表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/334

43 魔法戦闘

 

 俺たちがドラゴン退治で有名になってから街の人達からフライパンなどの調理器具や、軽い防具などを頼まれることも増えていたのだが、断ってしまうこともしばしばって感じだった。


「よし。その鉄を半分に折ってくれるか?」

「はい!」


 溶鉱炉(ようこうろ)で作った金属の板を魔法で半分に折る。前までは近くで火を焚き、その熱で加工したい部分を温めなければならなかったが、今では魔法で簡単に加工できる。


「ふぅ……出来た。しかし疲れたな、今日はひとまず休憩にしようか?」

「そうですね。魔法って結構体力使うんですね」


 今作った包丁の()に布を巻いて、納品用の棚に置いておく。この世界では意外に包丁が珍しい、みんなドラゴンの爪やら歯やらを加工して食材を切っているからだ。

 加工の仕方にもよるが、基本的に切れ味は包丁の方が良いのでウチの人気商品の一つだ。


 こうして働いているが実はお金は死ぬほど持ってる。そこで包丁やら防具を売り付けるのは、みんなが剣を使うようになるという親方の野望の為なのだ。

 俺はその野望に付き合わされてるだけ。まぁ、仕事ってそんなもんだよな……


「そういえば、明後日辺りに洞窟に行ってみたいんだが大丈夫か?」

「あ、ドラゴン倒しに行くんですね。大丈夫です」

「今回は少人数で行動する予定だ。おそらく四人ぐらいだな」

「洞窟ですもんね」

「よし! ならば仕事に戻るとするか」


 洞窟の中にデカイドラゴンがいるらしい。そんな噂も今じゃ懐かしいなぁ。

 いや、俺なんで倒しに行くとか言っちゃったんだ……見るだけだったはずなのに……


 休み時間も終わり、仕事に戻ってからとあることを思い出した。


「あ、そういえば洞窟にドラゴンいないらしいですよ?」

「なに?本当か?」

「スティーに聞いたんですけど、デカいドラゴンなんて見たことないらしいです」

「そうか……まぁ、それを確かめるためにも明後日行こうじゃないか!」


 確かにスティーが気付かなかっただけってこともあるかもしれない……いや、魔力が見えるスティーがドラゴンに気付かないとかあるか?


 仕事を終えるといつものように暇になる。最近だとみんな忙しそうで俺だけは暇だ。暇だー!

 ちょっと外に出ようかな。明後日は洞窟探検もあることだし、それに戦闘の中で魔法を使うみたいなことも試してみたい。


「こんにちは。鎧借りていきますね」

「分かった。気を付けろよ?」

「ちょっとだけなんで大丈夫ですよ」

「あ、そういえば頭も作ったから着けていってみたらどうだ?」


 頭を守る為のヘルメットみたいな防具も増えていた。(かぶ)ると視界の上の方で防具が少し光っている。逆に戦いづらいそうな気もする……けど、まぁ慣れるだろ。

 大剣を背中に背負ってフル装備になると何処(どこ)かから声が聞こえてきた。


(我の(うろこ)か?)

「はい。そうですよ」

「ん? 何だ?」

「いや、話しかけてきてくれたんで……」

(お前が作ったのか?)

「あぁ、そうだ」

(中々やるな)

「……だろう? うん。中々良いだろ?」


 親方は冷静を(よそお)っているがきっと内心死ぬほど嬉しいと思う。結局、作った防具とかを褒められるのが一番嬉しいみたいだ。それの為に仕事をしているところもあるだろうな……


「じゃ行ってきまーす」

「いってらっしゃい!」


 そんな感じで外に出ていった。

 森の中をしばらく歩くと飛ぶタイプのドラゴンの群れに遭遇(そうぐう)する。せっかくなので魔法を使おうと思ったが、実際どうしたらいいんだろ?

 どんなイメージでドラゴンに攻撃を与えたら良いんだ? なんでも出来すぎて迷っちゃうなぁ。

 まだ向こうはこちらに気付いてないので、そのままじっくり考えていると話しかけられた。


(何してるんだ? 殺さないのか?)

「せっかくなんで魔法使おうと思ったんですけど、何したら良いんだろうなぁって思って……」

(殺すならなんでも良いだろ。それとも俺の前では殺しづらいか?)

「あ、そっか……そうですよね……」

(殺される方が悪いんだ。そうだろ?)


 そう思っているならありがたい。ドラゴンを倒せなくなったら俺の存在意義(そんざいいぎ)が薄れてしまう。

 話していたせいでドラゴンの群れに気付かれてしまった。飛んでしまうと面倒なので、何か飛行を邪魔するようなものをイメージした方がいいな……


 木と木の間に糸を()る、その数を増やしてネットでドラゴンを中に閉じ込める。これで出られないはずだ。

 異変に気付いて遠くへ飛び立とうとするドラゴンがネットにぶち当たる。糸がシュルシュルと(ほど)け、そのまま空へ飛んでいってしまった。


「あれ? ダメだったな……」


 ションボリしつつもこちらに向かってきたドラゴンを数匹倒した。何がダメだったんだろう……


(失敗したな)

「うん。どうしたら良かったんだろ」

(そんなこと聞くな。我には魔法は使えん)

「そうなの? 魔力があるなら出来るんじゃない?」

(我らは魔力を(たくわ)えることが出来るだけだ)

「でも、俺が魔法使うときに協力してくれてるんでしょ?」

(我は許可しているだけだ。後はお前が勝手に使っている)


 トカゲのドラゴンと話を……てか名前とかあるのかな? トカゲのドラゴンってずっと言ってるの変だし。


「そういえばなんて呼んだら良い? 名前とか知らないからさ」

(名前などない。なんとでも呼べば良い)

「えー。俺そういうの苦手だよ」


 名前か、結構責任重大というか、何百年も生きてて名前ないってなんで?


「えー。じゃあ、思いついたらで良い?」

(いつでも良いぞ。我には関係ないからな)


 関係ないこともないと思うけど……まぁいいや、なんかいい感じの名前の思いついたら付けよ。






こんにちは!


読んでいただきありがとうございました!


よろしければ下の☆マークから評価等もお願いします!


ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