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第62話 波乱4

しばらく意味がわからなくて悩んでいたのだが、突然寮監さんが叫び顔を真赤にして、手で隠してキャーキャー言っている。

結構良いお年の方なのだが一体どうしたのだろう?

寮監さんの視線をたどってみるとひもを見ているようだ。

ひもを広げてみると何かどこかで見たような?


「…ッ」


今まで気づかなかったのが不思議なくらい、それがなにかわかってしまった。

全く何考えてんだあの馬鹿司祭!

こんな物を着てパレードに出ろと!

こんな物を着る位なら下着のほうがまだマシだ!

いや下着でパレードに出たりしないけどね。


「そうそうティさん貴方急いでいたのでは?それについてはとりあえず後で良いと思うわ」


おっとそうだった。

こんな物に気を取られている場合ではない。

寮監さんには謝ってすぐにマーブル先生のお屋敷に向かった。




「ティちゃん。私のところに来たということはもう話は聞いているのよね?」

「はい。それとおかしなことも有りましたのでそのご報告もあります」


とりあえず俺の知っている事情をマーブル先生に話していく。

ゴブリン討伐部隊が無謀な作戦で全滅したこと、王国騎士団がこっちに来ていたゴブリンを殲滅したこと、そして勇者の家来とやらに指名されて変なものを送られたことを、全部とりあえず話していったのだが、


「勇者ね?私にもちょっとわからないわ何が目的なのかしら?一応その手紙を見せてもらえるかしら?」


箱ごとマーブル先生に渡すと、静かに手紙を読み始めた。

しばらくすると裏側を見たり箱をひっくり返したりしているが、やがてひもの様な物を取り出して自分の胸に当てて「あらあらまぁまぁ」なんて言ってたりしている。


「流石に神光聖声教会のことはよくわからないのだけど、この手紙はおかしいわね。それにこのひも?も伝説の装備と言うには新しいように見えるわ。こんなおかしいことをして一体何が狙いなのかしらね?」


そうだ。

手紙の内容もひももおかしい所でいっぱいなんだが、俺が大人しく従う理由がないし、何よりこんな物捨ててしまえばそれまでなんだが?


「ところでねティちゃん。これ一度着てみたらどうかしら?なにか分かるかもしれないわよ」


なんて笑いながら進めてきたりする。

いやいや流石にこんなの着ないよ?前世の時こんなの着た女の子がいたら、喜んじゃうと思うけど流石に着る方にはなりたくない。

一応背は低いもののスタイルはそれほど悪くはないと思うし、顔も普通くらいには見れると思うのだが、それとこれを着るのは全くの別問題だ。

胸はそれほど大きくないとは言え、こう両手のひらを当ててみるとつかめる位は有るから、前世で言うCカップくらいは有るんじゃないだろうか?それでこんなひもを付けたらすぐにずれてしまうじゃないか。

下の方もこれではほとんど隠せていないし…


「奥様。只今ホルドラン侯爵令嬢様より至急の使者が参りました。こちらにお通しいたしますか?」


おっと馬鹿なことを考えていたら、執事さんが来たことに気付いていなかった。

慌ててひもを隠しながらマーブル先生にうなずいておく。

しかし隠さなくても良かったのか?これは俺のという訳でもないし?でもなんか見られるのは違うか?


「ご歓談の最中に申し訳ございません。本日は急な訪問を受け入れて頂きありがとうございます。急なことですがメリル様から至急のご相談が有るとのことで、お二方はこの後ご用事が有りませんでしたら、私と一緒にホルドラン侯爵家へ起こし頂けないでしょうか?」


随分急な呼び出しだな?一体何があったというのか?

マーブル先生もって事は結構重要な話なんだろうが…


「わかりました。少し支度もありますから、1時間後にそちらに伺うという事でよろしいかしら?」


と、マーブル先生が伝えすぐに準備にうつった。

今回は急ぎとのことなので前にお茶会で着た濃い青のシンプルなドレスを着て、ホルドラン侯爵家へ向かうことにした。




侯爵家へ着くと挨拶もそこそこに奥の応接室ではなく、ホルドラン侯爵令嬢の応接室へと案内された。

個別に応接室が有るなんてやはり侯爵ともなると違うもんだな。


「今回は建前はさておきさっそく本題に入りますね」


ホルドラン侯爵令嬢が珍しく怒っている。

他にもいつもの2人が同席しているけど、二人共なにか怒っているように見えるのだが?


不思議に思っていると無言で箱を出してきた。

どこかでよく見た下品な箱だ。


「ティさん。貴方にも届いたと思いますが私達にも届きました。これについて相談したいと思いまして、急いで呼ばせてもらいました」


出された箱は各人一つずつで全部同じような下品な程装飾されている。

違いは大きさだ。

俺のはひもだったせいかかなり小さい箱だったが、目の前に有る3つの箱はかなりの大きさになっていた。


マーブル先生が確認を取るように周りを見渡して、ゆっくりとホルドラン侯爵令嬢の出した箱を開けると、そこにあったのは青い布地の服で、一見すると俺の時のようなおかしなものではなかった。

だが広げてみたら分かるのだが、これは前世で言う所の全身タイツみたいなもののようだ。

ホルドラン侯爵令嬢はかなりスタイルが良く胸もそこそこ有るから、これを着たら体のラインどころか色々とわかってしまいそうだ。

生地は薄く伸び縮みするようで多分体にフィットするだろう。


ランドレイ侯爵令嬢は背が高くホルドラン侯爵令嬢に比べてスレンダーなスタイルだが、出てきたのはいわゆる赤いビキニアーマーだった。

正直俺のよりかはマシな気もしないでもないが、胸の部分のアーマーが大きめに作られているのが屈辱的だったようで、その部分についての文句が凄まじかった。


レイポルド侯爵令嬢は俺よりは身長が有るのだが、かなり細めなスタイルをしていて普段からフリル多めの服を着ている。

そんな彼女に渡された服は、頭のおかしい人が作ったとしか思えない、チャイナドレス風の衣装になっていた。

ただでさえ股下数センチしか無いのにスリットが深いってレベルでは無く入っていて、おヘソを通り越してめくれてしまいそうで、上部分も背中側が何も無くなんとも言えない服になっている。


一応ここまで見てしまったら俺も見せないわけにも行かないので、念の為に持ってきていた箱を開けてみせると、最初はやはり意味がわからないようで首を傾げていたが、マーブル先生が黙って自分の胸に当てたことで、手で顔を隠しながらキャーキャー言うようになった。


これを作って送ってきたやつは一体どんなやつなんだろう…


とりあえず犯人がわかったら簀巻きにしてゴブリンの前に置きに行きたいと思う。


もしくはナメクジに舐めてもらおうか…


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