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第51話 協力体制3

お菓子を食べながら2人と談笑しているように見せて、周囲の様子を観察しているのだが、皆何か情報がないかと探っているのが分かる。


高位貴族はそれが顕著で、ダンスホールの真ん中あたりに集まり、周囲に視線を配りながら、仲間内だけでなるべく固まって行動していて、下位貴族の方は少し様子が違い、お菓子の方に集中しながらも、耳は周りの話を拾っているようだ。


俺のようなあまり裕福でない貴族は、こういったお菓子等めったに見れるものではないので、どうしてもお菓子の有る壁際周辺に集まっているのだが、そこは流石に貴族といった感じで、さり気なく取り分けて持っていったり、これが美味しかった等言い、他の人のために取っていると見せかけて持っていったりと、なかなか芸が細かい。


中には手品のような技で、誰にも気づかれないように持っていく者もいるが、お皿のお菓子を全部持っていくのはやりすぎだと思う。

俺でなきゃ見逃していたかも知れない。


ちなみにこの世界のお菓子の殆どは、甘さマシマシの焼き菓子が主流で、生菓子のような物もあるにはあるが、そういった物はもっと内向きのパーティーで出されるもので、今回の場合には果物とかも並べられては居ない。

洗浄魔法が有るとは言え、ドレスを汚してしまったら、大変だからだろう。


おっと話がだいぶそれた。


高位貴族と下位貴族の様子は話したが、それらに属しないグループもあって、そいつらはその両方のグループの間を、行ったり来たりして情報収集をしているようだ。


そう思って全体を観察していたのだが、全く違う動きのグループがいくつか有ることに気付いた。


高位貴族のグループなのだが、貴族派の一部と中立派の一部で、特に動きを見せていない。

あそこのグループは?

貴族派の第2王子に近いグループかな?

中立派の方は、ホルドラン侯爵令嬢に近いグループかな?


まぁこれでわかったことも有る。

つまり、ここに居る大部分の貴族は、何が起こるかわからないってことだ。

それならば話が早い。

おそらく最後の入場者が入り、ある程度落ち着くまでは、動きは見せないのだろうし、ここで情報収集していても、殆ど情報は得られないのなら、


「レレ、ハンナ、これも美味しそうだよ」

「本当だ。あ、こっちはどうだろう?」

「うーんさっきのも良かったけど、こっちもなかなか」


とりあえず今を楽しむべきだね。




そうやってお菓子を堪能していると、視界の端で王子が壇上に上がるのが見えた。

ついに状況が動くのか?

気付いた者たちが周りに注意を促し、途端に周囲が静かになった。


「皆揃ったようなので、プロムナード(仮)の開会を宣言する。貴族としての節度をもって楽しんでくれ」


あれ?普通に始めるのか?


「とは言え、皆も疑問に思っているのだろう。なぜ?どうして?と。先に疑問に答えたいと思う」


あ、やっぱりなにか有るのか。


「この会場には、貴族の風上にも置けない者達がいる。レイポルド・ホルドラン・ランドレイ姿を見せろ!」


王子は突然声を強め、家名だけを呼ぶという暴挙に出た。

当然呼ばれた3人に注目が集まり、壇上の王子と3人の間に人垣で出来た道が作られた。

その道を3人は堂々と進むのだが、ホルドラン侯爵令嬢がちらっとこっちを見てきた。


うん?なんだろう?他の2人もチラチラこっちを見ている?

よく見ると道を挟んで反対側の人垣には、元婚約者ズの姿も見える。

あれ?これって、こっち側は俺に任せましたよって事か?


さっと横を見ると、レレとハンナは何かを察したのか、ススススーッと俺から離れていった。

ええええ!なにこれ!

何の関係もない俺がいきなり巻き込まれたぞ!

無視しても良いのだが、これは何かしらの動きを見せないと後が怖そうだし、この前の件もあるから断りにくいぞ。

くっそ王子め。これってあれだろ?あのパターンなんだろ?


3人が静かに道を進み、壇上の王子の前に着くと、


「この者達は高位貴族であり、俺様の婚約者でもありながら、学院で陰湿なイジメや不正を行っていた。よって、婚約を破棄し貴族籍の剥奪を行う」


ざわざわざわざわ


俺は周囲が驚きと諦めと好奇心に支配されている間に、人垣を抜けて最前列まで移動してきた。

やっぱりあれか、婚約破棄騒動物の真似事だったか。


だけど、これ落とし所とか、ちゃんと考えているんだろうな?

婚約者とか言っちゃってるけど、婚約者候補の間違いなんだし、それに不正の証拠とかって、ちゃんとあるんだろうな?

この時点でグダグダ感が半端ないのだが、


「俺様の言葉に反論もできないか!罪を認めて自らこの場を去るのならばじ」

「お待ち下さい殿下。我々3人は殿下のおっしゃられた事、何一つ身に覚えがございません。反論を認めていただきましたようですので、今ここで反論したいと思います」


王子の言葉を途中で遮ることになってしまったが、毅然とした態度でレイポルド侯爵令嬢が、一歩前に進み話しだした。


しかし、何か流れがおかしくないか?


このプロムナード(仮)の発案者は王子で、準備したのは侯爵令嬢3人組だ。

この流れを考えるなら、この場で婚約者候補から外すって話だと思うけど、何で反論しているのだ?

その辺の協力体制が出来ていたはずなのでは?


意味がわからないまま、とりあえず周囲に気を配る。

特に王子の側近連中が、少し気配がおかしいから、常に視界に入るように。


壇上を見ると、いつの間にか5人の女が王子の後ろに控えていた。


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