義父母と鬼嫁のドリフな毎日~のど飴編~
義父は慢性の気管支ぜんそくで、しょっちゅう痰が絡む。時と場合を選ばず「カ~、ペッペッ」とティッシュに痰を吐くさまに、同居開始当初は家族一同面食らった。1年経った今でこそ多少は慣れたが、食事時にやられると子どもたちはどうしても食欲が減退してしまうようだ。
先日、おやつののど飴がなくなったため、買いに出かけた。義母と陳列棚を見ていると、「たんきり飴」なるものが目に留まった。「これ、お父さまにぴったりじゃないですか?」「そうやねぇ。買うてみようか。」
さっそく試し舐めした義父に、義母が尋ねる。「どうけ、痰からむ飴。」――「だめだこりゃ。」
これ以上痰が絡んでどうするのだ。義父の答えも「な~ん、変わらん。」――再び「だめだこりゃ。」
飴の効果もさっぱり、2人のやりとりもさっぱり。思わず痰よりも縁を切りたくなる鬼嫁であった。