異世界人 その後
「エドワード! 生きていたのか!」
「お前も元気そうだな」
彼らと別れ、ボロボロになってしまった村に戻っていくとエドワードがみなを引き連れて歩いていた。
「……レイとかいうやつは、どうした?」
「……もう戻ってこないそうだ……あれだけ素晴らしい力を持っているのに……」
「ん? 素晴らしい? 何を言ってるんだ?」
エドワードが不愉快そうな顔でこちらを睨みつける。
「これだけの被害が出ているんだぞ! どうしてそんなものを素晴らしいなどと言えるのだ!!」
「彼のお陰でドラゴンから身を守れたんじゃないか!」
「……あの地獄のような光景を作り出したのもアイツだろ?」
「……それも私たちを守るためじゃないか!」
「では聞くぞ? お前の村の人間のどれほどが焼け爛れた皮膚になった? どれほどの人間の脚は動かなくなった? そして! 何人死んだんだ?」
「……」
その質問に私は答えることが出来なかった。
「魔法などは悪魔の力だ。お前も二度と魔法の話などするなよ」
「……魔法を使えばすぐにでも元の生活に戻れるはずだ」
「そして、またすぐさっきのような地獄をみることになるんだろ?」
言葉が喉をつっかえて出てこない。なぜなら恐怖に顔をひきつらせる村のみんなの顔を見てしまったからだ。
「これからは、このエドワード・ステイクリフトがみなを平和へと導いていく……お前も協力してくれるか?」
「……もちろんだ。エドワード」
……教えてくれ、誰か。彼の……レイ君のやったことは間違っていたのか?……
今は彼がどこかで生きていることを願うことしか、私には出来なかった。
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