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なんか勝手にキャラが動いてるんですが。

おかしいな・・・もっと戦闘しまくりな内容にしようとしたはずなんですが。

しばらく盛り上がったところでアシュじいが顎鬚をしごきながら


「名残惜しいが、ワシもこう見えて忙しくての。そろそろ戻るとしよう」


「そっか。また暇な時にでも!」


「ホッホ、わかったよユウ坊。それではの」


盛り上がっている内にアシュじいからはユウ坊と呼ばれるようになっていた。

周りは驚いていたが、なんだか死んだ爺様を思い出して懐かしい。

そのせいか中身が30過ぎのおっさんに向かってあの見た目でそう言われると抵抗もない。


アシュじいは淡く光りながら消えていった。光り方まで優しげだ。誰かとは違うよね。

誰とは言いませんがね。


「そうそう、こっからユウ坊真面目な話。オレの加護なんだけどさ~」


シュヴェアートがなんか話しかけてきた。

おまえがユウ坊っていうな。

なんか心の底から舌打ちしたい。チッッ!!!あ、出ちゃった。


「やたら鋭い舌打ち!?待てって!本当に真面目な話なんだってば!」


「・・・・・・なに?」


「間が長くね!?・・・まぁいいや。よくないけどいいや。オレの加護なんだけどさ~、加護の内容を考えて欲しいんだよ」


「加護(笑)の?」


「そうそう!面白そうだから祝福したのはいいんだけどよ~、ユウってばオレの加護をぜんっぜん受け入れねーもんだから無効になってんのよ」


「加護(笑)だからなぁ・・・んー」


「あとさ、こっちはまぁ個人的な興味なんだけどな?お前さんの世界にはステータスっていう概念は無いんだよな?その割に随分とすんなり受け入れてたからよ~」


「あぁ、現実にステータスがあるわけじゃなかったな。その代わりにゲームとかでは結構あったし、物語?小説って言葉はあるかな・・・?まぁそれにも色々なジャンルがあって、ファンタジー物っていうのには結構出てきたぞ?異世界に飛ばされて~なんて物語もあったし」


「マジで!?ゲームっていうのは遊戯の事か?すげぇな地球!魔法ねぇのにどうやって考えてんだ?」


「ん~?強いていえば空想?オレが知る限りでは魔法はなかったけど全く使えない分、夢があって憧れるっていうのもあるんじゃないか?」


「ほ~。空想ねぇ・・・。したらよ~、今のステータスでコレあると便利!みてーなのってあるか?」


ほぅ?シュヴェアートのくせに真面目な顔してんな・・・。

なんか癪だけど。

あると便利ねぇ・・・。


「んー、そしたら地球にあったゲームのシステムかな。まずゲームによるけど、レベルアップしたりスキルアップしたり称号得たりと変化があった場合にインフォメーションが流れたりするな」


「インフォメーション?」


「ん・・・まぁ頭の中にレベルが上がりました。とか流れる感じかな?それから、自分でレベルアップ毎に得られるポイントをスキルとか身体能力に振ったりするのもあった。あとは、踏破した場所を表示するミニマップ機能があったりとか・・・所詮ゲームっていっちゃあそうだけど、プレイヤーがあまりにもやり辛いとゲーム買ってもらえないしな」


「なるほどな~、購買意欲を高める工夫なわけか。インフォメーションはおもしれーな。ポイント振る云々はムリっぽいな~、地図も厳しい。ステータスカードにそこまでの機能はねーし。あくまで表示するだけだからな」


ほうほう?インフォが流れるようになったらスキル上げとかしやすいかもな。

一々戦闘毎に確認する手間が省けるし。

ステータスカードが表示だけってのは初めて聞いたが、それだけでも十分だろう。

ミニマップだの何だのは微妙っちゃ微妙だしな。

少なくてもオレはその手のサービス過剰なシステムはすぐ飽きてしまう。


「よっし。決めた!情報くれたお礼にさらにパワーアップした祝福をやるぜ!」


「すいません。やめてください」


「急に敬語!?そんなに嫌なのっ!?」


嫌に決まっている。(笑)が(爆)とかになったらどうする・・・。


「それ・・・いいな」


「いらねぇよ!?フリじゃねぇからな!まともなやつにしてくれよ!」


「お?受け入れる気になったな?そいじゃ・・・ホイッ!」


ホイッ!ってあんた・・・物凄く有り難みがない。

呆れている間にサクッと発動したらしく体が一瞬光ってすぐに元に戻った。


「おーし!きっついのかけといたからよ!」


「言い方がおかしい!くっそ・・・」


確認しとくか・・・ステータス!



