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#4 ルート分岐が細かすぎる件【脳内選択肢がS宮晴れ日 編】

ゆーき!!!!ねぇゆうき!!


この世界には宇宙人とか未来人とかいるの???


《少年よ、選べ》



《もちろんいる》


《いや僕がそれ》




《さぁ選べ!!!!!》

なんとなく、けだるい感じがする。

どことなく、やるせない。


俺は今何をしているのだろうか。


無意識の中でふと、「自我」を探る自分がいる。





*********




ホワンホワン



「はっ」


また、リセットされている。


「なんだろう、このデジャブ感」


突然覚醒する意識と共に、これから起こり得るであろう事象が目に見える。

奇しくもその行動は今からやろうとすることばかり。

しかし、結末はもう見えてしまっているからその行動を選んだらまたここに返ってくるのかもしれない。



――そう、ここは海のすぐそば、日当たりのよいコテージのベランダ

  ”意識だけは”残っているために、どうしてここで《りすぽうん》するのかは謎だ



「完結に状況を説明すれば、俺は魔の手によって間違った選択を強いられ、物語の展開上、不都合な状況であるとして《たいむりーぷ》したということだ。たぶん」



確証はないが、それに近い形であることはなんとなく分かる。

能力バトルゲーではお馴染みの設定に[成功するまで《たいむりーぷ》する]というものがあるからだ。


いや、正確に言えば、この思考も何ループ目か分からないくらい”体感している”繰り返しがあるのだ。




それらで掴んだ限りの情報量で整理すると、次のようになる。


1、学校に行ってはいけない

2、海パンのままではいけない

3、セーブされる場所は(分かる限りでは)ランダム

4、時限は日没まで、もしくは処刑されるまで



ここにはないけれど、一番肝心なのは、この世界の俺は【主人公と定義されたオトコノコ】に憑依する形で存在していること。

正直、これを導くのは大変だったよ。でも、残念ながらセーブされることはなかった。


「記憶だけは次元を飛び越えるけど、状態は引き継がれないのかもしれないな……それならどうして酒は」


考えても仕方がない。

今はそれより時間が惜しかったんだった。



「さて、これからどうしますか?????」


ここにはいない”誰か”に問いかけてみる。



**********




【PC画面】―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

  (字幕):『向かうなら』

        A:コテージ

        B:森

        C:学校

        D:海

      ▶ E:どこへもいかない


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「あー、何やってんだ僕。ギャルゲやってるはずなのに、どうしておっさん(※本人より若い:皮肉)が目の前にいるんだよ……」



20回目くらいの死亡状況とルート選択の仕方を、すっかりデータらしくなった集計ソフトに入力する。


「えっと……死亡時刻:推定17時半、死因:溺死、ルート:海➡……➡脱出を試みる➡溺れる、か」


なんだかなぁ

このゲームって、どんなゲームだったんだ?

おじさんの脱獄ー30日間の死闘ーみたいなタイトルだったっけ……なわけあるか


一種の自我崩壊に陥って、コーヒーを一気飲みする。

喉を通る感触が、堪らなく心地いい。


「酸味の利いたコーヒーは眠気覚ましにいいんだっけ……」


眠気がゆっくりと近づいてくる気がしてきた。


寝袋を敷いて、目覚ましをセット。

エアコンもタイマー付けて、PC電源オフ。

トイレに行く。


「よし、寝よう」


寝袋に足の方がらするっと入って、最後に電気を消す。



「むにゃむにゃ。もーあきた……このゲームう……グカァ」




*********



天の声が聞こえない。

初回ぶりの、自由行動ということか。


少しばかり気持ちが昂る。


「それにしてもどこへいけばいいのか……」



考えてみることにした。



***

(数時間後)



先程整理した情報から、一つの考えを導く。

答えはこうだ。


「まず海パンをセーブポイントと思われる場所に脱ぎ捨てる」


そう、まずは裸になる。


「次に、海、森、繁華街の順で”捕まるように”行動する」


自爆するということ。


「そしたら、恐らくは《りすぽうん》して次回はパンツ二枚で攻略できるはずだ!!!」


これを繰り返せば何とかなるだろう。


そう信じて、地平線に沈みゆく太陽を見つめた。


■■:「ご覧くださってありがとう」

悠葵:「滑り込みだからって適当すぎますよ」


作者:「いや、まぁ、うん、、、すまない!!!」


悠葵:「そういえば、今回のタイトルって……まさか」

■■:「ハハハ、露骨がすぎるな。『俺の脳内選択肢……』と『涼宮はる…… グフォ」


作者:「君はまだキーマンになったらいけない。少し御黙りよ??? さ、切り替えて――」


三人:「次回、『ルート分岐が細かすぎる件 【ソード・A・お蔵入り 編】』です、乞うご期待」


悠葵:「これもまた『ソード・アー グフォッ」

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