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第19話 後片付け1

朝起きたら、全員酔いつぶれて使い物にならなかった。


なんてこともなく、皆淡々と出発の準備をしていた。


ふと黒焦げの山を見ると、白いなにかが這い回っているのが見える。

ナメクジのような掃除屋さんが来ているらしい。

黒焦げになっても来るとは凄い奴らだ。


そんな事を考えながら朝食を取摂って、出発の準備をしていく。




帰りは特に問題もおきず、来た道を帰るだけだし、荷物も若干減っているから、ナメクジもこころなしか速い。

そうしてなんとか無事に街まで帰ってくることが出来た。


こんかいの討伐では、多少怪我した者が出た程度で、被害と言える被害は一切無く。

おまけにゴブリンは全滅させることが出来たため、戦果としては上々だ。


エルダー伯爵に報告する時も、堂々と報告できる内容だったと言える。


まぁ直接俺が報告をするわけでは無いのだが。




やっと家に帰ってきたのだが、色々と片付けなくてはいけない。


着いてそうそうグロスに指示を出す。


「皆お疲れ様。今回は特に被害もなくて良かった。取り敢えず荷物をおろして、一休みしてくれ。その後は各隊長からの指示を待ってくれ。では解散。

グロス一休みしてからで良いから、今回使った物の片付けと、使った金額の報告をお願い。それと留守の間の報告もよろしく。俺はその間に自室で報告書を書いているから。それが終わったら俺は、マーブル先生のところに行ってくる」


ざっと指示を出した後、自室で書類作成のお仕事だ。

定形用紙が有るので、迷わず済むのはありがたいのだが、エルダー伯爵宛と総合ギルド宛で、二通用意しなくてはならない。

本当は俺ではなく当主が書くものだが、当主は今回の討伐には参加していないし、何より手柄を横取りされたりしたら嫌だから、俺がこのまま書いて提出させてもらう。


書類が書き終わってもグロスはまだ来なかった。まぁ結構お願いしたからな。


この後はマーブル先生のところに行くし、一回シャワーでも浴びてくるとしよう。



サービスショット(8歳児だけど湯気が仕事しているよ)



ふぅ。何やら湯気が頑張ったような気がするが、まぁ忘れよう。


本来俺の立場なら、こういった時はメイドさんが現れて、ふさわしい格好を用意してくれるものだが、俺には専属のメイドさんどころか、着替えを手伝ってくれる人も居ないから、さっさと一人で準備する。


マーブル先生の屋敷に向かう途中で、ちょうどなにか指示を出していたグロスを見つけたので、


「グロス取り敢えず先に、マーブル先生の所に行ってくる。報告書のチェックと色々と話したいことも有るから。何かあったら向こうに声かけて」


と、ひと声かけておく。報連相は大事だからね。


そうして、マーブル線の屋敷に向かうのだが、気が重くなっていくのを感じる。


こっちからの用事は大したものではないのだけど、マーブル先生から受ける報告は、色々と重すぎる。


まず不正取引があった件については、正直俺にはわからない。そもそも子爵家はそんな裕福な感じでもなかったし、もし不正取引に関わっていたなら、もっと金回りが良かったはず。だから執事が実家の隠れ蓑に使っていた気がするが、押さえた書類でそれが確かめられなかったら、子爵家も同罪になっていしまう。

そして、執事の不正についてだが、おそらくはあの二重帳簿で解明は出来るはず。出来れば執事の実家に、不正分を出させられれば、余裕が出来るはずなのだが。

折角ゴブリンの討伐を成功させても、そっち次第では路上生活まっしぐらだ。

他の使用人達の絡みとか、借金の事とか色々あったし、あーもうクズのせいで、ゆっくり出来ないよ。


そんな事を考えつつ、マーブル先生のお屋敷につくと、


「お待ちしておりました。奥様がお待ちです。どうぞ奥へお進み下さい」


なんて執事さんが待っていて、奥に通してくれた。


うちにもこんな執事さんが居てくれたら、もっと楽ができるのにな。



ずっと毎日のようにあっていたので、なにか久しぶりにあったような気もするが、マーブル先生はいつものように、笑って迎えてくれた。


「そう。じゃあ大成功だったのね。あら?この豪華な箱というのは何かしら?なるほど。それは後で確認が必要そうね。

エルダー伯爵宛の報告書は、こことここの言い回しを変えたほうが良いわ。ほかはこのままで良いわ。総合ギルド宛の方はこれで大丈夫よ」


報告書を見てもらっていたのだが、なんとか及第点は貰えたようだ。


「さてと、まだ色々と忙しいだろうから、早速こっちの報告をしちゃいますね」


なんて、にこやかな笑顔で話し始めた。


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