---ステータス---

個体名:ユウ・ミサキ

種族:ヒューマン

年齢:18才3ヶ月

職業:中間管理職くろうにん、(剣士職開放)(格闘士職開放)(狩人職開放)(斥候職開放)(斧士職開放)(盾職開放)(商人職開放)(鍛冶職開放)(医療職開放)


レベル:10

生命力:575/575

魔力量:300/300


力 :C+

体力:B

器用:A

敏捷:C+

魔力:E

知力:D+

精神:A

運 :C


ースキルー


”アクティブスキル”

軽盾術5、鎚術5、剣術7、短剣術5、刀術6、斧術8、棒術4、槍術4、杖術5、拳闘術4、蹴撃術5、投げ技3、関節技3、投擲術6、弓術5、手当6


生活魔法MAX


”パッシブスキル”

防御8、足捌き5、ステップ4、持久走5、軽業4、地図2、方向感覚3、サバイバル5、部隊指揮3、指導3、登攀2、魔力操作2



ストレス耐性6

毒耐性5、精神耐性5、耐寒1、耐暑1


”生産系スキル”

釣り3、料理3、鍛冶2、木工2、皮革2、機械操作1


”ユニークスキル”

早熟MAX、器用貧乏9、アルマトゥーラ言語MAX、インフォメーション※体験版


”祝福”

ズィッヒェルの加護(特)、シュベアートの加護(愛)new


”称号”

苦労人、胃痛の友(笑)、器用貧乏、神認定お人好し、異世界より来る者、2柱の中級神の強き加護を得し者new、神の弟子、耐える者、森の狩人、戦闘狂い







加護(愛)・・・。


「・・・・・・」


「どうよ?いい加護ついぺぶっ!?」


「死にさらせやああああああああああ」


シュヴェアート(阿呆)に全力のコークスクリューブローを放った。

ゴキィ!という良い音と共に奴の顔面に拳が突き刺さる。


奴はなぜかいい笑顔でサムズアップ。そのまま崩れ落ちた。

ピクピクしていて死にかけのGを彷彿とさせる・・・。

なんか殴っておいてなんだけど神でもダメージ負うんだな。


「シュヴェアート・・・加護で遊ぶな。ユウ、今後はレベルアップやスキルアップの際にインフォメーションとやらが流れるようになったと思う。しばらく体験してみて良さそうであれば本格的に実装するからな」


「ズィッヒェル・・・それ・・・オレのせり・・ふ」


「寝てろ。ミーネ、今までご苦労だったな。もっとも、それなりに楽しんでいたようだが」


「ええ、ズィッヒェル様。楽しませていただきました。弟子も出来ましたし、ね」


「それはなによりだ。そうそう、ユウ。私の加護は強めにかけたせいかまだ発現していないようだ。魂に定着するのに時間がかかるようだな。どういう形で出るのかは私にも分からないが・・・ユウの望む形になるはずだ。もうしばらくしたら分かると思う。楽しみにしててくれ」


「なるほど・・・わかった!ありがとうエルさん」


「表示はおかしいが、これでも中級神だ。シュヴェアートの加護も強力なものになるだろう。力に溺れないようにな」


「大丈夫。シュヴェアートの加護に呑まれたら末代までの恥だからね。しっかり制御してみせるよ」


「ちょっとまったぁ!色々ツッコミたいが放っておいたらこのまま終わりそうだ!オレの加護は成長率アップだ!他の奴より経験値を得られるはずだ!たぶん!不老やら不死やらは流石にズィッヒェルの領分だから効果はねーけどな!強くなれると思うぜ~?いい加護だろ?だろ?」


