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139 色んな国

 

 その後リアシーさんと分かれた。また再会出来る様に細かい家の場所も教えてもらえたので、帰る、正確な日程とかが決まったら連絡しに行こう。

 そうなると本格的にやることが無くなってしまった。お世話にもなったし、大臣の手伝いでもしようかな? 俺でもなにかやれることあるでしょ?


「ないね。ははは!」

「え? ホントになんでもいいんで手伝いますよ?」

「手伝えることなんてないよ。だってもう準備は終わってるし」

「え? ならなんでまだここに?」

「僕にもここでやりたいことがあるんだよ。ははは!」


 ちょっと意外だ。ドラゴンの巣以外に、この街に興味がないのかと思ってた。


「なにをやるんですか?」

「色々ね? ははは!」

「教えてはくれないんですか?」

「ははは! ごめんね? もう時間がないんだよ。じゃあね?」


 大臣は手を振りながら家から出て行った。一体なにをするつもりなんだろう……

 手伝いをするつもりだったのでまたまた暇になってしまう。うーん……せっかくだし、魔法でも練習しようかな。


 わざわざ外に出るのは少し面倒だったので、家の中で堂々と魔法を使う。例え見られたとしても今は問題がない。

 幸い今はエラさんも、カエデさんも居ないので好きなように出来るし。

 適当に剣を作り出してみる。ただ作ってる途中で、剣を作るのは危ないことに気付いたので、樽に変えた。


(何してるの?)

「魔法の練習……あ、そういえば大臣からなんの話された?」

(あぁ……もうずっと質問攻め。疲れちゃったよ)

「おつかれさま。そういう人だから」


 もしかしたらエリーになにかを聞いたから用事が出来たのかもな。どんなこと聞いたんだろ? 流石にそこまで立ち入るのも悪いか。


「……今、大臣がどこにいるとか分かるの?」

(分かるよ?)

「あぁ……そうなんだぁ……」


 聞きたい……聞いたいけど、大臣も聞かれたくない様子だったよ? ここで盗み聞きみたいなことするのもどうなんだ?

 てか、今までルドリーはみんなの行動分かってたんだ。みんなに話しかけられるなら当たり前かもだけど。


「あ! ルドリー。一つ良い?」

(なんだ?)

「親方って今元気か分かる?」

(分からない。アイツはもう契約したからな)

(え! もうしてる人いるの?)

「契約すると分からなくなるんだね。もう親方とは話せない?」

(そうだな。もう前のようには話せない)


 となると契約出来るドラゴンは一人につき一匹だけなのか。俺がルドリーと契約したらエリーとかとも話せなくなる。うーんなんかなぁ……そこまでの決断が出来ない……


 しかも親方が今どうしてるのか分からない。まぁ、グェールと契約してるから大丈夫だろうけど。ちょびっとだけ心配。ルイスくんとめちゃくちゃ喧嘩してたらどうしよ。


 みんな何してんだろうなぁ。もうすぐ帰るってなると謎にホームシック。


「そろそろ大臣も帰ってくるころかな?」

(今日は多分、帰ってこないよ?)

「あ、そうなの? え?」

(だって今、草原に居るから。ドラゴンに乗って)

「……え?」

(私が別の国の話したからかな。草原の先に沢山あるよって)

「沢山あるの?」

(うん。国同士の繋がりもあるから。ここと君のとことはちょっと違うね)


 なるほどぉ。それなら大臣が用事あるって言い出した理由も分かるなぁ。てか、普通に連れて行ってくれても良かったのに。


「どんな国?」

(色んな国があるよ? 砂漠だらけの国とか、雪? が降ってるとことか、霧でなんも見えないとことか。他にも沢山ある。港もあるし)

「霧? てか、港ってことは海あるの?」

(あるよ。海、見たことある? 綺麗だよ)

「そっか……」


 俺ですらワクワクして来た。この衝動を、大臣が我慢出来るわけがないな。

 反対すると思って声をかけてくれなかったのかな……はぁ……俺も行きたいよぉ。実際反対するだろうけどさぁ……


「まぁ、もう行っちゃったからしょうがないか」

(追いかけたら?)

「もうそんなに体力残ってないよ。今、普通に眠たいし……」

(そっか。それならしょうがないね)


 しょうがないので寝ていると買い物を終えたエラさんと、カエデさんが家に帰ってきた。二人は大臣が旅に出たこと知ってるのかな?

 でもエリーさんから聞いたって言うのはちょっとズルい気もする。どうしよ。


「あ、おかえり」

「ただいま帰りました!」

「そういえばさ、大臣と話した?」

「話したって言うと? どういうですか?」

「今後の予定とか……」


 随分遠回しな言い方だなぁ。もっと直接言えば良いじゃん!


「私は聞きましたよー。エリーさんの情報が正しいのかを確かめに草原の先を見てくるらしいです」

「あ、言ってたんだ」

「だから今日は帰ってこないらしいです。そして帰ってきたらもうセントラルに行ってしまうみたいです。少しは休んでからでしょうけどね。その先の予定はまだ分かりません」

「ありがとう……分かった」


 エラさんに言ったならなんで俺には隠したんだ! またなんか言われると思ったのかな? 実際なんか言うからなぁ……この癖はもしかしたら直さないといけないのかも。いや! 頑張って直そう。でも、なんでもかんでも受け入れてたら大変なことにならない?


 大変なことになったとしても良い! そんな気持ちで生きていくことにしよう……頑張ろう……


 おそらく明日には忘れているであろう決意を胸に抱いた。


読んでいただきありがとうございました!


よろしければ下の☆マークから評価等よろしくお願いします!


ありがとうございます!

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