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ようやく新キャラが出ます。


 それから1週間程Eランクの依頼を中心に受けて過ごした。

討伐も受けたが、おじいちゃんの話し相手になる依頼を受けたり、屋根の修理手伝い、壁の塗替えを手伝ったりとGランクも結構受けた。

Gランクの依頼は本当に受け手が居ないらしくアーシェさんをはじめ物凄く感謝されたんだぜ。

金の為とはいえ喜ばれると嬉しいよな。


Cランクになるためには15件の依頼達成実績が必要だが、Gランクでも実績に加えてくれるらしく、気がつけばCランクまであと1件というところまできていた。

アーシェさん曰く、戦闘力があるのはジョージ教官もミリー教官も太鼓判を押しているのでギルドとしてはあまりいない高ランク依頼を消化してもらうべくむしろさっさとランクを上げてもらいたいらしい。


この街はE~Sまで盛り沢山な魔物を誇る黒い森が主な活動場所になるが、南の港町から来る商隊や王都へ向かう商人を護衛したり、たまに現れる盗賊を討伐したりと意外と幅広いので高ランクの冒険者も集まりやすい。


とはいえ、Bランク以上になると世界中を回るパーティが多いみたいで、なかなか街にいるってことは無いらしい。

俺達もいずれ色んな所を巡る予定なんだけどな・・・。

転移術とかあれば楽に戻れるんだがなぁ。

いつの間にか考えが口から出ていたらしい。隣りを歩いていたカリンがこちらを見た。


「ん。転移術ある」


「ええ!?あるの!?」


「トルちゃんからもらった知識」


「おのれ変態紳士・・・侮れぬ」


長い詠唱が必要らしく、戦闘中に使える代物ではないらしいが専用の印を刻んでおけば、いつでもそこに戻ってこれるらしい。

人数が増える程膨大な魔力が必要だそうだが、カリンならいずれパーティ毎転移したり出来そうだ。

とはいえそんな便利呪文を2段階目の職業で使えるはずもなく。

あと1回クラスチェンジが必要なんだってさ。


カリンも少しづつ強い魔物と戦ってるし、トルペードの祝福は魔法職にとっては最高の加護みたいで、とにかくレベルが上がるのが早くなった。

オレも早熟と成長率アップ持ってるから相当早いはずなのだが、魔法を除いて全体的にカバーするオレのスキルや加護と違って、カリンのは魔法関係のみと尖っているせいか成長速度が全く変わらないという。


むしろ色んな武器を使っていたり、色んな職業に手を出しているオレよりも早く感じる程だ。

ちなみに見習いシールドガーダーもレベルMAXになったので現在、見習いランサーになっている。

上位職はレベルが基本職よりも上がりにくいらしくってカリンはクラスチェンジまでもう少しかかりそうだ。


お金も貯まってきているので、カリンは結界系の魔道具を買って防御力を上げてるし、オレももらった武器を何度も研ぎに出している内に流石に傷んできたので順番に更新中だ。

鉈から始まり、ダガー系、斧系、槍と新しい武器に持ち替えている。

性能は使う時にまた説明するよ。

魔物の部位を使った武器が多いかな?

気分はモンスターをハントする狩人だな。

ひとかりいこうぜ!みたいな。


スキルも大分増えたし、そろそろ二人で戦うことにも慣れてかなり連携は良いと自負してる。

流石に二人では出来ないことも出てきてて、最近はもう少しメンバーが欲しいところだ。

この手の小説でいうと王道は奴隷とかハーレムとかなんだろうが・・・そういうのは若い人に任せるよ。

おじさんは知ってるからね・・・女性は怖いってことを・・・。


「へんなこと考えてる?」


「いやなにも?」


「・・・そう?」


「うむ」


ほらな?女性っていうのは結構カンが鋭い。そしてなんというか・・・強い。

それを沢山とか考えられん。

きっと気を使いすぎて死ぬに決まってる。



 今日の依頼は森の中、それも結構深いところにのみ生える薬草の採取。

その名もハッスル草。

効果は魔力回復力促進。

マナポーションの材料にもなるし、そのまま食べても結構美味しいらしい。

魔物と戦う場合、それなりの戦闘力が必要になるからDランク。

魔物と出会う事無く採取する場合は非常に楽なので斥候職や気配察知系の職業の冒険者ならEランクでも受けられる。

買うとなるとそれなりに高価なのでこの際、カリンの練習用に少し多めに採っていくつもりだ。


何の練習?

