表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、なんか、流されるように生きている  作者: 豚煮豚


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/334

57 フレイデルさまー

 

「えー! オレもあれが良い!!」

「ごめんなさい。アレは危ないからダメなんです……」

「アイツだけズルい! (なに)あれカッコいい!!」

「大変だ……」


 王様に頼みに行くはずが、大臣からカエデさんの仕事の手伝いをしていいと会ってからすぐに言われた。

 なので今日は最初の予定とは違い、外に出て、子守をすることになっている……なにがあったんだ……


「アナタたち。もしフレイデルに何かあったら……分かってるんでしょうね」


 乳母(うば)のマリアさんが王子のフレイデルが怪我しないように見張ってる。


「はい。すみません……」


 カエデさんが疲れてた理由が分かるなぁ。これは精神がすり減る。早いことフレイデルくんを試練(しれん)に合格させちゃおう。


「こうして構えてみて?」

「えー、あのアキラ? が持ってるやつがいいんだけど」

「弓矢もカッコいいじゃん。ダメ?」

「だってそれ光ってんじゃん。この弓は安いやつでしょ?」

「でも、コレ危ないよ? 下手したら腕とか切れちゃったりしてさ?」

「コラ! 変なこと言うんじゃありません!」

「あ、すみません……」


 マリアさん、めっちゃこぇ。やっていけるのか俺が不安になってきちゃったよ。


「オレやんないよ。だって普通はまだやらないんでしょ?」

「そうみたいだね。でもいいじゃん? ダメ?」

「聞いたけど、辞めたいからなんでしょ?」

「えっ? 誰から聞いたの?」

「城のみんなから」


 王子の情報網(じょうほうもう)(あなど)っていたな。これは相当な強敵かもしれない。

 日中、高く太陽が(のぼ)った空に視線をやる。将来、俺にも子供とか出来んのかな。そうなったらいい父親になれないかも……


「……フレイデルさま?」

「オレのこと嫌いになったんでしょ? ならオレもいうこと聞かないよ?」

「嫌いになったわけじゃないんです! あの……」

「帰る! ここ暑いよ」


 どうしたらいいかわからない……子供って難しいし、王子様となるともうわけわからない。まさか試練に挑戦する大分前で(つまず)くことになるなんて。


「アナタたち、なんのために仕事頼んでるか分かってるの?」

「はい。すみません……」

「私は弓が苦手なの。アナタたちが教えられないなら誰が教えるのよ?」

「すみません。俺もまだ慣れてなくて……」

「言い訳はどうでもいいの。とにかく、ちゃんとしなさいよ!」

「「はい……」」


 その場に残された俺たちは、ただただ立ち尽くしてしまっていた。これ無理だな……いや、なんとかしないと。


「あの、私も帰ります! すみません!」

「謝らないで。えっと……もうちょっとだけ待ってて。なんとかするから……」

「ありがとうございます! 夜ご飯、用意していただけるとありがたいです」

「もちろん! それぐらいならやるよ」


 あの感じだとカエデさん以外でも出来る仕事のような気もするけどな。だって弓を教えるなら城に他にも上手い人いそうだし……もしかしたら乳母のマリアさんに耐えられる人が今までほとんど居なかったのかな。


 俺はやることがなくなってしまったので、気分転換にドラゴンを狩ることにした。最近だとこれが一番楽しい。


(大変そうだな。大丈夫か?)

「まぁ、なんとかするしかないよ。あのまま何年もこの仕事を続けられるわけがないし」

(ふん。そんなこともないんじゃないか?)

「え? あんな大変な仕事、もう辞めた方が良くない?」

(アイツはどう思ってるのか、お前には分かるのか?)

「……とにかく今の仕事を続けるにしても、もうちょっと環境っていうか、色々変えていかないとダメだ」

(それはそうだな。まぁ、精々(せいぜい)頑張れよ)


 その後はドラゴンを次々と大剣や魔法で倒していく。慣れると魔法も便利なもので、遠距離に衝撃を飛ばしたりして、攻撃の(はば)が一気に増えた。


 なんだっけ? 王子様のフレデリー? だっけ? あの子にも魔法覚えさせてみようかな。でも乳母さんがいる限りそんなこと出来なさそうだ。

 うわぁ、ホントに難しい。どうやって解決しよ。


 ドラゴンを倒しながらも、次に王子と特訓するときのことを考える。これが上手くいけばカエデさんは俺たちと一緒に冒険に出られるようになるんだ。


 もう夕暮れ時になってきたので、言われた通り、夜ご飯を二人分作るべく、街で食材を買いに帰る。

 何が食べたいとかあるのかな。好きな食べ物すら俺は知らないけど、食べられないものとかないよね? そもそも俺はそこそこしか料理やんないから人に振る舞うこと自体が怖い。


 街の市場で彩り豊かな野菜や果物などを見漁る。なんかいいのないかな。


「お、あんちゃん! これ買ってかないか!?」

「じゃあ、買います」

「そこのカッコいい人! これはどうだい?」

「うーん。買ってみます」

「アキラくんじゃないか! 最近頑張ってるし、ウチの食材で精を付けなよ! 買っていくだろ?」

「……買います」


 俺がお金持ちだということは街のみんなが知ってる。そしてそこそこ食べるということも、買い物を断れないということも最近バレてきてる。

 なので暇つぶしにここを歩くと荷車(にぐるま)が必要になるぐらい沢山のものを買わされるのだ。買ってるのは自分なんだけど……


(お前、バカか?)

「かもしれない……今度からハヤトに頼もうかな……」

(買い物をか?)

「ハヤトも忙しいか。俺が断れるようになればいいだね」


 そういえば俺って断るの苦手だな。親方とか大臣にめちゃくちゃのことされてるけど、ちゃんと断れたらこんなことになってなかったはず……

 まぁ、今んとこ、ここの生活も悪くないからいいか。


 野菜と肉を煮込み、スープを作る。食材が多すぎて、シンプルな料理は作れなかった。

 カエデさんの帰りを待ちながら、果物や野菜を生でバクバク食べていた。



読んでいただきありがとうございました!


よろしければ下の☆マークからの評価などもよろしくお願いします!


ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