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10 決断

 

「はぁ……はぁ、これです! これが見せたかったんです!」


 辿(たど)り着いた場所はおそらくこの街で一番高い丘だった。辺りを見回しても、景色を(さえぎ)るものが何もない。

 もう夕方で日も落ちてきている、そんな中で見たこの街とその周りの自然は素敵だった。


「すごく綺麗な世界だね」

「見てください! あれが私たちの村ですよ!」


 彼女が指差す先に煙が上がっていて、誰かが生活している気配が感じられた。


「もう、大分遅くなっちゃいましたね」


 今から村に帰ったとしても何時(いつ)になるか分からないだろう。

 本当なら今日は泊まっていった方がいいんだろうが、あいにくこの世界には携帯とかがないので心配するだろう。こういうことがこれから増えるかもしれない。


「あぁ、もう少し色んなところを案内したかったんですよ! 本当は……」


 夕方にこれだけ綺麗なら夜はもっと綺麗になるだろうなぁと思った。それをそのまま言ってみる。


「これから多分、星がよく見えるからもう少しここにいようよ、村には明日帰ればいいじゃん。」


 もちろん即答とはいかない、しかし、悩んでいるということは、もしかしたらこの街であの汚い家に泊まってくれるかもしれない。


「あの、すみません、村の人たちの事もあるのでもう少し考えさせてくれませんか?」


 その時、おそらくこのままだとダメだと思い、言いたい事をはっきりと告げる。


「この街で一緒に暮らそうよ!!」


 守ってあげてねと約束された以上は離れる訳にはいかない。もし断られたらどうしようか。


「あの、もし……もしもですよ?」

「もしも、このまま、ずっとこの街で暮らしたいって言ったら、ずっとこの世界にいてくれますか?」


 俺は違う世界の住民だったな。俺が元の世界に戻れる機会があったら、戻ると思っているのか。


 俺も覚悟を決めるしかないだろう。


 やりたい事をやるためには覚悟がいる。


「俺は! この世界から離れることはない。君がいてくれるなら絶対!」

「じゃあ、私がワガママ言っても許してくれますか?」

「もちろん! でも、俺もワガママを言うかもしれないその時はよろしく!」


 もう……笑っとけ!ニコッと口角を上げる。もうよく分からんし。とりあえず笑顔の方が良いはず!


「あの! 私、この街で……あなたと一緒に暮らしたいです!」


 そのまま抱きつく、陽は落ちてしまって辺りには星の灯りしか見えない。


 このまま、ずっと2人で。








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