料理だよ料理。

コツコツやってたおかげで最近カリンのステータスに料理スキルが増えたんだ。

すげぇ喜んでたけど、よくよく聞いてみると食べる為に作るらしい。

つまり食い気が先なわけだ。

オレの場合、家族に作ったりもしたし、1人で暮らすようになってからも時々作って食べていたが・・・家族に喜んでもらえるのが嬉しいかったから料理が好きになった気がする。

まぁ・・・カリンらしいよな。



 途中で見えた池で釣りしたくなったり、やけにゴブリンが多かった以外は特に問題なく進んだ。

鍛えたスキルを駆使して枝を払いつつ道とも言えない獣道をいく。

気配察知は常に発動しているが、特に危険な魔物の気配はない。

まぁ・・・AだのSだのまでいくと気配察知を誤魔化す位簡単にやってくるから油断は禁物だ。

相当深くまで行かないとそういう強者と会うことはないだろうけど。


と。気配察知に魔物がひっかかった。


「カリン」


「ん」


「前方100mに魔物。数は今のところ2」


「ゴブリン?」


「んー、もう少し大きい感じだ。オークかもしれん」


この世界のオークは猪の頭が乗ったデブという感じだ。

不摂生からのデブというよりは戦う為に脂肪をつけましたという感じでどちらかというと相撲取りが近いだろうか。

筋肉の上に分厚い脂肪の鎧という特性上、打撃や突撃に強い。

剣でも叩きつけて断ち切る両手剣よりも撫で斬る刀の方が向いている。

まぁ、魔法の耐性は無いからカリンがいれば問題ないと思う。


ポーチから60cm程の刀身を持つ刀と40cm程の大脇差しを取り出しておく。

カリンも杖を右手にいつでも詠唱出来るようにし、オレの左斜め後ろに移動した。

気配察知を駆使して、耳や眼も使って警戒しつつ前方に急ぐ。


「ここか・・・ッ!」


近づいていくと見えたのは小さな人影に振りかぶった斧を叩きつけようとしているオークの姿。

もう一匹のオークは斧ではなく槍をもつようで人影に突きつけているようだ。

小さな人影はぐったりと横たわったまま動かない。


「オォォォ!」


鞘にある脇差しを抜きざまに投擲する。

斧を持つオークはオレの威圧に驚いたのかこちらを見て、その眉間に脇差しが突き立った。


「グルォ!?」


「致命傷では無さそうだ・・・が!」


眉間の脇差しが邪魔なのだろう。武器を持っていない左手で脇差しを抜こうと柄を掴むオークに駆け寄りざまに腰に下げた刀を抜刀、そのまま首筋の急所を切り裂いた。

これで一つ。


動きを止めることなく次に向かう。

槍を持つオークは既にこちらに向けて槍を腰だめに構えていた。

槍先がこちらに向かって放たれる。

頭を狙った一撃は頭を半身で避けて左に向けて走りぬけながら刀を振るった。


「グルァ!」


「シッ!」


切断された槍先が吹っ飛んでいき、棒になった槍をそれでも振り回す。

オークの膂力で撓った棒が胴体に向かって振るわれる。

だが、そこにはもうオレは居ない。

オークの後ろに向かって走りぬけ、止まることなく刀を振るって右膝から下を斬った。


「グォォォ!?」


立っていられなくなったオークが倒れこむ。

あとはサクッと首を斬って終了だ。


「フゥー・・・」


残心しながら気配察知。

残敵0・・・よし。

倒れている人に回復魔術をかけるカリンを見ると、カリンが軽く頷いた。

どうやら命に別状はないらしい。

・・・良かった。



 オークから取った討伐証明をポーチにしまった後は、煙草に火をつけて木に背を預けた。

すっかり打撲や切り傷を治療された小さな男。


「こいつは・・・」


「ん。ホビット族」


ホビット族の生き方はドワーフに似ている。

彼らは非常に器用で、生まれながらの職人だと言われている。

その手で作られた繊細な細工物は王侯貴族に愛され、店で売ればホビット製というだけで高値がつく程だ。

アイシーンの街で見たホビット製の細工はめちゃくちゃ高かった。

彼らはドワーフと異なり力はあまりないが、小さな体を活かした素早い動きと器用な手さばきで斥候職をやらせると右に出る者が居ない程だという。

そんなホビット族は貴族の奴隷になっていた過去から森や山などに隠れ住んでおり、彼らに会うのは非常に困難だという話しだ。

