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第73話 ゴブリン大討伐3

いみがわからないなにがとかではなくいみがわからない


「はっ!!!」


突然音が質量を伴ってぶつかってきた。

しばらく完全に思考が停止していたらしい。

周りをちらっと見ると他もそうだったらしく、かなり驚いたようで胸を押さえている者もいる。

俺もこうして周りを見渡していても、心臓がドックドック音を立てているのがわかるくらいだ。

そうして周りがもう一度聞く姿勢に戻ったのを確かめると、アントライア公爵令嬢がおもむろに話しだした。


「皆混乱しているのはわかるが今は時間が惜しい。細かい説明は今は省く後程部下を送るからそちらに聞いてくれ。皆に聞きたいのはまず南東の街をどうするかだ」


この後結構長い間対策が話し合われていったのだが、基本俺が呼ばれたのは物資の在庫確認と、輸送を行えるかの確認のためであったらしい。

まぁこっちは運ぶ部隊を用意してくれれば物資の準備はするけど、直接俺達が運ぶのはちょっと危険すぎるので断った。

ナメクジ達はそんなに早く動けないから、襲われてしまった場合逃げれなくなってしまうから仕方ないのだ。


その後話しが終わったので拠点に帰ったのだが、ついでに一緒に来た部下の人に話を聞くことにした。


まず南東の街がゴブリンに落とされたのは、南部から来る部隊が遅れたのもあるけど、そもそもこの国の連中がゴブリンを舐めすぎたせいらしい。

数日前から南東の街の周りに少数のゴブリンが現れ始め、ゴブリンの部隊が街を襲う可能性を考え、この国の王都に応援を依頼しつつ街に引きこもっていたらしい。

この時点で監視なり偵察なりの部隊も出していなかったり、防衛の準備もしていなかったりと本当にただ引きこもっただけらしく、気づいたら大量のゴブリンに囲まれたとか。

その後はろくに防衛もせずに多大な被害を出しながら、王都に逃げてそこで初めて自体が判明したとか。

つまり王都への応援要請の部隊は王都についておらず、おそらくはゴブリンにやられていたのだろうし、街の人の殆どを見捨てて貴族だけで囲みを突破して逃げてきたとか、本当にクズの所業だな。

取り敢えずこちらには偵察部隊を派遣している。

南部の部隊とも連絡が取れなくなっているらしいから、そちらにも連絡要員を送ることになっている。



次に東から来ていた部隊の方なのだが、こちらからゴブリンが地下から来ると連絡していたにもかかわらず、対策も大してしなかったので、物資の殆どを焼かれたり盗まれたりしたそうだ。

一応10日分の食料を送ることになったが、正直これ以上の物資は渡せないし東の総合ギルドに頑張ってもらうしか無い。



最後の第2王子の件なのだが、前回判明した地下通路の件から王子に聞き込みが行われていたのだが、平原人の公爵家ヒューポッド公爵が王子から話を聞くと偽り、牢屋から王子を連れてどこかに行ってしまったらしい。

現在王都は厳戒態勢で捜査に当たっているものの、以前行方不明のままなんだとか。


恐らく王子はゴブリン討伐のためにここに来るだろうから、取り敢えずは何もしなくても問題ないだろう。


それよりもこのまま行くとゴブリン討伐どころの話では無くなってしまう。

元々の予定では周囲をゴブリンの掃討をしながら集まり、その上で一気に街のゴブリンを殲滅するはずだったのが、今は逆に攻められているような状況になってしまっている。

このままだと士気も下がるし物資の不足や疲れも出てくるだろう。

ここは一旦下がって体制を立て直したいところだが、ここで西から来た俺達まで下がってしまうと、それこそ全体が崩壊しかねないからそれも難しい。

それに今回のゴブリンは今まで俺が相手をしたゴブリンと違い、明確な戦略を立てて対抗してきている。

本当にゴブリンなのかさえ怪しく思ってしまうほどだ。

ここで一旦下がろうとすれば間違いなく後ろを突かれるだろう。

さっきもその話になっていたから、俺達はここで頑張るしか無いのだ。


一応皆には状況を伝えて今は厳しい状況が続くけど、ここからが踏ん張りどころだと説明しておいた。




そうして2週間が過ぎた。

依然戦況はあまり良くなってはなく、俺達のいる西側はまだ押さえられてはいるものの、東と南はかなりやばいことになってきている。

一応東側については物資の補給が間に合って、戦線の維持は出来てはいるものの、一度下がってしまったので押し返すほどの勢いがなくなってしまっている。

南については更に訳がわからないことになっていて、南から来る部隊との連絡が完全に途切れてしまった。

この国自体も混乱しているようで、南東の落とされた街の情報が全く入ってこなくなったし、各町も門を閉ざして引きこもってしまっている。


最後に北側なのだがここは最初から動きを見せていないので、わからないとしか言えない。

そもそも北側の総合ギルドは今回の件に関して、完全に沈黙を守っていて参加するのかしないのかそれすらもわからない。


一応北側に居るのは騎馬人達で、ここは国というか大きな街もない荒野なのだが、遊牧や北の魔王国との貿易を行っている位しかわからず、今の総合ギルドのトップが元の王だったはずなのだが、よくわかってはいない。


まぁ簡単に言ってしまうと現状は、孤立し始めているってことだ。


そんな感じでどうにも動けない状態が続いているため、俺達はまだ大丈夫なのだが、エスト王国の部隊としてみると士気も下がってきたし、かなりまずい状態になってきた。


さてどうしたものかなと考えていると、拠点の外に千人ほどの部隊がやってきた。


「我々はエスト王国正統政府軍である。これからこの拠点は我々が管理することになった。速やかに明け渡すように」


はぁ?

正統政府軍?なんだそれ?


呆れながらもよく見てみると確かに旗印はエスト王国のものだし、一部に王族を示す旗も見える。

取り敢えずグロスに本隊に応援を送ってもらえるように、狼煙をあげるように指示を出しながら、


「私はスタン子爵家の長女ティ・スタンです。そちらの指揮官を教えて下さい」

「子爵ごときが生意気な!しかも女の出る幕ではない!即刻拠点を明け渡せ!」


ダメだ話が通じない。

一応戦闘準備をしつつ応援を待とう。


「ティか。俺様が来たからにはこの戦いはすぐに終わる。安心して拠点を明け渡すように」


随分馴れ馴れしい言い方だな。

一体誰なんだと目を凝らすと、そこにいたのは第2王子だった。

本当に来たよこいつ。


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