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朝、いつもより少し早く目が覚めた。
まぁ・・・最初にやることは変わらない。
窓を開けて一服しながら、自分の呼気から漂ってきた少々酒臭い匂いに昨日の事を思い出した。
何だかんだとあったわけだが・・・結局天使の翼と栄光の剣を加えて祝勝会をやった。
最初は天使の翼と栄光の剣の間で思い空気が漂ってたんだけど、カンピランが最初に男らしく頭を下げたのが良かった。
天使の翼メンバーの度肝を抜いたもんな!いやぁびっくりしてたなぁ。
ポカンとした顔してたからね!
しかし・・・栄光の剣は本当に変わったなぁ。
男子3日会わざればって言うけど、男子1時間会わざればって感じだよ?
聞いたことねぇわッて言われるのは間違いない位早いよ。
勿論真剣に向き合ったから嬉しい結果ではあるんだけれど。
さりげなく指導スキルが光ったのかもな。
戦ってる最中、何度かスキルが上がりましたってインフォあったもんな。
自分でやっておいてなんだがアレ・・・指導だったんだな。
そうそう・・・久しぶりにステータスを見てみるか。
---ステータス---
個体名:ユウ・ミサキ
種族:ヒューマン
年齢:18才3ヶ月
職業:見習いランサー MAX new、銃器製造技師 1
レベル:28
生命力:2500/2500
魔力量:350/350
力 :A+
体力:S
器用:S
敏捷:A+
魔力:D
知力:D+
精神:A+
運 :C
ースキルー
”アクティブスキル”
軽盾術MAX、重盾術MAX、鎚術MAX、剣術MAX、短剣術MAX、刀術MAX、斧術8、棒術MAX、槍術MAX、二槍術MAX new、杖術6、拳闘術MAX、蹴撃術MAX、投げ技9、関節技8、投擲術MAX、弓術8、手当MAX、罠設置2、毒取扱1、罠解除1、気配察知7、威圧MAX、射撃術1、警護術MAX、挑発術MAX
生活魔法MAX、操気術MAX
”パッシブスキル”
防御MAX、足捌きMAX、ステップMAX、持久走8、軽業7、地図2、方向感覚4、サバイバル6、部隊指揮4、指導6new2、魔力操作3、気力操作MAX、隠密行動3、連携4、敵注目5
ストレス耐性6、毒耐性5、精神耐性7、耐寒2、耐暑2、閃光耐性MAX new、ノックバック耐性4 new
”生産系スキル”
釣り6、料理3、鍛冶2、木工2、皮革2、機械操作1、罠作成2、銃器製造1
”ユニークスキル”
早熟MAX、変幻自在、アルマトゥーラ言語MAX、インフォメーション※体験版
”祝福”
ズィッヒェルの加護(特)、シュベアートの加護(愛)、ファレの加護(職)
”称号”
苦労人、胃痛の友(笑)、器用貧乏、神認定お人好し、異世界より来る者、2柱の中級神の強き加護を得し者、神の弟子、耐える者、森の狩人、戦闘狂い、職業マニア、新職始めました、職業神に注目されし者、鬼軍曹new
・・・・・うん。
ステータスの伸びがおかしいな。
なんだよSって・・・。
やけに簡単にオークを切り裂けるようになったなぁと思ったら・・・。
基本職のステータスじゃないぞこれは。
まぁ・・・ここまで上がってもミーネと戦えるかというと微妙なんだけど。
技のキレが半端じゃないからなあの人は。
とするとそろそろ上位職も経験しておくべきか。
かなり基本職は経験してきたが、どれやったんだっけ・・・。
えっと・・・斥候、格闘、剣士、盾士ときて槍士もMAXか・・・。
残っている近接戦闘職は斧士だったかな。
あとは弓職と複合職のイェーガーがあるけど、シャルさん加えて3人になったとはいえシャルさんに盾役を任せるわけにはいかないよなぁ。
・・・あ、そうか!