もっとも冒険者としてそれなりの数のホビット達が世界中にいるので全く会えないわけじゃないみたいだけど。


しかし・・・そのホビット族がなんでこんなところにいるのか・・・。


「どうしてこんなとこにいるんだろうな?」


「わからない。近くに?」


「村でもあるってか?冒険者っぽい感じにも見えるけどな」


「・・・ん。ギルドカード持ってた」


ゴソゴソと男の子の荷物を漁っていたカリンがギルドカードを見せてくる。

カリン・・・そういうことしちゃいけないと思うんだ。

まぁ、目覚めなかったら街に連れてくにも迷うから何も言わないことにした。


「んー?ギルドカードって俺らが見れるもんなのか?なんか見えないって聞いた気がするんだけど」


「ん。識別で見れた」


「おおぅ・・・魔眼マジ便利」


「Cランク。シャルヒェル・ラズコー、25才」


「25才・・・年上だったのか」


「ん。見えない」


カリンに言われたくはないだろう・・・君だって12才くらいにしか見えないからね。

ロリ属性だからね完全に。

そのシャルヒェルさん。明るめの青い髪で緑っぽい服を着ている。腰には小さめの鉈と投げナイフが二振り、もっと持っているのかもしれないが・・・黒っぽい小さなブーツも含めて全体的に暗めの色で統一していて森の中という状況では隠れ易い格好。

軽装っぽいし、しかもホビットとなると・・・斥候職あたりだろう。


「そ、それで外傷は癒えてるんだろ?後は目覚めるのを待つだけか?」


「ん。傷はなし。生命力も回復してる。今は気絶してるだけ」


「んー、活入れたら起きるかな?」


体術スキルにそういうのもあったのだ。

ホビットの男シャルヒェルさんの後ろに回って背中に膝を当てる。両手を肩に添えてゆっくりと息を吸って集中、軽く活を入れる。


「フッ!」


「うぅっ!・・・うぅん」


上手く出来たらしい。シャルヒェルさんが眼をゆっくりと開けた。

しばらくぼんやりと辺りを眺めた後、覚醒したのかハッとして飛び上がった。

突然ジャンプしたシャルヒェルさんに唖然としていると、彼はこちらに害意が無いのが分かったのか


「ここは・・・君たちは?」


「ここは黒い森、俺達はアイシーンの冒険者でランクEのパーティ風花。オレはユウ、こっちはカリンだ。オークに殺られそうになってたから助けたんだが・・・間に合って良かったよ」


「なんだって!?そうか・・・ありがとう!ユウとカリンだったかな?君たちのおかげで助かったよ!ボクはCランクのシーフやってるシャルヒェル!シャルって呼んでね。本当にありがとう!」


ピョコンと頭を下げるシャルさん。

小さい体を一杯に使ってお辞儀する様はまるで背伸びした男の子のようで微笑ましい。


「あー、シャルさん。俺達はこれからハッスル草を採取に行くんだけど、シャルさんはどうする?」


「うーん・・・ボクも付いていっていいかな?オークの群れから逃げている内に道具を入れた袋を落としてしまってね。回収したいんだ」


「了解。どの辺り?」


「んー、ここがどこか分からないんだけど・・・足跡からするとあっちから来たんだろうね」


シャルさんが指差したのは幸いというか俺達の向かう方向だ。

途中オークと戦闘する可能性が高いが・・・問題ないだろう。

カリンの奴が森の中で効果が高い攻撃魔法を色々ミリー姐さんから教わってたみたいだし、オレも盾職をやってから威圧以外にも敵対心を上げて敵を引きつけるスキルをいくつか覚えている。

シャルさんの能力は未知数だが・・・確認しておくか。


「シャルさん。オレが前衛で壁役から攻撃役まで、カリンが後衛で魔法使いって感じなんだけど」


「あ、ボクは遊撃役が得意かな?弓で後ろから狙ったりも出来るけどナイフを使って近接戦闘も出来るよ。とはいえシーフだからどちらかというと戦闘よりも索敵とか罠を解除したり設置したりする方が得意だけれど」


「なるほど。なら、基本はシャルさん、オレ、カリンって隊列で戦闘に入ったらオレが前に出ればいいかな?場合によってはシャルさんにも前に出てもらいたいけど倒れたばっかりだから無理しないで欲しい」