「成長率アップ?・・・・悔しい。極めて残念ながら・・・くっ・・・ありがたいな」


「そんなにお礼言い辛いの!?もっと素直になろうぜ!?」


「チッ!」


「舌打ちした!?祝福した人間に舌打ちされたの初めてだよ!」


「いいから黙ってろ。ユウ、それではまた会おう。シュヴェアートいくぞ」


そう言って綺麗にまとめると何やら喚いているシュヴェアートを引きずって消えていった。

オレ?途中から聞いてない。

しかし流石エルさん。空気を読んでくれたらしい。


さて、と。

消えたエルさんに向かって軽く頭を下げた後、改めてミーネと向かい合った。


「それじゃ、私もいくわね」


「ああ!待っててくれよな!」


「ふふ、気長に待つわね。それと言っておくけれど、戦闘中に熱くなり過ぎないこと。体は熱く頭は冷静に、よ。武器のメンテナンスもしっかりやること。それから・・・」


「お母さんん!?ミーネ、大丈夫だよ!」


「そう・・・?まだ言い足りないんだけど。・・・それじゃあまたね」


なんだか最後が東京に就職した息子を見送る田舎の母親みたいだったが・・・ミーネも笑って消えていった。

はぁ、これは意地でも期待に答えなきゃな。


静かになった祭壇に向けて最後にもう一度お辞儀をすると、オレは部屋を出た。

うっし!感傷タイム終わり!ギルドで初依頼受けるぞー!


頬を叩いて気合を入れた後、神官に鍵を返してから神殿を出た。

まだ昼前だ。依頼をこなす時間はあるだろう。


と、そこで大事なことを忘れているのに気がついて反転。

・・・転職するの忘れてた・・・てへ。



受付の神官にもう転職する方法を確認すると、転職の間というところに案内された。

ここも個室になっていて、集中して転職出来るらしい。

ステータスを確認するとやたら職業が開放されているようだ。

開放された職業になれるらしいな。


選べるのは剣士、格闘士、狩人、斥候、斧士、盾職、商人、鍛冶、医療だな。

定番の剣士もいいけど一番スキルレベルの高い斧士もいい。

森で暮らしていただけに狩人もイメージは出来る。

討伐関係では役に立ちそうだ。


パーティを組むようであれば盾職も重要だろう。

斥候なら早期警戒や罠の解除なんかも覚えられそうだが。



ふむ・・・。



<斥候職に転職しますか?>


はい、っと。

悩んだ末に斥候になることにした。

オレは1人でいい・・・なんてタイプじゃないからパーティに忌避感はない。

しかし、特殊な状況なのもあるし神に挑むって目的もあるので基本はソロで行くつもりだ。

それにもう組織だの管理だのはやりたくないし、人の下につく気もない。

ダンジョンなんかに行く時に罠が解除出来なくて死にました、じゃ洒落にならないしな。


幸いシュヴェアートの加護で経験値アップ状態だ。

職業を極めたりするのも早いだろうと判断したのもある。

迂遠かもしれないけど、確実にいくつもりだ。



さて、斥候になったがどう変わったかな?

討伐依頼でも受けて確認してみようかね。

---ステータス---

個体名:ユウ・ミサキ

種族:ヒューマン

年齢:18才3ヶ月

職業:見習いシーフ 1new


レベル:10

生命力:575/575

魔力量:300/300


力 :C+

体力:B

器用:A

敏捷:B(ジョブ取得により1ランク上昇)

魔力:E

知力:D+

精神:A

運 :C


ースキルー


”アクティブスキル”

軽盾術5、鎚術5、剣術7、短剣術6(ジョブ取得により1上昇)、刀術6、斧術8、棒術4、槍術4、杖術5、拳闘術4、蹴撃術5、投げ技3、関節技3、投擲術6、弓術5、手当6、罠設置1(ジョブ取得により自動習得)、毒取扱1(ジョブ取得により自動習得)、罠解除1(ジョブ取得により自動習得)


生活魔法MAX


”パッシブスキル”

防御8、足捌き5、ステップ4、持久走5、軽業4、地図2、方向感覚3、サバイバル5、部隊指揮3、指導3、登攀2、魔力操作2、隠密行動1(ジョブ取得により習得)


ストレス耐性6、毒耐性5、精神耐性5、耐寒1、耐暑1


”生産系スキル”

釣り3、料理3、鍛冶2、木工2、皮革2、機械操作1、罠作成1(ジョブ取得により習得)


”ユニークスキル”

早熟MAX、器用貧乏9、アルマトゥーラ言語MAX、インフォメーション※体験版


”祝福”

ズィッヒェルの加護(特)、シュベアートの加護(狂)new


”称号”

苦労人、胃痛の友(笑)、器用貧乏、神認定お人好し、異世界より来る者、2柱の中級神の強き加護を得し者new、神の弟子、耐える者、森の狩人、戦闘狂い

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