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第68話 貴族派の処罰(説明回3)

思えば貴族派の処罰が決まったのは、俺が10歳の時に辺境の街道警備に向かった事からだったが、そもそもの始まりは8歳の時にゴブリン討伐に行った時の事だった。

こう言うとまるで俺がやっているかのように聞こえるが、実際にはきっかけを見つけはした物の既に調査が行われていて、その証拠の一部を見つけたに過ぎないから、そこまで関わった訳でもなかったりする。


まず最初に見つけたのがゴブリン討伐の時に見つけた豪華な箱だった。

箱自体には意味がなく中身の書類のほうが大事だったのだが、その時点では変な文章の書かれた紙にしか見えず、おそらくは暗号だろう程度のものだった。


それが変わったのが10歳の時に辺境の街道警備に行った時だった。


街道の盗賊を狩っていた時に見つけた証拠から、それなりに大きな商人の関与が判明して、新たな証拠の確保と資金稼ぎのために、商人の家を強襲して家探しをしていたら、見覚えのある豪華な箱が見つかったのだった。


この時も中に入っていたのは変な文章がかかれた書類ばかりだったが、商人を尋問した所暗号の解き方が判明した。

それを元に商人のところにあった箱の中の書類を読んだら、辺境で塩を盗んでそれを大陸中央の国、特に正妃の出身国に流している事がわかり、そこから一気に関わっている貴族の名前などが判明していった。


しかも盗んだ塩の一部は国内でも販売されていて、本来国の専売で値段は固定のはずなのに、品薄なのを理由に高値で売りさばいていたりもしていた。


こっちに関わっていた貴族の中に、俺の養父であったバルサー・スタンの名前があって、直接エルダー伯爵に報告する前にマーブル先生に報告したのだが、ここで更に問題が発覚してしまった。


暗号の解き方がわかったマーブル先生は、まず以前手に入れていた暗号の解読を進めたのだが、そっちに書かれていたのは塩の密売・密輸出よりも問題な、貴族家の乗っ取りに関する暗殺計画書だった。


仕事や権力を失ってしまった貴族派が、自派閥の強化のために行っていた事で、まず適当な貴族家の後継ぎではないボンクラを捕まえて、自派閥の商人の所等で借金を重ねさせ、程よく弱みを握った所で計画を持ちかけて、うまく自派閥へと取り込む内容だった。


最終的に当主や正規の跡継ぎを暗殺しているし、場合によってはボンクラと自派閥の子供を結婚させて、そのまま貴族家の乗っ取りをしてしまったりもする、とてもヤバイ書類だと判明したのだった


俺としては塩の密売に関与していた、バルサー・スタンの処罰についてマーブル先生に相談したのに、今度は暗殺と乗っ取りというおまけまで付いてしまって、このままバルサー・スタンの処罰を行うと、養子である俺までもが犯罪者になってしまう事になったのだ。


それを避けるために、この一連の貴族派の犯罪を俺が告発する側になる事で、俺の罪を無くす方向に持って行くことにした、と言うか元々そうなのだが。


でもそれで納得しない者もたくさん出るので、その辺の根回しをエルダー伯爵やマーブル先生にお願いし、それと並行して貴族派の捜査を進めていたのだが、ある程度貴族派の罪状が固まってくると今度は別の問題が置きた。


それが王政派と中立派の派閥争いだ。


貴族派の殆どが絡んでいた塩と相続の問題を解決していくと、当然殆どの貴族派の貴族家が取り潰される。

そうなると取り潰される貴族家が持っていた仕事とか権利が宙に浮いてしまう。

それを王政派も中立派も自分の派閥に取り込みたいのだが、本来エスト王国でそれを決めるのは国王なのだ。

ところが現在の国王は王政派のトップであるものの、自身の派閥を掌握しているわけではなく、また中立派と対抗するだけの力もない。

なので貴族派の処罰が終わった後より力を持っている派閥が、取り潰された貴族の仕事や権利を手に入れられる為、お互いに相手より力を得るための競争が始まった。

なかなか貴族派の処分が始まらなかったのはこのせいで、この長い期間の間に貴族派の中でも力のある家は、王政派や中立派に鞍替えしていった訳だ。


結局貴族派に残っていたのは大して力もなく、お金もない貴族ばかりになっていたのだが、その取り残された貴族達の希望が第2王子だった。


大陸中央の国としても塩の流通を安定させるために、取り残された貴族派に援助をしていたし、なんとか第2王子を立太子させ次期国王の地位に押し上げられれば、一転して自分達こそが主流派に成れる。

そんな夢のような希望のために色々と問題を起こしていた。


それが今回のゴブリン討伐に繋がる。

貴族派を支援するために結構無理をしていた大陸中央の国は、ゴブリン討伐等必ずやらなければいけない事の手を抜き、その分のお金を回すことにした。

その結果が今回のゴブリンの大増殖で、国内がゴブリンの討伐にかかりきりになる上、今まで貴族派から安定して手に入れていた塩が、貴族派の弱体で手に入りにくくなったりと、ボロボロの状態になってしまったらしい。


そんなボロボロの状態ではゴブリンを押さえることが出来ず、ついには街が落とされる事態に発展したってわけだ。


一方エスト王国の貴族派は、支援も無くなって塩の取引も出来なくなり、おまけに大貴族には逃げられてしまい、こちらもボロボロの状態になっていて、それでも最後に第2王子を勇者として担ぎ、うまくゴブリン討伐の部隊を乗っ取れれば、その力で今の国王を引き摺り落とし第2王子を即位させようとしていた。


計画は他の派閥に知られることもなく、うまくいくと思われたが、そもそも第2王子が乗っ取れるような状況ではなく、相手が悪すぎたため成功することはなくそのまま捕まってしまったと。


こうして貴族派の処罰が今進んでいるのだが、その過程でスタン子爵家は取り潰しになり、本来なら俺もスタン子爵家を名乗ることができなくなったが、この輸送任務にはさっきもあったように貴族を名乗るやつも多く、それなりの家名がないと不便なのと、学院に入る前に作った書類に書かれている内容を利用して、今もスタン子爵家を名乗っているわけだ。


簡単に言ってしまうとその書類に書いてあった、学院を卒業するまではスタン子爵家の貴族籍に残っているわけで、そのスタン子爵家が無くなろうとも、学院に在学している間は貴族であるのは変わらないって事だ。


まぁ屁理屈みたいなもんだ。


今の所王城の方から書類が無効になったとかは言われていないし、貴族家の名前を騙った訳でもないから特に問題はないはずだ。


そんな感じで輸送任務を続けているし、本隊の方もその方が都合がいいから、きっとこれで良いのだと思う。


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