「わかったよ~、助けてもらったばかりだしね。弓は落としてきちゃったけど投げナイフがあるから後衛役も出来るよ」


「よし、それじゃそれでお願いします。カリンもそれでいいか?」


「ん。問題ない」


「うし!それじゃシャルさん索敵と先行お願いします。オレも気配察知は持ってるので後ろと横を特に気をつけますんで」


「あいあいさ~。それじゃ先行するから10歩後ろを付いてきてくれるかな?それから敬語はいらないよ~?」


「了解。それじゃシャル頼む」


「あ~い。それじゃいこう」


シャルさんを先頭に歩き出した。

時間はまだ昼にもなっていない。妙な出会いがあったが、今日中には帰れるだろう。



・・・・たぶん。



---ステータス---

個体名:ユウ・ミサキ

種族:ヒューマン

年齢:18才3ヶ月

職業:見習いランサー 5new、銃器製造技師 1


レベル:23

生命力:1750/1750

魔力量:330/340


力 :A

体力:A+

器用:A+

敏捷:B+

魔力:D

知力:D+

精神:A

運 :C


ースキルー


”アクティブスキル”

軽盾術MAX、重盾術MAX new、鎚術MAX、剣術MAX、短剣術MAX、刀術MAX、斧術8、棒術MAX、槍術MAX、杖術6、拳闘術MAX、蹴撃術MAX、投げ技9、関節技8、投擲術MAX、弓術8、手当MAX、罠設置2、毒取扱1、罠解除1、気配察知7、威圧MAX、射撃術1、警護術MAX new、挑発術MAX new


生活魔法MAX、操気術MAX


”パッシブスキル”

防御MAX、足捌きMAX、ステップMAX、持久走8、軽業7、地図2、方向感覚4、サバイバル6、部隊指揮4、指導3、登攀2、魔力操作3、気力操作MAX、隠密行動3、連携4、敵注目5 new


ストレス耐性6、毒耐性5、精神耐性7、耐寒2、耐暑2、閃光耐性MAX new、ノックバック耐性4 new


”生産系スキル”

釣り6、料理3、鍛冶2、木工2、皮革2、機械操作1、罠作成2、銃器製造1


”ユニークスキル”

早熟MAX、変幻自在、アルマトゥーラ言語MAX、インフォメーション※体験版


”祝福”

ズィッヒェルの加護(特)、シュベアートの加護(愛)、ファレの加護(職)


”称号”

苦労人、胃痛の友(笑)、器用貧乏、神認定お人好し、異世界より来る者、2柱の中級神の強き加護を得し者、神の弟子、耐える者、森の狩人、戦闘狂い、職業マニア、新職始めました、職業神に注目されし者



---ステータス---

個体名:カリン・シュバイツ

種族:ハーフエルフ

年齢:20才2ヶ月

職業:スペルキャスター 8



レベル:18

生命力:500/500

魔力量:1480/1500


力 :E

体力:D+

器用:C

敏捷:F

魔力:A

知力:A

精神:C

運 :F


ースキルー


”アクティブスキル”

杖術MAX、結界術MAX、対象解析5


嵐魔法5、爆魔法4、氷魔法5、樹精魔法3、岩魔法3、空間魔法5、生活魔法MAX


”パッシブスキル”

ステップ4、礼儀作法3、足捌き4、魔素操作7、魔力貯蓄MAX、連携4


ストレス耐性2、精神耐性5


”生産スキル”

舞踏2、歌唱1、絵画3


”ユニークスキル”

魔導図書館 3、魔眼(識)3


”祝福”

魔法神の寵愛(変)


”称号”

薄幸、耐える者、芸術家、幼き魔女、神に執着されし者



---ステータス---

個体名:シャルヒェル・ラズコー

種族:ホビット

年齢:25才4ヶ月

職業:熟練シーフ 5



レベル:40

生命力:1000/1000

魔力量:500/500


力 :D(成長限界)

体力:B+(成長限界)

器用:A+

敏捷:A

魔力:E

知力:D

精神:C+

運 :B


ースキルー


”アクティブスキル”

短剣乱舞4、短剣二刀流3、追跡術8、小弓技5、投擲術9、鋼糸術6、罠制御6、劇毒物取扱4、全罠解除8、隠密行動6、聞き耳4、変装術3、気配探知MAX、隠蔽術3


生活魔法MAX


”パッシブスキル”

小転5、アクロバット8、持久走4、受け流し5、暗視術4


毒耐性4、麻痺耐性3、石化耐性1


”生産スキル”

細工4、採掘3、彫金3、薬調合5


”ユニークスキル”

直感8、幸運の星6


”祝福”

なし


”称号”

幸運な男、童顔、鋭き者、ボクっ子、器用者、歩く罠辞典、へたれ

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