別に最初だけ弓使って装備変更すればいいのか!
せっかくユニークスキルがあるんだから使わないと勿体無いよな!
弓士から斧士やって複合職に挑戦してみようかな。
よぅし、そうと決まったら今日からの偵察任務は弓士に転職してからいくとしよう。
そこまで決めた後は、3人で朝食を取ってから神殿に向かった。
〘見習いハンターに転職しますか?〙
はいっと。
うし。これで準備はばっちりだ。
〘獲物の知識、集中、森林行動の3スキルを新規取得しました。〙
おぉ?
転職したことで新しいスキルが得られたみたいだ。
初めて転職でスキルもらったな・・・ふむふむ?獲物の知識はまぁ分かる。集中は・・・どうやら命中率を上げるらしいな。これはいい。森林行動はこれから森に入るからありがたいな!
「よし、それじゃ食料買ったら行こうか」
「あいあいさ~!二人共よろしくね~」
「ん」
二人共昨日結構騒いでいたが、体調を崩したりはしていないようだ。
調子も良さそうだし、ついでに言えば機嫌も良い。
昨日の祝勝会の後でシャルさんも正式に風花に入ってくれたことだし、気合も入るってもんよ。
神殿からは特に異常も絡まれるような事もなく通りがけに出来るだけ良さそうな携帯食料を買った後、早速出発した。
森の中に入ってみると、早速得たスキル森林行動が活躍した。
なんとなく歩きやすい経路が分かるのだ。
かといって遠回りするわけでもないという不思議な感じだ。
森歩きと組み合わせると物凄い早さだ・・・これは嬉しいなぁ!
レベル1から随分便利・・・
〘スキル森林行動のレベルが上がりました〙
流石森の中というべきか、上がるのが早いね!?
でも、これは幸先がいいかもしれないぞ。
足取りも軽く俺達はオーク集落へと向かった。
スキルのおかげか思ったよりも早く到着。
ポイントを定めると3人で別の木によじ登り、集落が見える位置で観察を開始した。
「どれどれ・・・お?」
「ありゃ~?」
「ん。沢山」
離散しているかと思いきや、かなりの数のオークがまだまだ集落内に存在した。
思い思いに過ごす彼らを見る。
・・・呆れる位に余裕そうだな。
「・・・どういうことだと思う?」
オーク達を見つめたまま二人に尋ねると、二人も唸った。
「ん。上位個体ない」
「そうだねぇ~統率している個体が居ないのは確かだねぇ~・・・強いていえばまとめる人が居ないからどうしていいか分からないかんじ~?」
なるほど。
シャルさんの意見はしっくりくるな。
「次にどうしていいか分からないから、逃げないで居るって感じか・・・」
「だねぇ・・・どうする~?今は無害だと思うけど~それでも1000は居そうだね・・・これは放っておくには危ないかも~」
「ん、上位個体が生まれたら同じ」
「だよなぁ・・・とするとオークを殲滅もしくは離散させて、ここを使えないように破壊するってのがベストか」
「そうだねぇ~・・・でも相手するには多すぎるよ~?」
「ん。罠」
「うん、それが妥当だな。奴らを罠にかけよう。奴らを罠にかけるステージを用意しないとな」
「ならここから30m東に開けたところがあるから~そこがいいんじゃないかな~?」
「ナイスシャルさん!それでいこう。それじゃそこまで移動しよう」
「ん」
オーク集落から50m、俺達が偵察していたところから30m程度歩くと確かに開けた場所があった。
腐った大木が周りの木を巻き込んで倒れていて、そこだけ空が見えている感じだ。
辺りを観察する。
うん・・・いい感じだな。
「それじゃカリン、そこの大木の手前、そうそこから真っ直ぐ・・・そう。横に2m縦にギリギリまで穴頼む。深さは登ってこれない高さ・・・そうだな、3mでいけるか?」
