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146 怖い一面

 

 やっぱり空は少し怖い……それでも帰るためには、ドラゴンに乗らなければならないのだ。

 リアシーさんは気絶してて羨ましい。そんなことないか。


「いつ頃着きますかね。明日?」

「それぐらいだね。今日は晴れてるから迷うこともないだろうしさ」


 案外近いんだよな。ドラゴンに乗れば、普通に遊びへ来れそうな距離。まぁ、一回野宿しないといけないのがめんどくさいけど。でも、気合入れたら一人でも来れるかな。


 火山郡の中に入って行くと、急激に辺りが暑くなってくる。はぁ……汗が……

 しかも、たまぁにマグマが冷えて石になったやつが、飛んでくる。マジで危ない。

 マグマの勢いが強いし、全身に熱風(ねっぷう)が吹いてくる。はぁ……やっぱり一人で来るのはやめようかな、危ないし。

 太陽の傾きからして、お昼も相当過ぎてる。本当に明日帰れるのかな?


 無事、怪我もなく火山を抜けたときに、空はオレンジ色になっていた。このままどこかで、野宿でもするんだろうか?

 大臣は口を開かない。もう腰に巻きつけた縄のせいで全身バキバキなんだが。


「あの! 大臣!」

「ん? どうしたの?」

「ここら辺で野宿する場所探しませんか?」

「んー。いいけどそうなると明日は早朝の出発になるよ?」

「えー……」


 出来ればどこかで休みたいけど、早朝からって言うのも嫌だな……え、もしかして疲れてるのって俺だけなの? みんなまだまだ進める?

 大臣とカエデさんはまだ余裕があるように見える。エラさんがどうなのかだよなぁ。辛そうにも見えるし、まだまだ行けそうな雰囲気もある。


「後少しだけ進んでみます?」

「ははは! そうだね」


 どうせ、もうすぐ夜になるんだし、もうちょいだけ頑張ろう。そんな感じで火山を抜けてから空が真っ暗になるまで空を飛び続けた。


 ちょうど良さそうな広場があったので、そこにみんなで降りる。

 はぁ……もう全身がヤバイ。腕を上に伸ばして大きく深呼吸をすると、全身からバキバキという関節の音が聞こえてくる。疲れたぁ。

 一応、荷物の中に食べ物が入っているから狩りに行く必要はない。それでも焚火を付けたり、寝るところを確保したりなど、やらないといけないことは多い。


「……う、うぅん。ここは……」

「あ」


 やらないといけないことが増えた。

 リアシーさんが不思議そうに辺りを見渡す。しばらくして状況を理解すると、こちらに向かって明らかな敵意を持って話しかけてきた。当たり前だけど。


「ふざけるな!」

「いや、あの、えー……」

「はは、おはよう。別に僕たちは君に危害を加えるつもりはないよ。それにちゃんと会いたい人には会わせてあげる」

「ウソをつくな! こんなことをする連中を信頼出来るわけがない!」

「……うん。それなら良いこと教えてあげようか?」


 こっわ。口調は優しいけどなんかどこか怖さがある。

 実際、リアシーさんは身の危険を感じたみたいで、逃げ出そうと森の中へゆっくり走って行く。


「捕まえてきて」

「え?」

「あ、君じゃないよ。ははは」


 大臣がそういうと、ドラゴン達はリアシーさんに向かって飛び付いていく。怪我しない? 大丈夫?

 ドラゴンが上にのし掛かってることで立ち上がれなくなったリアシーさんの元に、大臣が歩み寄って行く。こわ。


「今の見た? ドラゴンが僕の指示を聞いたの分かった?」

「……」

「見たよね? さっき言った良いことっていうのは、ドラゴンに言葉が通じるってこと。そんな生き物他にいる? 君のいう通りドラゴンて特別な存在なんだよ」


 え? そっち? 大臣もそっち派の人だったの? それにしてはドラゴン殺しまくってる気もするけど、なんだ?


「ならどうしてあんなことを?」

「ドラゴンと話してみたら分かるんじゃない? もし話したいなら明日寄り道するけど」

「話す?」

「疑っても良いよ。明日になれば分かるんだしさ」


 結局大臣はどうするんだ? てか、マジでなんの為にここまでしてリアシーさんを説得させようとしてるんだ?

 明日? 明日ドラゴンと話す…………うーん……あぁ、まさかレイのとこ行くのかな。山の頂上に住んでるドラゴンのレイ。

 もう訳わからなくなってきたところで、リアシーの拘束(こうそく)()かれて、みんなで寝る支度をすることになった。空気はとっても重たい。


(なんか暗いね……私こういうの苦手なんだけど)

「……」


 無言で首を縦に振る。はぁ……せっかくもうすぐでセントラルに帰れるっていうのに……喧嘩みたいになっちゃって気まずいぃ。


 ただの布を布団にして寝ようと試みる。どうにも寝れないので、魔法で疲れることにした。

 みんなを起こさないように静かに森の中へ消えて行く。ふぅ……風がちょっと吹いてて気持ちいい。


(寝れないの?)

「寝れない。でも魔法使えばすぐだから」

(そっか。でもそのままじゃダメだよ)

「え?」

(契約したら疲れないから。いつかはね)

「……はい」


 契約したら睡眠薬的に魔法を使うことも出来なくなるのか。それは不便。てか、魔法で自分を寝かせることって出来んのかな? ちょっと試してみるか。

 そのまま魔法を使わず来た道を戻る。コソコソと自分の布団に戻ると、自分が眠るようなイメージで魔法を使った。


 うーーん……



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