表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/334

104 村で気持ちの整理

 

 空を飛んでいると直線距離で移動出来るので速い。

 馬よりもドラゴンの方が速いのもある。もしかしたら日帰りで村に行けるかもな。


「こっちの方向であってる?」

「はい! ここからでも遠くに草原が見えますよ! ほら!」

「初めて会った場所?」

「そうです!」


 懐かしいなぁ。てか、ドラゴンってホントに早いし便利だなぁ。

 これを街のみんなが使うようになったら、もっと村とかが活性化しそうだな。でもドラゴンに乗るのに抵抗(ていこう)がある人も多そう。


「あ! 村です! 見てください!」

「おぉ! ここまで早かったね!」

「そうですね! みんな元気にしてるかな……」

「これさ! どっかでドラゴン下ろしてから村行った方が良くない!? みんな驚いちゃうよ!」

「確かに! そうですね! 人気のないところで着地しましょう!」


 村が見えてきたので、もうドラゴンから降りる。もし狩りをしている人に見つかったら大変なので、人が来ないようなところに着陸した。


「ここからは歩きだね。道はこっちで合ってるかな?」

「大丈夫ですよ! 私には見慣れた場所なので、ご案内します!」


 カエデさんには着いていくと村の人たちの声や物音がしてきた。いやぁ、びっくりするだろうな。馬車の音もしなかっただろうから。


「あの! こんにちは !カエデです!」

「えー、ど! どうしてカエデがここに居るんだい! しかも、村の裏から入ってくるなんて、え!?」

「驚かせちゃってすみません……ちょっと挨拶に来ました」


 相当驚いた様子の村の女性は大きな声で他のみんなを呼んできた。いつも通りって感じだ。そんなにここに詳しくないけれども…….


「俺はちょっとおばあさんのところに行ってくるよ」

「私も、みなさんとのお話が終わったら行きますね」


 カエデさんとみんなの再会をわざわざ邪魔する必要はない。この村におばあさんのお墓とかがあるのかは知らないけど、思い出を辿ることでお墓参りになればいいなぁと。


 カエデさんの周りにはみんなが集まっている。その中に入り込まなかった人におばあさんのお墓の場所を聞くと、村の裏手(うらて)の方にあると教えてくれた。


 そこに歩いていくといくつもの十字の形をしたお墓が建っている。……キリスト教?

 その中にサクラと書かれたネームプレートを見つけた。ここがおばあさんのお墓かぁ……


「あの子を守ってあげてね……」

(どうした?)

「そう言われたんだよ。カエデさんを守ってって」

(だからお前は一緒に居るのか?)

「いや、それだけじゃないよ」


 ちゃんと手を合わせて、約束をする。

 絶対守ります! 安心しててください!


 これから未知の場所へと進んでいく俺たちに力を貸してくれたらありがたい。


「ちょっと歩く?」

(歩きたいなら歩け)

「確かに……もうちょっとここに居てもいいかな?」

(好きにしろ)


 なんとなく雑草を引き抜いたり、汚れを落としてあげたりしてるとカエデさんがここにもやってきた。


「おつかれ。みんなとは話せた?」

「はい。ちゃんと話せました。これから旅に出ることも」

「そう。俺はもう挨拶終わったからちょっと歩いてくるね」

「はい。少し待っててください」

「ゆっくりしてていいよ。いくらでも待つから」


 村の外を少しブラブラと散歩する。おれも来て良かったなぁ。


「やっと他国行く気持ちの整理がついたわ」

(今まで出来てなかったのか?)

「そりゃそうだよぉ。だっていきなりすぎない?」

(そうだな)

「ちょっとだけ楽しみだね。明後日が来るの」

(その方が良いだろうな。どちらにせよ行くことになるのだから)


 ルドリーと話しているとカエデさんがやってきた。


「話終わった?」

「はい!」

「じゃあ……最後みんなに挨拶したらもう帰る?」

「そうしましょう! 暗くなると危ないですしね」

「俺はドラゴンのところで待ってるからさ」

「え、でも、アキラさんにも会いたがってましたよ?」

「いやぁ、じゃあちょっとだけね」

「はい!」


 顔見せるぐらいだったら問題ないだろう。

 まだお昼といっても良いぐらいの時間だし、今日中にセントラルに戻れそうだな。


「みなさん! ありがとうございました! 出発します!」

「元気でなー!」

「いつでも来てね!」

「みんなで安全を祈ってるからさ! 安心してくれ!」

「ありがとう!」


 もはや見慣れてしまいそうな光景を見ながら、村から出て行った。帰ったらハヤトのとこ行こうかな。お腹空いてきちゃった。


「もう帰ろっか。まだドラゴン待ってくれてるかな?」

「きっと待っててくれてますよ」


 カエデさんの予想通り、ドラゴンはなんでもないようにずっと着地した場所に居続けていた。ホントに頭良いんだなぁ。犬とか猫とかよりも頭良い。飼ったことないから良くわからんけど。

 頑張ればお手ぐらいなら覚えてくれそうだな。覚えさせる意味は分からないけど。


 縄をまたグルグル巻きにして、上空に飛び立つ。

 純粋に風が気持ちいいと思えるぐらいにはドラゴンの飛行にも慣れた。

 このまま元の世界に戻れたりしたら面白いよなぁ。でも軍隊とかに撃ち落とされそう。だってこんなのが飛んでたら怖いし。






読んでいただきありがとうございました!


よろしければ下の☆マークから評価等お願いします!


ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