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第65話 出陣パレード1

翌日に出陣パレードが有るので、グロス達には先に合流しようと総合ギルドで連絡を取り、王都の外で待ち合わせをしていたのだが、総合ギルドの受付で手紙を渡されることになった。


中を確認すると意味がわからないほど過剰に装飾された手紙で、中に書かれていたのは、



ティ・スタン子爵へ


勇者様の出陣の日が決まりました


ついては明日出陣式が行われますので


伝説の装備を着用して勇者様と共に出陣式に出て下さい


またそちらで準備している物資は


勇者様が使わないとのことなので


こちらで別の物に変えておきます


明日迎えに行きますので待つように


追伸:伝説の装備以外は持ち込まないように



意味がわからない。

明日行われるのは2公爵家のものだけだから、勇者とか全く関係ないのだが?

それともまさかとは思うが乗っ取る気なのか?

温厚そうな国王ならまだしも公爵家はそんな甘いものではないのだが…


とりあえず巻き込まれたら物理的に首が飛びそうなので、総合ギルドから侯爵令嬢方やマーブル先生に手紙を送っておき、総合ギルドにも事態の説明をしておく。

それとグロスにも手紙を送りそっちに行けなくなった事と、変な荷物を受け取らないよう指示を出した。


さて俺がここに居るのは向こうにはバレているようだが、はてさてどうしたものか?

グロスのところはまず間違いなく見張られているし、マーブル先生のところや侯爵令嬢方の家も間違いなく見張られているだろう。

なんなら侯爵令嬢の方には別の見張りが居るだろうから、向こうへ行っても何も意味はない。


とりあえず念の為王都の裏路地を抜けて、見張り役を巻くとしようか。

ちなみにそれなりに治安の良い王都では有るが、よく知りもしないのに裏路地なんかに入ったら、まず間違いなくまともな人生は歩めなくなってしまう。

だから良い子は真似しちゃダメだぞ。


途中絡んでくる怪しげな人達に関しては華麗にスルーを決めて、あっちからこっちへと受け流しつつ路地を爆走していく。

そうしてついた先は場末の宿屋だったりする。

ここに来たのは追っ手を撒くためでも有るけど、ちょっとした小細工をして追っ手の目をくらませるためでも有る。


まず途中で引っ掛けた女の子にお金を渡しつつ、俺の来ていた服を着てもらって適当に歩いてもらう。

一応危険があるかもしれないと伝えたが、そもそもこういった話は危険込みだから、ある程度は覚悟していたらしい。

その分お礼は盛っておいたけどね。


それで宿に入ったら部屋を取ってお着替えタイム。


髪も切ってしまえばよそから見る限り男の子になれる。


まぁこの辺では普通の事なので直ぐにバレてしまいそうな気もするけど、貴族やその関係者にとってはあり得ない行為だから、すぐにはバレないだろう。

折角肩くらいまで伸びた髪をバッサリ行くのはちょっと気になったけど、命には変えられないからしょうがないね。


という訳で俺は男の子に見える服装で街に出た。

と言ってもちょっと先にある大通り沿いの宿屋に向かうだけだけどね。

大通り沿いの宿屋についたら、適当に部屋を取って前払いをしてという工程を、3箇所ほど行ってから一本通りを挟んだ宿に部屋を取る。

これで大概ののやつには見つからないはずだ。


とりあえず部屋で明日のパレードの時間まで待って、先に取っておいた大通り沿いの部屋に戻って、パレードを眺めるとしようかな?




翌日大通り沿いの部屋に向かって歩いていたら、


「マーブル様から伝言です。それではまだ足りないから次からはもっと気をつけなさい。との事でした」


と、なんでも無いかのように平民の格好をした、リサさんに捕まってしまったのだった。

あれだけ動いたのにも関わらず、マーブル先生には全く足りなかったってことか…

それでも他に言われないって事は、教会の関係者は撒けていたのかな?

それはとりあえず置いて、リサさんが案内してくれるようなのでついていくと、王城前の広場に面した商家の一室に案内された。


「待っていたわティちゃん。なかなか面白い考えだったけど本物はそれでは足りなかったみたいね。それにしても髪をそんなに切らなくても良かったのではないかしら?」

「申し訳ございません先生。私としてはここまでやれば大丈夫だと思ったのですが…」

「まぁ良いわ。この後他にもゲストが来る予定だから、お茶でも飲んで待っていましょ」


そうしてしばらく待っていると遠くから行進曲が聞こえ始める。

パレードが始まったらしい。

マーブル先生が聞いたのだが今回のパレードの一部には、ハンナを通してレレのデザインが採用されているらしい。

薄い本関連でないと良いのだが…


そうして待っているとリサさんが扉の前に移動した。

俺もマーブル先生も扉を見ていると軽いノックの音がする。

おそらくはそのノックの音が符丁だったのだろう。

リサさんが恭しく扉を開けると、平民の格好をした侯爵令嬢達がやってきた。


「マーブル様お誘いいただきまして感謝いたしますわ。侯爵家と言えども本日のパレードを秘密裏に見られる場所の確保は、流石に難しかったので助かりましたわ」

「ティちゃんの事もありますからお気になさらないで下さい。それで大丈夫でしたかしら?」

「はい。それなりに対策してきましたから、こちらが見つかる可能性は低いかと思います」


見張り役を何処かで撒いてきたのかな?

これで俺が知っている勇者の家来候補が全員ここに揃ったのだが、これでも勇者の出陣式を行うのだろうか?

本来なら俺達はここに居るべきではなく、もっと離れた場所で結果だけ聞いていたほうが良いのだけど、自分が巻き込まれた事件の結果をこの目で見たいと思い、こうして集まっているわけだ。


行進曲がだんだん近づいてきている。


失敗が目に見えているけど勇者には出てきてもらいたいところだ。


なんて思いつつも、可能性はとても低いものながら、公爵家の誰かが勇者だったらどうしようとも考えている。

その場合はあのエロ装備を考えたのが公爵家ということになり、下手をすれば俺達はあれを着なくてはいけなくなってしまう…


あれだけはいやだあれだけはいやだあれだけはいやだ…


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