に追われているのだった。


魔力切れで倒れたにしては大した怪我もなく生き残れたのだが、現状はと言えば物資の管理を再び任されてしまい、おまけに前よりも人員が半減しているため、手が回らないナメクジの子供達の世話をする事になっていて、戦後処理だとか論功行賞の場に出ることもなく、日々の暮らしを行っていっているのだった。


一応最終局面でレアサングルの丘の防衛での働きについては評価されているし、それについての恩賞も約束はされているのだが、輸送部隊の報奨については元々国に帰ってから行われるらしく、今は全く知らされていないのだった。


帰らなかった仲間も多いし帰ったらしっかり交渉するために、今からマーブル先生を予約していたりしているけど、今の段階ではどうなるかはわからない。

今回のゴブリン討伐では通常の戦争とは違って、収入と言えるものは一切無いのだから、最悪報奨についても足元を見られる可能性も有る。

全ての出費に関して総合ギルドが持つと言っているのだが、今回参加した人数は概算でも100万を超えるし、輸送や物資の調達等も考えたらどれだけの人が関わったか、俺には全く想像できない状態になっている。

どれだけ総合ギルドが金を持っていたとしても、流石に払いきれる物ではないような気がするのだが?


そうは言っても俺が出来ることなんて大したことはないから、取り敢えず休養しつつ国に帰るのを待つしか無いのだけどね。


「お嬢。本隊から呼ばれてますぜ〜」

「あーわかった今から行ってくるよ。子供達の世話を頼むな」

「へいわかりやした。気をつけて〜」


はぁー今度は何の用で呼ばれるのやら。

何かあれ以来たいした用もないのに呼ばれるようになってしまった。


昨日なんか公爵令嬢方のお茶の相手のためとか言ってたし、一昨日は第1王子のお話係とか言うわけのわからない役を押し付けられたっけ?


せめてまともな用事で呼ばれたいな。


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