「ん。よゆう」
「それじゃそれで頼む。シャルさんは掘った穴の底に必殺の罠とカモフラージュを頼むよ」
「まかせて~」
「そこでだいたい・・・30位は削れるかな。一度に引っ張る量を調整しないとか・・・」
罠を見ながら考えこむ。
一度に1000匹のオークが全員もれなく突っ込んでくるとは考えにくいが・・・。
「ん~・・・カリン?催眠魔法とか気絶魔法とかそういうのないか?範囲で」
「どっちもない」
「ならある程度の時間、敵を足止め出来る手はないか?」
「ん、地形を変えるなら」
「地形を?・・・ああ、なるほど。それもありだな」
「それならボクが良い物持ってるよ~」
「おお?シャルさんが輝いてるなぁ!」
「ふっふっふ~!じゃーん!ボクの秘密魔道具その1~メニシミールS!これを風上から流すと風下にいる獲物の目に入って涙が止まらなくなるんだ!」
すげぇ・・・ちょっとネコ型ロボットみたいなセリフだし、魔道具その1って、そのいくつまであるんだろうとかツッコミたい。
まぁそれはいいとして・・・これがあれば追いかけてくるオークの数は相当減るだろう。
これならいけるかもしれないな!
「いいねぇ!シャルさんそれ使うとしたらどの程度の時間効くんだ?」
「そうだねぇ・・・効き始めてからだいたい1時間は続くかなぁ」
1時間か・・・効き始めてから行動開始したとして、軽く暴れてオーク達を引っ張ってくるのに10分。罠に嵌らなかったオークをトドメを倒すのに5分、穴の中は後でいいとしても、引き返してオーク達を始末するのに・・・うん、流石に足りないな。
「そうすると何回かに分けるしかないか・・・相当デカイ穴だから100は入ると思うんだ」
「ん。雑魚オークなら100は入る」
「これだけ広かったらねぇ~?・・・でもまだまだ沢山いるよ~?」
「うん、範囲魔法やらで押すには数が多すぎるし、カリンの魔力量がいくら合っても足りなくなっちまうから引き返して戦うのは無し、とするとゲリラ戦でいくか・・・?」
「げりら?」
「うん、こないだ言ったような嫌がらせ作戦だな。目的がちょっと変わって敵をここから追い出すって感じだけど」
「う~ん、でもそうするとボクらだけじゃ時間が掛かり過ぎるんじゃない~?」
そうなんだよなぁ・・・ちょこっと攻撃して離脱、ちょこっと攻撃して離脱ってしてたらキリがない。
「とすると・・・火計はどうだ?夜に奴らが寝静まったところで燃えやすいものを集落の中に持ち込んで着火、集落の周りに罠仕掛けまくるとか」
「そうだねぇ~それは派手だけど・・・森に燃え移ったら大変だよ~?」
「ん。火魔法は危ない」
「だよなぁ・・・といって風とか水でやるってのもなぁ・・・」
なんかさっきから物騒な事しか考えてないな。
煮詰まってきたのを感じてとりあえず、煙草に火をつけて一服する。
二人の作業を見ながら思いっきり穴にダイブしてもらえるように脛辺りの高さに糸を張り巡らせる。
「・・・そうだな。とりあえずこの罠かましたら夜を待って偵察してみよう。状況がまた変わるかもしれないしな」
「ん」
「そうだねぇ~、今作ってる罠にどれだけ掛かるかまだ分からないしねぇ~」
しばらくして、罠設置が完了した。
流石シャルさん・・・作ってるとこ見てなきゃ何処にあるのか全く分からないぞ・・・?
地面の色も同じだし、掘り返した感じも皆無。
これは間違いなく引っかかるな。
成功を確信して、3人でニヤリと笑った。
他人から見たら、その光景は悪い事を考えている悪党どもにしか見えなかったかもしれない。
中途半端なところで切れてしまった・・・。
出来るだけ早く次を投稿したいと思います。




