異世界人3
そんな日々にも慣れたある日、火をつけようと石を擦ろうとした時、不思議なことが起こった。
「あれ?……今、火着いた?」
いつも通り石をぶつけようとしていると、ぶつける前に火花が散っているのが見えた。そこをじっと眺めてると今度はホントに火花が散った。
「うお! なんだこれ!」
魔法みたいで楽しくなってしばらくやっていたがある時急に出来なくなった……それと一緒にお腹が減った……
「もう作るか……」
草をかき集めたところに両手で石をぶつける。いつもはこれで散るはずの火花がなぜか散らない……
お腹が減ってちゃんと石をぶつけられてないのかもしれない……そんな風に考えたので近くの茂みに落ちてた硬い木の実をボリボリと食べた。
もう一度石をぶつけて火花を散らせる。草に火が移って大きな火が着いた。
さっき殺したドラゴンをそこに放り込むと一時間より少ないぐらいの時間を待った。
待っている間も石を使わず火花を散らせようと頑張ってみたが全然出来ない。それにやればやるほどお腹が減っていく感覚があったので、もうやめた。
出来上がったドラゴンの丸焼きを丸ごと食べる。内臓は後でもう一度火を通してから食べるとお腹を壊しにくいことが分かった。
満腹になると眠くなるのは今までと変わらない。一眠りする前に空に向かって火花を散らした。
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