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第71話 ゴブリン大討伐1

今まで行軍の毎日だったが今日からはゴブリン討伐が終わるまで、ずっとここに居続けることになるので、今までのような周りに簡単な柵を並べるだけの簡易的な拠点ではなく、しっかりとしたのを作ることにした。


まず俺が中級魔法を駆使して結構広めに敷地を割って外側に堀を掘っていく。

まぁ掘ると言っても魔法で土を移動していくだけだから、特に大変なことはないんだけどね。

それで移動させた土を使って内側に壁を作っていく。

範囲が広かったから休憩しながら頑張って、完全に出来上がった頃には次の日の昼間になってしまっていた。

ここに到着したのが昨日の昼頃だったから、丸一日かけて拠点を作ったことになる。

前世と比べて魔法が有るこの世界では、こういった拠点作りが普通に行われていて、そこまで珍しいものでもない。

後は途中で使っていた簡単な柵を組み合わせて、櫓を組んで見張り台にしておく。

前世の戦国時代とかに行けたら、一夜城をそこら中に建てて無双しても面白いかもしれない。


個々の拠点を結構広く取ったのには訳がある。

俺達は百台の荷馬車と護衛含めて5百人程の人員、それに大量に置かれることになる物資の保管場所が必要になるからだ。

そのため5百人しか居ないものの拠点の大きさ自体は、2千人以上が収容出来る広さで作ってある。

なのでちょっと守るには広すぎなのだが、そのために堀と壁を作ったのだし、おそらくはなんとかなるだろう。

グロス達はあまりこういった拠点防御には慣れては居ないものの、今回は遠距離攻撃手段を多めに持ってきているしな。

それに俺達だけで戦う必要もない。

俺達は結構離れているとは言え本隊の後ろにいるわけだから、警戒網を突破されて直接攻撃される可能性は低いし、狼煙でも上げれば1時間もしないうちに応援が来る。

後は本隊がゴブリンを殲滅するまで、物資を守っていればいいだけの簡単なお仕事だ。




そんなふうに思っていた時期が俺にも有りました。


「そっち!登ってきているぞ!突き落とせ!」

「くっそ!どこから来やがった!」

「堀に油流せ!」


只今ゴブリンの襲撃中である。

昨日2回今日も朝からゴブリンの襲撃だ。


「おっし前面ふっとばすぞ!対ショック!」


中級魔法の爆破でゴブリンの集団を蹴散らしてはみたものの、後から後からゴブリンがやってくる。

堀に油を流して火をつけて近寄らせないようにしても、その堀に次々にダイブを決めてそこから登ってくるとか、異常としか思えないことを平気でやってくるのがゴブリンだ。

さっきから爆破したり電気流したりしても、一体どこから来ていたのかありえない数のゴブリンが攻めてきている。


それからしばらくして応援部隊が到着すると、拠点に群がっていたゴブリンを後ろから横から削っていき、なんとか殲滅する事が出来たのは、もうすぐお昼と言った時間だった。


「グロス被害確認を。それとまだ元気な奴に足跡を追わせてくれ。他はご飯食べて休憩!見張りは立てておけよ」


応援に来てくれた山人に感謝しつつ指示を飛ばしていく。

昨日も夕方に一回来ていたからもしかしたら今日も来るかもしれない。

数えたわけではないのだがざっと見ても2千は居たように思う。

前線の警戒網を抜けてこんなに来るものなのか?応援に来てくれた山人とも話したのだが、そんな穴は無いはずなのだが、おかしなことに昨日からで既に、ざっと見積もっただけで5千を超えるゴブリンがここに攻めてきた。

昨日も足跡を追跡させていたが途中で足跡が途切れてしまうそうだ。


このゴブリン達は明らかにおかしい。

どこから来たのかわからないのもそうだが、そもそも物資の蓄積場所を的確に襲ってきている。

まるでこちらの布陣を知っているかのような動きだ。

しかもその重要性までわかっていてだ。

俺達の更に後方に居る商人達の部隊が襲われていない事からもそれがよく分かる。


一応昨日の襲撃があってからは更に後方に退避しているものの、あちらはこっちと違って拠点化していないのだから、襲われたら大変なことになるのに。


「お嬢。追跡させていた奴らが帰ってきました。やはり途中で足跡は消えたそうです」

「あれだけのゴブリンが途中まで足跡を消しながら来て、しかも途中で足跡を消すのをやめる?そんな馬鹿なことが?それでどの辺りだ?」

「今回も同じ辺りのようですね。どうしますか?」

「わかった。ちょっと本隊に行ってくる。もしまた来たら」

「わかっています。お嬢が帰って来るまで位持ちこたえてみせますよ」


グロスに後を任せて俺は本隊に向かうことにする。




「よく来てくれた。礼など不要だ用件を言ってくれ」


本隊に付くとすぐに指揮官であるアントライア公爵令嬢の所に案内された。

状況がわかっているからこそなのだろうが、話が早くて助かる。


「今回のゴブリンの襲撃で3回目となりますが、足跡を追った所3回とも同じ辺りで足跡が消えました。それでこれは私の予想と言いますか」

「遠慮はいらん。結論を言ってくれ」


結構せっかちな人なのか?


「わかりました。おそらくその地点に街からの脱出口が有ると思われます。そこに拠点を作るなり先に防衛部隊を置くなりしてほしいのです」

「うん?確かにその意見は聞くべきところはあるが、そう思った根拠は何だ?正直ゴブリンが足跡を隠してきている方が有ると思うぞ」


確かにそう思わないでもない位、足跡が消えたところにはなにもないのだ。


「先日王都から連絡がありましてゴブリンのリーダーは地下から逃げると、第2王子殿下が言っていたそうなのです。勇者となった第2王子殿下にしかゴブリンのリーダーは打ち取れないと言ってまして、その理由の一つが地下から逃げるからなのですが、もしかしたらあの場所に何らかの魔法が使われているのではないかと」


王子の言うゲームの話だと街のゴブリンを殲滅すると、ゴブリンリーダーが隠し通路を使って脱走してしまい見つけられなければバットエンドへ、勇者がその企みを看破して先回りすればグッドエンドへ行けるらしい。


「確かにお前の話は筋が通っているように思えるし、その情報は我々にも届いてはいる。だがそもそもあの馬鹿の妄想の話なのだろう?それを信じて兵は動かせぬ」

「私もそう思います。ですがかの第2王子殿下はあの街のある国の出身である正妃様の子供です。もしかしたら脱出口を教えられているのかとも思いますので」

「なるほど。確かにありえるな。わかった。試しに兵5千を待機させることにする。もし違っていたとしてもゴブリン共がまた来るかもしれんし、来た時にはすぐに向かえるから無駄にはならんだろう」

「ありがとうございます」


こうして兵5千連れて現地に案内したのだが、今まさに平地が盛り上がりゴブリンがでてくるところだった。

既に数百は地上に出ていて、一体どうなっているのかはわからないが、本当に地面からゴブリンが出てきていた。


まさか本当に出てくるとは思わなかったが、すぐさま山人たちがゴブリンを殲滅して、後はもぐらたたきのように潰していった。


魔法が有るこの世界ではこんな事もあるのか。


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