異世界人8
目が覚めると昼になっていた。外に出て飛んでいたドラゴンを殺して食べる。やっぱ生の方が良いかも。
「あ! 起きたんですね? ちょっと隊長のところに来てみてくれませんか?」
「はいはい」
案内された家の中に入るとフータが寝てた。全然元気そうじゃん。
「何? なんで?」
「いや! もうすぐで二日ですよ!? 丸二日寝てるってヤバイですよ!」
「そんなに寝てるんだ。でも元気そうじゃん」
「絶対ドラゴンを食べたからですよ! やっぱり良くないんだ……」
「ほら、脈もあるよ」
医者じゃないから細かいことは分からないけど、首に手を当てると血が流れてる証拠に脈がある。つまり生きてる。
……フータが起きたらもう帰ろう。スティーも話しかけてこなくなっちゃったし。
「起こせばいいの? ホントに?」
「はい! 起こしてください!」
「はぁ……あんまりそんなことしたくないんだけどなぁ」
でもどうやって起こせば良いんだ? 普通に揺らしたら起きるかな?
体を揺さぶっても中々起きない。確かにこれはちょっと心配するかも……ははは!
「……起きないね」
「だから言ったじゃないですか!」
「君は食べ物とか取ってきてくれる? 俺がやっとくから」
「信頼して良いんですか?」
「ダメだったら殺していいよ」
「いや! そんなことしないですよ!」
魔法使える俺の方が強いはずだからフータが起きなくてもなんとかなるはず。殺されかけたら殺してやろう。
フータを起こせば良いだけなんだけどね。
「スティーいる?」
『おう! 久しぶりだな!』
「どうやって起こせばいい?」
『どうせすぐ起きるぞ。ほっとけ!』
「だよねぇ……ちなみに魔力ってどうやってみんの?」
『お前には無理だよ! 俺たちだけの特権だ!』
「ふーん」
俺の分の食事も用意してくれてるかな。小腹が減った。
「……うぅ」
「お、起きた」
『殺されなくて済んで良かったな?』
「はは。殺されるつもりなんて最初からないよ」
「君、確か……レイ君だな?」
「はい。大丈夫ですか?」
「あぁ、だが空腹で動けないんだ……」
「もうすぐご飯来ますよ」
ちょうどいいタイミングでさっきの人が来た。抱えた籠を見る限り俺の分はない。それに野菜や果物ばっかりで俺は好きくない。やっぱ帰ろ!
「あ! 隊長!」
「……おぉ! それは私に?」
「はい! ドンドン食べてください!」
「それじゃ俺はここで失礼しますね」
「あ! ありがとうございました! 疑うようなこと言って申し訳ないです」
家の扉を開けようとした時、フータに声をかけられた。
「君! もう少しここに居てみないかね?」
「……また遊びに来ますよ。道は覚えたんで」
「私も君のところに遊びに行ってもいいかな?」
「まぁ……良いですよ。それじゃ」
街の外に出ていったところで、スティーに話しかけられた。
『いいのか? お前の住処教えてないだろ?』
「まぁ、そういうことだな」
『なんだよ! せっかく面白そうな奴だったのに!』
「他がつまんないからな。プラマイゼロだ」
『……なんでもいいけどよぉ、またいつもの生活に戻るのか?』
「……フータにだけは教えてやっても良かったかもな」
『後で俺が言っとこうか?』
「じゃあ頼むわ」
草原を歩きながらこの世界のことに思いを馳せた。
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