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自分で入れたコーヒーより自販の缶コーヒーの方が美味いよね

うっわおれかっこいいー。やべぇよ!ほんとやべぇよ!とか思ったのも一瞬。なんで班決め如きであいつらがあそこまで必死になってるかとか正直どうでもいいけどやらかしたかも。取れるところで指輪取っとかないと俺即死ルートな気がするんだよねぇ…

「あんたの意思は聞いてないわ。さっさとこっちへ来なさい。」

いっちいちムカつくやつだなぁ…話す機会あったら(ないけど)今思ったこと言ってやる。絶対に。

「で?何すればいいんだ?チャンスって?配布企画?指輪は3つしかないのに?馬鹿だろ」

俺は苛立ちを覚えつつ言った。馬鹿らしい。

「いいえ。そんなに世の中甘くないわ。そうねぇ…私に飲み物を持ってきなさい。いちばん私に合うものを選んできた奴にあげるわ。」

元から「決めていた」という顔をしながら発言した澤村はとてつもなく腹立たしいツラをしていた。こうなったら俺に出来る最善の仕返しを…

「今から30分!スタート!」

俺の思考を遮るスタートの合図。それと共に全員が移動を始める。ただただなす術もなく立ち尽くす俺。

「どうしたの?行かないの?」

挑発的な態度に流石に苛立ちつい、

「ハッ、お前なんかに飲み物なんか持ってきてやるかよバーカ!てめえに渡すものなんか最後に適当に決めればいいんだよ!」

そう言い捨て出ていってしまった。あぁ…やらかしたなぁ…まぁいいや、あいつが普段飲んでたミルクティーでも持ってってやるか、嫌がらせで。

喧騒に包まれる教室を抜け出し、自販機を目指していると目の前に見知った顔が出てきた。

「大和さん…?なんでここに」

「あなたなら確実にここに来る、そう踏んでいました。」

「偶然だろ…」

「いや、そんなことは無いですよ?そんな遠くで話してないでこちらへ…」

少し不審感を感じながら近づいてみると向こうがこちらに接近してきた。なんだ?と思っていると手を掴まれ、

「…あなたがミルクティーのゴミを大量に捨てる人物を見つけたにも関わらず状況を鑑みて敢えて話しかけなかった。その一部始終を私は見ていました。指輪の話をされた時1つはあなたに渡そう、私はそう決めていました。それでは」

手の中には彼女のものであると思われる指輪が収まっていた。…………当初の嫌がらせに変更点はない。

_____30分後_____

「さぁ、みんな私に合う飲み物は見つけた?じゃあテイスティングといこうかしら…」

やはり苛立つ奴だ。こいつには目の前で恥をかかせて…って大和さん…なんでそこに?あの後会ってないはず…なのに?あれぇ…?と、下らないことで時間を過ごしていたらいつの間にか俺の番が来ていたらしい。横には飲みかけの色々な飲み物がある。種類はよく知らないけど紅茶が多めだな…

「ほら、これで充分だろ?これでも飲んで肩の力抜いて普段みたいに本でも読んでろよ、澤村サン?」

物凄い煽りを入れてミルクティーを渡した。周りの勝ちを確信した目と侮蔑と嘲笑の入り交じった嫌な笑いが聞こえてくる。不愉快だ。

「……私のこと……見ていてくれる人っていたんだ……私って……指輪のためなんかにいるんじゃないんだよね……?」

俺に問われた訳ではないだろうが周りが返さないから俺が返してやった。

「どうかな?そういう封にしか見てない奴もいるかもな。少なくとも俺はお前が無理してキャラ作ってる可哀想な奴にしか見えなかったよ。」

「……………………………あげる。あんたにあげるわ。」

「いらない。お前からは貰わないって宣言したよな?」

「貰ってほしいの。私の存在を……私を見てくれたのは、あなただけだったから……」

周りの奴はデキレースだの指輪貰えないならいいだの口々に好きなことを言って散っていった、こいつの言っていることが少しだけわかった気がする。

「……はぁ。ありがたく貰っとくよ。ありがとな」

_____夜_____

なんやかんやで自分の指輪は残り二つ……だと思ったらあの2人が部屋に来て俺の指輪を貰ったから俺はもう交換ができない。諦めだな…、とその時、電子生徒手帳が震えた。メールか?と思いつつ開くと

『この度はK(キング)クラス決定おめでとうございます。あなたは王子でないのに姫と全ての指輪を交換しました。それによりKクラスが決定しました。』

……は?

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