7話 両親の思惑を……ぶっ壊す!
マミーから魔法を習い始めて少し経った。
回復魔法をすぐに覚えたことで調子に乗っていた俺だが、なんと、火魔法と水魔法の適正が無かったのだ。
適正があったのは風と土と回復魔法だけだった。因みに回復は白魔法に分類されている。
それでも、属性の適正は無かったものの、元々魔法への適正はあったので、火や水も簡単な魔法なら習得できるようであった。指先に火を灯したり、少量の水を出せる程度だったが、使えないよりはマシだと思う。
とまあ、色んな魔法を教えてもらっていることから分かる通り、実はこのマミー。回復魔法だけでなく全属性の魔法を使えるらしい。
………じゃあ、俺も遺伝とかでちゃんと使えても良かったんじゃないの………? と滅茶苦茶落ち込んでいる俺に、マミーが慈愛の眼差しで話し掛けてくれた。しかし……
「回復魔法。それに加え、2属性も魔法が使えるのは凄いことなのよ?」
正直慰めになってないよマミー。心にグサグサ刺さるよ。マミーが言うと嫌味になっちゃうよ。
と、思ったのだが、そんなことを口に出すわけにはいかず、「うん」と言うしかなかった。
ちなみに、この1ヶ月で俺が覚えた魔法は下の通りである 【()内は効果】
回復魔法 Lv1 レスト (擦り傷程度の傷)
Lv2 キュア (打撲)
Lv3 チャージ (スタミナ)
風魔法 Lv1 ウィンドブレス (風)
Lv2 ウィンドフィールド (周囲に風)
Lv3 ウィンドカッター (弱い真空刃)
土魔法 Lv1 ソイルクリエイト (土)(産み出せる量はMPに依存)
Lv2 クレイ (狭い範囲の土を粘土状にする)
Lv3 クレイガン (地面から弾丸を生み出して発射)(地面がない場合、ソイルクリエイトでも応用可能)
火魔法 Lv1 ライト (小さな炎で狭い範囲を照らす)(攻撃力はほぼ皆無)
水魔法 Lv1 クリエイトウォーター (水)(産み出せる量はMPに依存)
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さて! 今日も今日とて魔法の自主練である。
Lv3までは覚えることが出来たものの、Lv4からが存外難しいのだ。
マミー曰く、魔法は全てLv10まであり、戦闘に実用性があるのはLv4かららしい。
『まあ、使わせるようなことにはマミーとパピーが絶対にさせないから安心してね』などと、不穏なことを言っていたが。
………なんかウチの親って過保護過ぎないだろうか。パピーなんて、俺が転んだだけなのに
『メルっ、大丈夫かメルっ! すぐにマミーに回復魔法をかけてもらおうな? Lv9のパーフェクトヒールだ。……クソっ、俺も魔法が使えれば………』
『あ、ありがとう……』
親になるってこういうことなんだな(悟り)
それはそうと、Lv4だ。
出来そうなのだが、あとちょっとのところで失敗してしまう。そのちょっとが何か分からないのがとてももどかしい。
マミーもアドバイスをくれるけど、それでも成功の兆しは見えなかった。
もうちょっと詠唱に力を入れて見るか。今以上に意味を噛み締めて。
……ん? ちょっと待てよ。こんな風に詠唱することだけに力入れてたら、魔法打つ前に敵にやられちゃったりしないか?
でも、マミーだって『もっと力を込めて』って言っていたんだし、詠唱に力を入れるのが正解だとは思うんだけどな……
まぁ、減るものじゃないし、1回だけ力を抜いてやってみるか。
「…………」
出来ちゃった。
どういうことなのか、マミーに聞いてやろう。
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はい、マミーです。今、最愛の娘に叱られています。絶賛正座中です。
「ねえ、マミー。なんで嘘おしえたの?」
笑顔が怖いですメル………
いつもの天使に戻ってぇぇぇ!
「ご、ごめんなさい。メルがもしLv4以上の魔法を覚えちゃったら、将来冒険に行くって言い出さないか不安になってきて…………」
「で、嘘を?」
「………はい。ごめんなさいマミーは反省してます」
もう親としての威厳がゼロだった。
そして、その威厳が無くなった私の隣には、とある人物がDO☆GE☆ZAをしていた。
「で、これはパピーがてーあんしたの?」
「………はい、そうです。俺が……………パピーが提案しました。メルを、危険な目に合わせたくなかったんです」
「うれしいけど、その気づかいで、めるはかなしい。すきだったマミーとパピーに嘘つかれて………」
『好きだった』にトゲがあるような気がします。いや、寧ろトゲしかありません。痛いです。
「すまん! メル!これからはメルのためになんでもする!」
もうマミーパピー共に親の威厳がありません。
「………わかった。ゆるしましゅ……っ………!?」
「「きゃわわ」」
噛んでいたのが可愛かった。
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言い過ぎたかもしれない。パピーなんて、何でもするって言ってたし。
でもまあ、これでもう嘘を教えられることは無いと思う。
まだ2才4ヶ月だ。時間はある。




